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泡と消えつつあるフラッシュセールビジネスの行方
不況が始まった2008年から急成長した、数日間だけ50%以上安く買えるオンラインのフラッシュセールビジネス。草分けだったギルトは今年1月にサックスフィフスアベニューの親会社、ハドソンベイカンパニー社に買収された。しかも、一時期は10億ドルの市場価額とも言われていたが、その4分の1での買収だ。同業他社も一時期の勢いはなく、多くが売却されていたり、レイオフが始まっている。

*MyHabit.com
2011年にアマゾンが買収。今年4月に撤退し、サイトは閉鎖。
*Hautelook
2011年にノードストロームが買収。ここからオンラインファッションビジネスを吸収し、2013年に刷新してnordstromrack.comと共に再デビュー。
*Zuiliy
2014年に株式上場したが、その後株価は60%以上も下落し、テレビショッピングQVCの親会社に24億ドルで売却。
*Ideeli
一時期は1億ドルもの投資を集めた同社も2014年にはグルーポンが叩き値で買収。
*Fab.com
一時期は10億ドルの市場市場価額だったが、2014年に1,500万ドルで売却。
*RueLaLa
今年頭に数回に渡ってレイオフを実行。
*One Kings Lane
今年に入ってスタッフの25%をレイオフ。

各社共通した転落の理由は商品調達が困難になったことだ。景気が回復するにつれ、魅力があり、なおかつ50%以上の値引きに耐えられる商品在庫の調達が難しくなった。また、アウトレット最大手のTJマックスや、百貨店のアウトレットが不況後店舗数を拡大し、顧客を奪われたという側面もある。

フラッシュセール企業を買収する側は、彼らのオンライン顧客データが目的だ。どんな人が何を買っているのか、販促の成否などの分析にも使える。フラッシュセールビジネスは時代のあだ花だったかもしれないが、これを血や肉とする食物連鎖も見える。となると、フラッシュセールが沈没する前から買収した企業たちはやはり先見の明があったということか。
 2016/05/26 03:31  この記事のURL  / 


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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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