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新事業モデルSEE-NOW BUY-NOW、第2ラウンドの検証
昨年からニューヨークファッションウィークで始まった、今発表した半年後の新作コレクションを今すぐ販売するSEE-NOW BUY-NOWトレンドは今月開催されたファッションウィークでも拡大した。L2インクの調べによると、今回NYFWに参加したブランドの21%が「今すぐ販売」を行ったとのこと。先駆者のレベッカ・ミンコフを始め、トム・フォード、バーバリー、トミー・ヒルフィガー、ラルフ・ローレン等のデザイナーや、バナナリパブリック、トップショップ、クラブモナコ等のショッピングモール系ブランドも「今すぐ」ゲームに参入した。

9月21日のfashionista.comでは、その後の成否の様子を独自に調査し、報告している。

【成功組】
トミー・ヒルフィガー:
サウスストリートシーポートで行われたカーニバル的なイベント会場で、たった今発表された商品をイベント会場内のポップアップストアで販売。商品はほとんど100ドル以下。翌日は既に完売となっていたとのこと。同ブランドはNYFW参加デザイナーの中でもっともデジタルエンゲージメントが大きく、ショー当日は前日より347%上がって411,000のエンゲージメント数に到達。昨年のショー当日から36%伸びたそうだ。

レベッカ・ミンコフ:
今回で「今すぐ」2回目のミンコフはソーホー店の外でショーを行い、即売を開始。前回はその月の売上高は2倍になったそうだ。

【残念組】
トム・フォード:
スパンコール、ファー、エキゾチックなレザーを使用したコレクションはフォーシーズンホテルのプライベートディナーの場で発表された。その後、マジソン街の店舗とNet-a-Porterで即売となったが、同サイトのスタッフが店舗を確認に行ったが、$6,450のスカート、$200のTシャツ等が売れている気配はなかったとのこと。

ラルフ・ローレン:
同社は初めての即売参加だが、アメリカンウェストのテーマの今すぐコレクションはコレクションの内容そのものが売りにくいものだったとのことで、店舗で人が群がるようなことはなかったそうだ。

このレポートを読むと、「今見たものを今すぐ買いたい」という購買意欲をかき立てるには、諸々の条件が必要なようだ。

*ショーでは半年後に発売するコレクションを発表するが、今すぐ即売対象商品は、着られる季節性の低い商品を意図的に開発・販売

*限定販売商品

*皆が欲しがるだけでなく、買える価格帯

*イベントで高揚感を煽ったり、ソーシャルメディアを活用して口コミ効果を高める仕掛け

なお、ファッションに力を入れ、来月からファッションウィーク東京のスポンサーでもあるアマゾンは、化粧品メイベリンがレベッカ・ミンコフと提携し、ミンコフのモデルに使用した2色の口紅を期間限定で販売した。今回売れ切れると、次回手に入るのは正式な発売日である来年の春とのことだ。

(写真)上:アマゾン社ウェブサイトより、下:レベッカ・ミンコフ提供(2016年春夏コレクションより)




 2016/09/28 04:33  この記事のURL  / 


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プロフィール

平山幸江(ひらやま・さちえ)

アメリカ小売業コンサルタント

1993年よりニューヨークを拠点に活動。Jクルー・ジャパン(伊藤忠プロミネントUSA)、フェリシモ・ニューヨーク、イオンUSA調査ディレクターを経て2010年に独立。

アメリカ市場でのファッション、小売事業展開の実務経験に基づいた市場調査分析、戦略企画が専門。「販売革新」「ファッション販売」他執筆。米国小売最新情報に関する講演。慶応大学及びファッション工科大学卒業。


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