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アマゾン「プライムナウ」は安くて早かった
私はマンハッタンに住んでいる。アマゾン「プライムナウ」が既に導入されているエリアだ。仕事柄もっと早く試したかったが、ようやくその時が来た。トイレットペーパーとベーパータオルが同時に切れたのだ。

私は今までアメリカではごくごく普通のスコットのトイレットペーパー(大抵重いので6個入り)とバウンティのペーパータオル(これまたかさばるので大抵3個か多くて6個入り)を、わざわざ徒歩5分以内にあるファーマシーに買いに行っていた。原稿書きの間の気分転換にはなるが、両手が塞がるのでこれだけのために往復と買い物時間20分程度を費やさなければならない。それでも計画的家事が苦手なので、大抵最後の1枚になるまで事態を放置し、至急買出しに行かなければならない。正確に言えば、着替えたりちょっと化粧もするので30分はかかってしまう。前もって在庫を積んでおけばよいものを、何と生産性の低い時間を過ごしていたことか。

今朝キッチンでもトイレでも在庫切れを確認して、プライムナウを試すことにした。プライムナウはアマゾンが試験的に展開している「1時間以内のデリバリ」だ。昨年12月にニューヨークで開始し、既にアトランタ、マイアミ、バルチモア、ダラスで展開している。スタート当初は非常に限られた商品しか販売していなかったが、随分品揃えが増えている。しかし、1時間以内に入手できるとして、案外高くはないのだろうか?

そこで、下の図表のように私が買う可能性の手段を比較検討した。プライムナウは1時間以内だと8ドル近く送料がかかるが1時間以上なら無料なので、迷わず3時間以内の配送枠を指定して購入。待ち時間の間に、他の選択肢として@ご近所のファーマシー、Aアマゾンの子会社Soap.com、Bウォルマートの最寄店舗およびCオンラインを検証してみた。
詳細は図表をご覧いただきたいが、いくつか発見があった。

@今までのファーマシーはよく考えたらレジ待ち等買い物に時間がかかるし、配達人にチップを渡してもアマゾンの方が安い。なお、7ドル99セント出して1時間以内を選ぶと本当に1時間以内で飛んで(急いで)来ると言う。
A「2日以内に重くてかさばる日用品が届いて便利」が謳い文句のSoap.comは、過去に何度も利用していたが、販促対象のブランドを選んで沢山買わないと案外高いことが改めてわかった。
Bウォルマートのオンラインは一見安そうだが、よく見るとペーパータオルは6個入り(アマゾンは8個)だし、送料無料には50ドル以上買わないといけない。いずれにせよ4, 5日も待つのは家事能力が低く、気の短い私には向かない。
Cウォルマート店舗に頻繁に行く人にはこの選択もよさそうだが、トイレットペーパーが急に必要となると一般的には郊外であっても自宅の近くにあるはずのファーマシーの方がやはり先に頭に浮かびそうだ。

アマゾン以外全てに共通するのは無料送料のミニマムが高いことだ。最近ターゲットは無料送料ミニマムを50ドルから25ドルに引き下げたが、消費者側から見たら妥当な判断だ。

私は携帯電話から数分かけてオーダーし、結局2時間40分で品物を受け取った。途中、配達人に連絡を直接取り、彼がどこら辺にいるかを知ることもできた(プライムナウの基本機能)。アマゾンはやはり便利だ。もっとも23日に発表された同社第1四半期の業績は売上は予想を超えて伸長したが、当期利益はまたもや▲5,700万ドルの赤字。前年同期は5億1,700万ドルの黒字だったのに。「企業成長のために投資を続け、利益を出さない」を20年以上守り続けるベゾスCEOのド根性をかみしめながら、トイレットペーパーを補給した。

 2015/04/28 06:20  この記事のURL  / 

グーグルの広告収入拡大策とリテーラー
グーグルが、グーグル・プレイでアプリを販売しているアプリ開発者に広告スペースを試験的に販売することになった。グーグル・プレイは、アップル社のアプリ・ストアのグーグル版だ。グーグル社の携帯電話オペレーティングシステム、アンドロイドに搭載されるアプリ、ゲーム、映画等100万点以上を販売している。

グーグル社は検索に関わる広告を収入の柱としていたが、今までグーグル・プレイでは広告スペースを提供せず、同社が独自に選んだアプリやストーリーを携帯画面にフィーチャーしてきた。今回は試験ということで限られたユーザーを対象とするそうだ。ちなみにアップル社もアプリ・ストアでの広告は行っていない。

検索の王者グーグルがなぜアプリ広告に進出する背景には、検索広告収入の頭打ちがある。一方、アプリ販売は順調に伸びている。アメリカの消費者がモバイル・ショッピングにシフトする中、モバイル・ショッピングでは検索より、既にダウンロードしてあるブランドやリテーラーのショッピング・アプリから直接購入する傾向にある。

2014年8月のヤフーの調査によると、アンドロイド・ユーザーは平均95のアプリをダウンロードしているとのこと。これは若い層のゲーム・アプリ数が影響していると推測される。より信頼性のあるニールセンのデータ(2013年度末の調査)では、アンドロイドもしくはiフォン・ユーザーの平均ダウンロード数が26.8とある。私自身はいつの間にか69持っている。もっとも頻繁に見るのは20程度だろうか。しかし、プッシュ通知でおもしろそうな情報が流れてくると、そのアプリは開いてみたくなる。ショッピング・アプリは見るだけのものが多いが、セフォラやメーシーズは来店時にセールやクーポンがどうなっているかを移動中に確認する。

そんな訳で、モバイル・ショッピングはどんどん買い物行動時間に食い込んでいる。モバイル周りを固めないと、リテーラーは生き残っていけないかもしれない。

(写真)価格比較で人気が高いレッドレーザー

 2015/02/27 00:55  この記事のURL  / 

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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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