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風前の灯エアロポスタルに救いの手
今年5月にアメカジ御三家のエアロポスタルがチャプター11となった。結局現在までのところ買い手がつかず、600店舗以上が清算の危機に瀕している。ところが、先週アメリカショッピングモール事業会社大手のサイモン・プロパティ・グループとジェネラル・グロース・プロパティーズが意外な手を打った。両社がエアロポスタル買収コンソーシアムに参加したのだ。つまり、家主がテナントの倒産に際し、救済策として事業を買収するということである。

従来アメリカのショッピングモール事業会社がこのようにテナントに救いの手を差し伸べることはなかった。以前は、次のテナントを探せばよいだけだった。しかしオンラインリテ―リングが拡大し、ショッピングモールへの来街客数が減る中、倒産セールとか空き店舗とかは益々SCの魅力を損なうので絶対に避けたい。と言うことで、今回の、自らの枠を超えた決断となったようだ。

過去にテナントが倒産した時に手を差し伸べたSCはあった。ヴォルネイド・リアリティ・トラスト社がブルーミングデールズ本店となりにも店舗があったディスカウンター百貨店アレキサンダースを買収したのがその例だ。しかしその後、百貨店は解体され、不動産投資信託に切り替えられた。つまり、その小売業者の不動産価値を有効活用するのが目的だった。今回はブランド自身の救済である。もし成功すれば、不動産屋が自ら小売業者として自社物件のバリューをあげる活動をすることになる。

小売の世界は、この記事を読んでくださっている皆さんがご存知のようにmessy (どろどろ)で、detailed(細かい)商売だ。その上、アマゾンや他のオンラインリテーラーがショッピングモールからどんどん客を奪っているという難しい時代だ。どうやってエアロポスタルを再生させるつもりだろう。しかし、小売業者でないからこその発想が生まれてくるのかもしれない。今後の行方が楽しみである。

(写真)Ely Portillo氏撮影
 2016/09/28 08:55  この記事のURL  / 


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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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