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メルトダウンするティーンズファッション
毎回、消えゆく・沈みゆくを書くのもどうかと思うが、今時代の変化期なのでここをしっかり見る必要があると思う。(下の図表をご参照ください)

筆者がウォッチしていたアメカジ御三家のエアロポスタルがとうとうチャプター11申請した。正直なところ、リーマンショック後、一番先にヘッドラインを飾るのはアバクロかとも思ったが、エアロは低価格をさらに激しくマークダウンし、マージンが薄いのがアダとなった。アメリカンイーグルは2年前から「えっ、これしかないの?」と思わせるほどマーチャンダイジングを徹底的に見直し、販促も引き締め、現在は業界でもトップクラスに業績を回復させているし、アバクロも創業者をセクシー路線と共に追い出し昨年度から徐々に業績を回復している。
(筆者注:掲載直後にアバクロの第1四半期決算報告があり、全社売上高▲3%、既存比▲4%に転落した。原因は海外観光客の減少だ。)

しかし、ティーンズファッション全体は非常に厳しい局面にある。ミレニアル世代(18歳以上20代半ば)がモノを買わなくなったこと、ショッピングモールに行かなくなったこと、が原因だ。もちろん彼らも裸でいる訳ではないから、アメリカの業界人が信じるところによると、H&M、ザラ、フォーエバー21などのファストファッションが衣料品調達しているそうだ。

5月8日のシカゴトリビューン紙の取材によると、今のティーンエイジャーたちはロゴが嫌いという。理由は「人と同じものを着ているのがバレバレで恥ずかしい」から。筆者の子供もニューヨークの高校に通っているが、確かに学校でロゴを着ている生徒を見かけない。(むしろその親が未だにアバクロのTシャツを着ていたりする。)

投資バンクのパイパージェフリー社の調べによると、ティーンエイジャーが好きなブランドは以下のとおり。

*ナイキ、アメリカン・イーグル、フォーエバー21、ラルフ・ローレン、ホリスター、パシフィック・サンウェア、アーバン・アウトフィッターズ、ヴィクトリアズ・シークレット、H&M、アディダス
*ただし、親の世帯所得別にみると、年収53,000ドル以下の世帯では、エアロポスタルがトップ10に入っていた。やはり安さが魅力だったようだ。

現在業績が手堅いティーンエイジャーファッションは、スマートフォンとオンライン世界に生きる顧客のために、各社はオンラインビジネス、モバイルアプリ開発、ソーシャルメディアに力を入れている。彼らはやがて消費をリードしていく存在だ。大人ブランドたちも、このカテゴリーの動向からは目が離せない。
 2016/05/26 23:37  この記事のURL  / 


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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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