« 前へ | Main | 次へ »
メーシーズの新ティーンエイジャー・フォーマット「ワン・ビロウ(One Below)」
今月半ば、「セラー」としてアメリカ百貨店史に1ページを加えたメーシーズ本店地下は「ワン・ビロウ」に変身した。ミレニアル(millennials)と呼ばれる13歳から22歳*のティーンエイジャー+大学生の女子をターゲットにした新売場で、衣料品、アクセサリー、化粧品、そしてサムソン・ストアによる家電を販売している。

衣料品でフィーチャーされているのはAmerican Rag, Material Girl, ROXY, XOXO、そしてPBのMyStyleLab。売場の一角にはパーティ用のスパンコールやクリスタルがどっさりついたドレス売場「ホーム・カミング(Home Coming)」があり、子供のころからパ−ティが多いアメリカならではのニーズも押さえる。

化粧品はMAC, Benefit, Cliniqueをフィーチャーし、流行のブロー・バー(髪の毛をスタイリングするだけのサロン)もある。

サムソン・ストアではfit bitフィットネス・トラッカー等のウェアラブル電子機器や3Dプリント・サービスによるジュエリーやiフォンケース制作等、最先端のサービスもある。

また、若い人たちのライフスタイルに寄り添うために、広々とした待合スペースには電源つき無料wifiを用意し、大きな唇のオブジェを背景にした自撮りコーナーもある。

バッグなどのアクセサリー売場の商品は、中2階のバッグ売場でも販売しているブランド(カルヴァン・クライン、ル・スポート・サック等)とここだけのブランド(ヴィラ・ブラッドリー等)があるが、前者は中2階より安く異なるスタイルに絞っている。

日本同様、アメリカでもティーンエイジャーや若い層が百貨店で買い物をしなくなって久しい。若い層はファッションはH&Mなどのファストファッションで済まし、音楽やスマートフォン等電子ガジェット、グルメ等に消費を傾けている。現在メーシーズやJCペニー等の中価格帯の百貨店は、ラグジュアリー百貨店のように年齢の高い高額所得者を取り込むこともできず、ドル高もあって海外観光客の客足も減り、改めて国内需要の次の世代にターゲットを向けているが、移り気で情報感度の高いミレニアルを取り込むことは至難の業。アパレル専門店ですら苦労していることは、アバクロやエアロポスタルの例でご存知のとおり。

と言う訳でメーシーズ本店大改装プロジェクトの終盤が、地下53,000スクエアフィートのミレニアル世代売場となった。オープン時には大きな話題を呼んだセラーズが8階ダイニング&キッチン売場に吸収されてしまったことも時代の反映なのだろう。中途半端なエブリディ食器やキッチン用品は専門店やオンラインリテーラーにはかなわない。

このワン・ビロウは、パイロット業態として成否を見ながら、今後その部分部分を全米店舗に移植していく予定だ。ニューヨーク訪問の際にはぜひご覧いただきたい。

筆者の感想は、まだ何とも言えない、だ。オープンして日が浅いこともあり、外からミレニアルがわさわさ押しかけてくる様子はまだ見られない。あまり広告もしていないようだ。若い層ならSNSでの口コミ効果を待つ、ということか。視察時は平日5時過ぎだったためか、いつものように職場帰りのおばさんたちが娘用だか、自分用だかで手に取っている姿、そして広々とした待合コーナーでスマホをチャージしながらメールを確認する若者たちを見た。今日は日曜日なので、今からまた出かけてみよう。








 2015/09/28 01:54  この記事のURL  / 


« 前へ | Main | 次へ »

プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


2015年09月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ