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リスタートの「Band of Outsiders(バンド オブ アウトサイダーズ)」 2017年春夏NYコレクション



















(c) Monica Feudi
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創業デザイナーのスコット・スタンバーグ氏が離れ、2015年春夏シーズンを最後にいったん休止していた米国ブランド「Band of Outsiders(バンド オブ アウトサイダーズ)」が2017年春夏・NYコレクションに復帰し、リスタートを果たしました。ロサンゼルスに原点を持つブランドながら、NYで発表を続けていて、私も創業当初からコレクション会場に足を運んできただけに、今回のカムバックは特別な気持ちで見守りました。

今回から3人構成のチームがデザインを任されているそうで、創業者との違いが関心を集めました。全体に見ると、本来の持ち味であるLAテイストがさらにはっきり打ち出された印象があります。ファーストルックにメッセージが込められていました。グレーのダブルブレストのコートはオーバーサイズの仕立てでルーズめの着映え。ボトムスは同じグレーのたっぷりめパンツで合わせ、両サイドにストライプを走らせています。足元は白いベルクロ留めスニーカーでスポーティーな雰囲気を添えています。

「アスレジャー」の流れに目配りしつつ、LAの風情を帯びさせ、カジュアルに寄せすぎない南カリフォルニア流シックにまとめ上げています。創業者から受け継いだプレッピー色がベースボールジャケット風ブルゾンやバスケットボール・ショートパンツにうかがえました。ただ、先代の見せたギークっぽさは薄れ、もっと親しげでジェンダーレスなムードにシフト。アメリカンスポーツウエアへの接近も感じ取れました。

正統派仕立てのジャケットにリラクシングなショートボトムスを引き合わせるような、上品顔コーディネートが目につきます。どのアイテムにも「コンフォート(着心地重視)」の意識がうかがえました。フーディーやトラックパンツでストリート気分も持ち込んでいます。ガウンライクな羽織り物や、Vネックが深いセーターもスラウチなたたずまいを印象づけていました。

Band of Outsiders
bandofoutsiders.com




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 2016/09/22 11:49  この記事のURL  / 

「ENFOLD(エンフォルド)」と「MOUSSY(マウジー)」がNYに直営路面店をオープン 戦略や意欲を聞く
バロックジャパンリミテッドは2016年9月の2017年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイーク期間中に、NYで主力ブランド「MOUSSY(マウジー)」「ENFOLD(エンフォルド)」の直営路面店をオープンしました。米国市場への本格参入となります。「マウジー」はソーホー地区に、「エンフォルド」はウエストビレッジ地区に出店しました。












9月9日にオープンした「エンフォルド」があるのは、マンハッタンのWest Village(ウェストヴィレッジ)地区。地元のおしゃれな人が並木道を散歩をしていたり、ショッピングを楽しんでいたりする姿を目にする場所です。公園の目の前にある新ショップは、店内外にベンチが設置されています。店内ではグリーンのインスタレーションが心地よいムードを醸し出しています。「再構築」「未完成」「リユース」「PARK」「ART」がテーマ。店舗デザインは、Bohlin Cywinski Jackson(ボーリン・シウィンスキー・ジャクソン)氏が手がけました。世界中のアップルストア旗艦店を設計・建築していることでも知られています。












翌10日にオープンした「マウジー」は、NYのSOHO(ソーホー)地区に登場。多くの買い物客で賑わう人気のエリアです。ブランドのシグネチャーアイテムでもある、MADE IN JAPANのデニムを大きく打ち出した、和を感じさせる店内が印象的です。ファッション感度の高い客層を中心に、ジャパンデニムのクオリティーをアピールしています。ファッションアイテムと雑貨を集めた売り場構成です。


オープンにあたって、村井博之バロックジャパンリミテッド社長兼最高経営責任者(CEO)と「ENFOLD」クリエイティブ・ディレクターの植田みずきさんに狙いや意欲をうかがいました。




村井博之バロックジャパンリミテッド社長

出店の経緯に関しては、「グローバル力を考えて、アメリカに出ました。アメリカは経済は悪くない状況。でも、ファッションの消費は厳しい。その状況がどうなるのかに興味がありました。さらなる成功に向けて試したいという気持ちがあります。また、アメリカは対面式の販売の動きが悪くなり、EC(電子商取引)のほうに流れています。対面式を得意とするバロックがどこまでNYで結果を出せるのか試してみたい」とコメントしています。

NYでのショップが情報収集やものづくりにどういった効果を期待できるかについては、「アメリカで起こったことがほぼ半年とか1年ぐらい後に日本で起きる流れが続いている。たとえば、日本も経済はいいのに、服に関しては、去年はそこそこ売れていたけど、今は少し厳しくなってきているという点でもNYと動きが似ている。NYにアンテナを張り巡らせることで日本の今後の動きが見通しやすくなると考えています」と述べました。

日本からのファッション提案はどういう点が受け入れられるのかについては、「マウジーは2000年代に『渋谷109』でスタートしました。いわゆる『マルキュウ』ブランドとしてトップの地位を築いたブランドです。一方、エンフォルドは「ドメコン(ドメスティックコンテンポラリー)」という新たな地位を築きました。両ブランドとも新しいカテゴリーを日本で作ってきたんです。一つのブランドが人気を得ると、そのカテゴリー全体が同質化してしまうような、他社のブランドやカテゴリーとは立ち位置が違うと考えています」と語りました。





植田みずきさん

NYでのターゲットに関して、「NYのおしゃれ好き、エグゼクティブ、働く女性、ママさんなど多くの女性に着てもらいたいと考えています。この店は目の前が公園なので、近くに住んでいるような女性をイメージしています。3年前からパリでエンフォルドの展示会を開催しており、通常のラインのほか、コレクションラインというのがあり、それがパリでも受けています。特殊なパターンで構築されたインパクトのあるアイテムでありながらも、女性的な美しさを表現しています。NYでもコレクションラインを日本よりも多く扱います」とコメント。

サイジングの工夫に関しては、「パリで展示会を始めてから、パンツは6サイズを展開しています。サイズに関しては準備ができているので、不安はありません。ただ、検討を重ねているのは、気候の違いについてです。東京では冬でも最近暖かいので、防寒コートはそんなに需要がないのですが、寒いNYではそれが必要。真冬仕様のアウターをNY向けにデザインしようと思案中です」と語りました。

日本のファッションブランドとしてのアイデンティティーについては、「ブランドコンセプトである『隠された美』を重視しています。隠すことで美しさを引き出すという日本文化を意識してきました。そして、いやな所を隠すのも日本的な考え方。そういった『隠して美しい』ということを発信していきたいと思います。見た目上では特段のジャポニズムは押し出さないので、日本のブランドとは気づかれないかも知れません。手に取って見たら、実は日本のブランドだったんだという感じがエンフォルドらしさです」と話していました。


インタビューを終えて感じたのは、村井社長と植田さんに共通していた、NY進出にポジティブな姿勢でした。日本で立ち上げ、海外マーケットでも育ててきた、自分たちのブランドに自信を持っていて、NYでもっと広げていきたい、さらに上のステージを目指したいという意欲が強く伝わってきました。


ENFOLD WEST VILLAGE
411 Bleecker Street New York , NY, 10014
www.enfold.jp

MOUSSY SOHO
474 Broome Street New York , NY, 10013
www.moussy.ne.jp




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 2016/09/21 09:14  この記事のURL  / 

2017年春夏NYコレクション・リポート


2017年春夏ニューヨーク・ファッションウイークが終了しました。前シーズンから一気に勢いづいた「すぐ買えるファッションショー」(see-now-buy-now)の流れが加速、ショップ前の一般道をランウェイに変身させたり、スタンダップコメディー風おしゃべりを挟む格好でのユニークなランウェイショー、プロではないモデルにリアル感を託す試みなど、消費者との距離を縮めようとする意識を映し出しました。一方、ショーを見送ったり、規模を縮小したりする動きも。また、オリジナル作品とコラボレーションアイテムをミックスして発表したりする傾向も見られたりと、NYコレクションは曲がり角に差し掛かりつつあるようです。

アパレルウェブに寄稿しました。




曲がり角迎えたNYコレクション「新しい服=今、欲しい服」、ランジェリーやストラップ使いも
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/150270703464/2017%E6%98%A5%E5%A4%8Fnyfw





様変わりし始めたショーの風景 縮まる距離、深まるリアル
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/150413672869/




ファッションショーの未来像を映し出す「予告編」 アメリカ回帰、スポンテニアスが加速 異シーズン混在
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/150487283369/2017%E6%98%A5%E5%A4%8Fnyfw




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 2016/09/20 19:50  この記事のURL  / 

世界を旅する服 「Desigual(デシグアル)」2017年春夏NYコレクション












ニューヨークコレクションで毎回、とびきりに楽しげなランウェイショーを披露してくれるブランドがスペインの「Desigual(デシグアル)」です。ポジティブなマルチカラー使いがお得意で、今回の2017年春夏シーズン向けでも着る人の気持ちを弾ませる、プレイフルなカラフルルックを提案しました。

今回のテーマに選んだのは、「Global Travelers」。南米、アフリカ、アジア、そして日本などのイメージを写し込んで、世界を旅するような感覚をまとわせています。ビーズやタイダイ染め、フリンジ飾り、パッチワークなどのディテールも各地のお国柄や服飾文化を感じさせます。

文化のミックスを意識して、グラフィカルなプリント柄をたくさんあしらっています。キーモチーフは花柄。アップリケや刺繍でもフラワーモチーフが繰り返し登場し、着姿をいろめかせていました。エスニック模様やオリエンタル柄も多用。大胆なパターンは芯の強いキャラクターイメージも引き寄せます。

居場所を固定しない女性像にふさわしく、ボーホーな気分が全体に漂います。カフタン風のエキゾチックなウエアや、手仕事のニードルワークを施したデニムなどが行動的な「アーバンノマド」の着姿に導きました。モデルも人種やキャラクターの幅が広く、グローバル感の高いショーとなっていました。

国・地域にとらわれない「ボーダーレス」の風情が濃くなっています。自分好みの着こなしに交わらせやすそうで、自在のスタイリング「スポンテニアス」のトレンドとも好相性と映りました。

Desigual NY Fashion Week SS17
http://www.desigual.com/ja_JP/collections/new/spring-summer-collection/

Desigual
www.desigual.com




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 2016/09/20 04:20  この記事のURL  / 

10周年の集大成 「Erin Fetherston(エリン フェザーストン)」2017年春夏NYコレクション










(c) Thomas Kletecka
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流れ落ちるようなシルエットを主体に、ガーデンパーティーに似合いそうなリラクシングで上品な装いを提案した「Erin Fetherston(エリン フェザーストン」。ニューヨークコレクションで発表した2017年春夏シーズン向けの新作では、薄手のエアリーな生地を用いて、風をはらむロングワンピースをたくさん仕立てました。スラウチな着映えがうっすらとロマンティック。ガーリーとレディーライクを適度に響き合わせています。

目新しく映ったのは、やさしげな着心地のパンツスーツ。薄い生地でゆったりとオーバーサイズ気味に仕上げ、堅苦しさを遠ざけています。柄物はなく、ベージュ系やホワイト、ブルーなどの淡いトーンで穏やかな色味にまとめ上げました。

ボヘミアンなたたずまいと、気取らないエレガンスが融け合って、ドレスの普段使いに誘うかのよう。伸びやかなオフショルダーや、深めのVゾーン、トランスペアレントの演出などで、ほのかなセクシーも帯びさせています。

NYコレクションでの発表は今回で10周年。その節目にふさわしく、これまでの集大成とも言えるような、持ち味を凝縮したコレクションとなりました。余計な力みを見せない「エフォートレス」や、縦長シルエット、薄味ロマンティックなど、今のモードの方向感ともなじんでいて、「着たい」という気持ちを素直に引き出すリアルモードの装いに仕上がっていました。

Erin Fetherston
erinfetherston.com




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 2016/09/20 03:37  この記事のURL  / 

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宮田理江(みやたりえ)
ファッションジャーナリスト

複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスを経験後、ファッションジャーナリストへ。新聞や雑誌、テレビ、ウェブなど、数々のメディアでコメント提供や記事執筆を手がける。

コレクションのリポート、トレンドの解説、スタイリングの提案、セレブリティ・有名人・ストリートの着こなし分析のほか、企業・商品ブランディング、広告、イベント出演、セミナーなどを幅広くこなす。著書にファッション指南本『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(共に学研)がある。

公式サイト:http://riemiyata.com/
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