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Gilt.comがサックス・オフ・フィフス、マンハッタン1号店内出店
以前「日本の百貨店・量販店がオムニチャネル戦略としてコンビニを活用することをどう思うか」と尋ねられたことがある。日本に行く度コンビニ通いを楽しみにしている私としては瞬時に「便利良さそう!」と思ったが、「やっとストアピックアップの開始か」とも感じた。アメリカでは10年くらい前には始まっていたはずだ。

今、アメリカの百貨店・量販店のオムニチャネル戦略ではモバイルが重点戦略となっていて、店舗・オンライン共にモバイルアプリを活用した販売・サービスが広がっている。もっと言えば新たなスタンダードとなっている。このモバイル戦略を実行するため、ノードストロームやサックスフィフスアベニューはオンライン・フラッシュセール企業を買収し、そのテクノロジーや顧客データベースを活用して、百貨店の発想を超えた、モバイルスクリーンからの視点で次々と新たな戦略を打ち出している。

今月、サックスの親会社ハドソンベイ社はオンライン・フラッシュセールの先駆者ギルト(Gilt.com)を買収した。競合ノードストロームは2011年にオートルック(Hautelook)を買収しているので、この動きは「やはりそうか」のニュースではあったが、その後3月3日開業予定のサックス・オフ・フィフスのマンハッタン57丁目店(ブルーミングデールズ本店にも近いパーク街とレキシントン街の)にギルトが入店、今までになかった実店舗ならではのサービス展開をする、というニュースは、百貨店の新たな動きとして捉えられている。

同ギルトの実店舗は、オフ・フィフス(47,333sq.ft.)のインショップのような扱いで、ギルトのロゴの入ったショッピングバッグを使用。「ギルト・バイ・アポイントメント」と呼ばれるパーソナルショッパーサービスや、ファッション・ビデオ等のサービスも提供する。さらに、オンラインのGilt.comと同じ商品をこの店舗では販売し、まさにお客様が有店舗・無店舗を自由自在に楽しめるオムニチャネルな展開だ。

実際の出来映えは来週のお楽しみとしても、アメリカの企業は試行錯誤をいとわないので、これをパイロット店として足掛かりに、次の業態を作り上げることだろう。そちらの動きが楽しみである。

(写真)オフ・フィフスのインショップ、ギルト店(サックス・フィフス・アベニュー提供)

 2016/02/25 04:07  この記事のURL  / 

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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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