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アスレジャーの拡大:ついにレギンスがジーンズを超える
今月12日に発表されたオンライン調査会社、スライスインテリジェンス社が行ったジーンズとレギンスのオンライン販売動向調査によると、とうとうオンライン販売点数でレギンスがジーンズを抜いたそうだ。下のグラフ1は同社が2014年1月1日から2年半の間に340,620件のオンライン購入を調べた結果だ。グラフによると直近の9月ではレギンスの販売点数シェアは約54%に対し、ジーンズは50%。グラフを見れば一目瞭然に入れ替わりの様子が見て取れる。

ちなみに販売額で言うとまだジーンズの方が上回っているが、ジーンズの平均購入額が62ドルなのに対して、レギンスは約半分だからだ。しかし、販売額でも売上シェアをひっくり返す日はそう遠くもないだろう。単価が安いのでまとめ買いする比率も高いだろうし、レギンスはジーンズ以上にフィット感や丸見えになる体形がいかに美しく見えるかが重要なので、気に入ったブランドなら色違いで数本買うという状況が見える。また、筆者の経験では、履き古すことで別の価値が生まれるジーンズと異なり、レギンスは消耗品だ。

さて、同調査でもう1つ面白いのが、各アイテムをどこで購入しているかを示すグラフ2だ。ジーンズはノードストローム、オールドネイビー、アマゾンがトップ。レギンスではアマゾン、ノードストローム、ヴィクトリアズ・シークレットだ。さすがオムニチャネルの優等生、ノードストロームが強い。が、ファッションに力を入れているアマゾンがしっかり結果を出している点もすごい。レギンスでアマゾンが1位なのは、@単価が安いのでアマゾン向き、Aアスレジャーファッションを好むライフスタイルの人がアマゾンでのショッピング好きかもしれない、という推測ができる。確かにフィットネスやヨガを熱心にするライフスタイルだと自然とショッピングモール等で買い物をする時間は短くならざるを得ないかもしれない。

私がさらに注目したのは、ジーンズ購入において、エクスプレスやリーヴァイスのような定番的なジーンズ購入先ブランドを抜いてノードストローム社のフラッシュセールサイト、オートルックが3.1%のシェアを獲得していることだ。プレミアムジーンズを安く購入するサイト、ということだろう。取りこぼしなくじわじわと顧客を獲得しているノードストローム社のオムニチャネル戦略の強さを改めて感じる。

オムニチャネル戦略という視点からは、コールズ百貨店、ギャップ、アメリカン・イーグルあたりが確かに生活実感としても納得する結果だ。実はメーシーズは一般で報道されているほどオムニチャネル戦略に長けている感じがしていない。幾重にも重なる複雑なセール、ごちゃごちゃとしたサイトのページ。同社のフェイスブックページを見ると、しょっちゅうオンライン顧客から「箱がつぶれて中身が汚れて届いた」とか苦情がタイムラインに書き込まれていて、フェイスブック担当者が謝っているのが丸見えだ。メーシーズのオンライン売上高は順調に伸びているので、恐らく靴やカバンのようなオンラインで売りやすい商品で稼いでいるのだろうが、こういう衣料品の定番アイテムで足元の弱さが見えるようにも思える。

(出所)スライス・インテリッジェンス 2016年調査
グラフ1:2014年1月1日から2016年9月30日まで340,620件のオーダーからの結果


グラフ2:2016年10月1日から2016年9月30日まで236,059件のオーダーからの結果
 2016/10/30 06:49  この記事のURL  / 


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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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