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ブラックフライデー速報
今年のブラックフライデーの速報が出た。タイトルはどの新聞でも「買い物客は店舗からインターネットへ」だ。インベストメントバンク、ジェフリーズの調査(注1)では、オンライン購入予定者:店舗購入予定者の比率は、2014年19%:35%から2015年36 %:18%、オンラインと店舗が入れ替わったような数値だ。

オンラインストア4,500サイト・1億8,000万のサイトヴィジットを調査するアドビの調査(注2)でも、感謝祭当日のオンライン推定売上高は17億3,000万ドル、前年比22%伸長し、トラフィックの60%がモバイルだったという。ブラックフライデーのオンライン推定売上高は26億ドル、前年比14%の予測だ。

様々な報道から読み取る今年の特徴は、
1)上記のように店舗からオンラインへのトレンドは明らか
2)一部の店舗は木曜日夕方からオープンし、それなりに盛り上がった(メーシーズ、JCペニー)が、全般的にはブラックフライデー早朝のドアバスター(長い行列を作り、店内になだれ込む)は減り、客足が分散した形
3)逆にオンラインストアのクラッシュやスローダウン(サイトへのヴィジター数が多過ぎることによるキャパオーバー)が発生=オンラインへのトラフィックが増えている証拠
4)ただし、オンラインでもアマゾンや大手チェーンがブラックフライデーセールを1週間前倒しで開始した影響で、サイバーマンデーも成長の勢いが衰え、全般的に分散型となる予想
つまりは、今までのようにピンポイントのホリディセールではなく、11月半ばから12月24日までの長いマラソンのような商戦に変わった、ということだ。

なお、売上を牽引する商品はアパレルやアクセサリーからサムソン4K TV、ソニー・プレイステーション4、iパッドエア2等のエレクトロニクス製品、音楽やバケーション等に移っている。ファッション業界がブラックフライデーをリードできないのは、must have(絶対に手に入れたい)商品の不在、と言われているが、その点、エレクトロニクスや音楽・ビデオの世界では、人々の歳時記にあわせた製品開発・マーケティング努力がなされている。ファッション業界ももう少し非ファッション業界に学んでもよいのではないだろうか?

一方で、メーシーズではマイケル・コースのハンドバッグ、PBのチャータークラブのカシミアセーターが、ノードストロームでは$39.99カシミアセーターがベストセラーだったそうだ。わくわくするようなmust haveが無いならば、ド定番で勝負、という正攻法も効き目がある、ということか。

(注1)ウォールストリートジャーナル紙
(注2)ニューヨークタイムズ紙

百貨店のブラックフライデーのオンラインストア(出所:メーシーズ、ニーマンマーカス、ノードストローム、ブルーミングデールズ)
 2015/11/29 00:54  この記事のURL  / 

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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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