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2016年春夏東京コレクションまとめ









2016年春夏東京コレクションはここ数シーズンの傾向である大人路線をキープしつつも、若々しさやスーパーフェミニン感、チアフルムード、そして、「タイムレス」な美意識などが打ち出されました。素材使いやディテールは深みを増し、これまで以上に創り手の個性や持ち味が出たようです。

宮田理江のランウェイ解読 Vol.28 2016年春夏東京コレクション

http://www.apparel-web.com/column/miyata/2016ss_tokyo.html


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 2015/11/16 00:30  この記事のURL  / 

「挑戦的ものづくり」に光 第33回(2015年)毎日ファッション大賞

(c)増田義和
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日本を代表するファッションアワードの「毎日ファッション大賞」(毎日新聞社主催、経済産業省後援)が第33回を迎えました。表彰式が11月5日、日本橋三井ホール(東京都中央区)で開催され、受賞者をはじめ、大勢の来賓、関係者が集まりました。去年に続いて今年も推薦委員の1人として選考に加わった私も、栄えある表彰式に参加してきました。






新人賞・資生堂奨励賞を受賞したのは「CHRISTIAN DADA(クリスチャン・ダダ)」デザイナーの森川マサノリ氏。メッセージ性の強い作風で知られ、あのLADY GAGAのお気に入りクリエイターとしても有名です。

受賞スピーチで森川氏は「世界で戦えるブランドにしたい、そう思いながら、がむしゃらにやってきました。一時はファッションを離れたときもありましたが、刺繍屋を経営していた祖父が他界してから、自分自身を見つめ直したとき、やっぱりファッションをやりたいと思い、今に至っています。いずれ世界で戦えるブランドにしたいとずっと思っています。これからも模索しながら精進していきたい」と述べました。

鯨岡阿美子賞にはパタンナーの大丸(おおまる)隆平氏が選ばれました。大丸氏は米国・ニューヨークに「大丸製作所2(oomaru seisakusho 2 inc)」として拠点を構え、丁寧なパターンメーキングで高い評価を受けています。有力ブランドも顧客に持つそうです。公式サイトには「3.1 PHILLIP LIM」「ALEXANDER WANG」「CALVIN KLEIN」「JASON WU」「PUBLIC SCHOOL」「THOM BROWNE」などの名前が並んでいます。米国ファッションデザイナーズ評議会(CFDA)がファッション製造業の発展を後押しする目的でつくった「ファッション・マニファクチュアリング・イニシアティブ(FMI)賞」も受賞しています。大丸氏のところ以外にも、NYには大勢の日本人パタンナーがいて、多くのブランドで重要な仕事を任されています。日本人パタンナーはNYモードを下支えする存在となっていて、今回の受賞は彼らの仕事ぶりに目を向ける意味でも意義深いものとなりました。

受賞スピーチで大丸氏は「実家が家具屋で、幼い頃から家具のある生活が当たり前でした。ものづくりというものは、誰にでも平等に与えられた特権。16歳から服作りを始め、20年以上が経ちました。メイド・イン・ジャパンを次世代にきちんと伝えていく使命があると考え、会社をつくりました。明日からまたNYに戻ってスタッフ一同で日々、精進していきます」と語りました。

話題賞には「DIOR(ディオール)」が選ばれました。ブランドのヒストリーを網羅した大がかりな展覧会「エスプリ ディオール ディオールの世界」を開催したのに加え、東京でランウェイショーを披露し、表参道の旗艦店をリニューアル。1950年代から続く、ブランドと日本との深い関わりにも、ファッション業界を超えて広く関心が集まりました。

特別賞第一織物(福井県)が受賞。高密度の合繊織物に強みを持つテキスタイル企業です。約20年前に衣料品向けの超高密度合繊織物の開発・製造・販売事業を始めました。吉岡隆治社長はスピーチで北陸の匠へのリスペクトと誇りを示し、メイド・イン・ジャパンにこだわる姿勢をあらためて宣言。売り上げの70%を輸出が占めるそうですが、今回の受賞を機に、国内でのニーズも強化していきたいと意欲を見せていました。

最後に発表された大賞「sacai(サカイ)」阿部千登勢デザイナーに贈られました。2007年に続き、2度目の大賞受賞となりました。世界でも圧倒的な存在感がファッション以外の分野にも影響を与えたと評価されました。複数回の受賞者には「コムデギャルソン」の川久保玲氏や、「イッセイミヤケ」の三宅一生氏、「ヨージヤマモト」の山本耀司氏、「UNDERCOVER」の高橋盾氏がいます。

阿部氏は「17年間、好きなことだけを続けてきました。嫌なことはやらない。『自分の見たことがない景色を見たい』、それを常に思い、自分の知らない世界がもっと何かあるはず、それを見たい、そう思って仕事を続けてきました」と語り、ブランドを支えてくれるスタッフや業界関係者の支えに感謝を述べました。




表彰式のフィナーレを飾ったのは、「クリスチャン・ダダ」のランウェイショー。2016年春夏シーズン向けの新作を披露し、会場を盛り上げました。その後は、ドリンクやケータリングフードが振る舞われ、受賞者や関係者があちこちで和やかに歓談する姿が見られました。

今回の受賞結果を見て感じるのは、日本的な「ものづくり」や誠実な「職人仕事」を賞賛する姿勢です。目の前の仕事とまじめに向き合い、コツコツと着実に仕事をこなすアプローチを、日本ファッションの美点としてあらためて評価する意識がうかがえます。同時に、伝統や常識によりかからないチャレンジ精神、クリエイターマインドも重視されています。「継承と冒険」「日本式と自分流」のハイブリッドはこれからもジャパニーズファッションの魅力の源泉となっていきそうです。

第33回毎日ファッション大賞
http://macs.mainichi.co.jp/fashion/01jusyosya/




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 2015/11/07 17:59  この記事のURL  / 

「アンダーカバー」とニキ・ド・サンファルの回顧展で感じた「我が道を行く」反骨精神の強さ









◆「LABYRINTH OF UNDERCOVER」

25周年を迎えたファッションブランド「UNDERCOVER(アンダーカバー)」の回顧展「LABYRINTH OF UNDERCOVER」は楽しみにしていた展覧会です。東京オペラシティ アートギャラリーで12月23日まで開催されていますが、未見の人は早めの鑑賞をおすすめします。もう一度見に行きたくなるはずだからです。自然とそう思えるぐらい、中身の濃い展示内容となっています。

「UNDERCOVER」の本格的な個展は国内の美術館では初めてです。映像コーナー以外の大半の展示スペースでは写真撮影が許されている点もうれしい心配り。たくさんのコレクションアーカイブから、四半世紀にわたるクリエーションの軌跡を感じ取ることができます。

「LABYRINTH(迷宮)」と謙遜気味に銘打っていますが、高橋盾(たかはし・じゅん)デザイナーの創作世界に一貫した哲学や志向があることがうかがえる構成です。たとえばファーストコレクションにはフライトジャケットの変形バージョンが含まれていて、以後もしばしばミリタリー風味の作品が登場していることが分かります。ロック音楽やSF・特撮映像への傾倒もクリエーションの根っこになっているようで、強烈なシンパシーを感じます。

歴代のランウェイショー映像が年代別に上映されています。興味深いのは年代ごとの演出や服づくりの違いが見て取れるところ。早い時期の映像と近年のショーを見比べると、モデル選びや素材感の変化が感じられます。ショー映像が驚くほど豊富に用意されているので、ほとんどのシーズンをリアルに振り返ることができます。しっかりショー映像を見たい人はたっぷり時間を確保して出かけるほうがよいでしょう。





高橋氏本人が描いたデザイン画やアイデアスケッチがたくさん展示してあり、クリエーションの原点に触れる体験ができます。ショーへの招待状(インビテーション)を集めたコラージュ展示も、独特のセンスを感じさせます。

全体を通して印象に残ったのは、高橋氏は「反」の人だという点です。「反骨」的な精神に裏打ちされ、モードの常識に反逆を試み、古臭い仕組みには反体制的に臨む。デビュー当初は「裏原系」の看板的な存在とされ、東京ストリートのムードをハイファッションに持ち込んだ「UNDERCOVER」。しかし、25年を経てパリコレクションの常連となり、日本有数のラグジュアリーブランドに成長した今、この展覧会を機にまた新たな「反逆」をたくらんでいるのかもしれないと感じました。






◆「ニキ・ド・サンファル展」

東京・六本木の国立新美術館では「ニキ・ド・サンファル展」が開催されています(12月14日まで)。戦後フランス現代美術シーンで特別な存在となった画家・彫刻家である女性アーティスト、ニキ・ド・サンファル(1930〜2002年)の大規模な回顧展です。ニキは肉感的な体型の女性像「ナナ」と、原色を組み合わせたポジティブな色使いで有名です。

絵画と彫刻を融け合わせた立体的な作品で知られています。パリの総合文化施設「ポンピドゥー・センター」の隣にある可動噴水彫刻「自動人形の噴水」も有名です。後年は巨大彫刻に代表される、サイズが大きい作品を手がけるようになりました。それだけに展示空間を選ぶところがありますが、天井が高く、ゆったりとした国立新美術館は、ニキ作品らしいおおらかさを感じ取りやすい空間で、久々の大型回顧展ということもあって、今回は見逃せない展覧会となっています。

現代アートの変革期となった1960〜70年代にそのムーブメントの中にいたニキの歩みをたどるのは、モダンアートの変遷を感じ取る体験でもあります。絵具を入れた缶や袋を銃で撃つ「射撃絵画」はパフォーマンス・アートの先駆例とされています。今回の展覧会では実際にニキが銃を撃つ貴重な映像も公開されています。

初期のニキの作風として「射撃絵画」は脚光を浴びましたが、やはりニキの表現者としての集大成は「ナナ」シリーズにあるとあらためて感じられます。妊婦の知人から着想を得たともいわれる「ナナ」はぼってりしたフォルムと、大胆なカラーリングが一度見たら忘れられない印象を残します。今回は人間の何倍もあるような巨大サイズの人型作品も展示されていて、サイケデリックなまでに主張の強い色使いがさらに迫力を持って目に飛び込んできます。

「ナナ」では不自然なほどジャンプしたり腕を伸ばしたりと、アクロバティックなポーズが多く、動きの面でも愛嬌と生命感満ちています。そこにパンチの利いたマルチカラーが乗っかって、ポジティブなエナジーがあふれ出してきます。

「女性活躍」がやたらと取り上げられる昨今となりましたが、ニキがアートシーンに登場した頃は女性表現者の地位がまだ低く、彼女が属したアーティスト集団でも女性はニキ1人といった状況。ニキは女性の存在が軽んじられる仕組みや、女性に押しつけられる不利益を受け入れず、差別反対のオピニオンを積極的に発しています。今回の会場ではニキが女性の解放、地位向上の必要性を熱っぽく訴える当時のインタビュー映像も流されました。こういった姿勢は彼女の作品にも色濃く写し込まれています。

ニキは日本と縁が深く、とりわけコレクターで支援者だった増田静江氏との交流からは様々な作品が生まれています。パルコを渋谷に誕生させた立役者である増田通二元パルコ会長の妻でもあった静江氏は熱心にニキ作品を収集し、「ニキ美術館」を那須高原に開きました(今は閉館)。今回の展覧会では2人の交流にも光が当てられています。

女性解放の思いを託した「ナナ」の彫刻絵画はふくよかでカラフル、しかも朗らか。頼もしい腕にだっこしてもらいたくなるような、ほっこりした気分に誘われます。でも、単なるハッピートーンにとどまらない複雑なパッションもにじんでいて、彫刻と絵画のマリアージュが持つ表現力の豊かさを実感します。背中側の表現に別のメッセージを込める工夫は、バックショットにこだわる近頃のモードにも通じるところがあります。



同じ日に続けて「LABYRINTH OF UNDERCOVER」と「ニキ・ド・サンファル展」を見たので、それぞれの持ち味の違いがよりくっきり感じられました。高橋氏とニキは立ち位置も時代も異なりますが、既存の表現におもねらない反骨精神の強さでは共通しています。デザイナー、アーティストといった表現者たちの、「我が道を行く」という資質の大切さをあらためて感じることができました。

LABYRINTH OF UNDERCOVER
2015年10月10日〜12月23日
http://www.operacity.jp/ag/exh181/

ニキ・ド・サンファル展
2015年9月18日〜12月14日
http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/niki2015/






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 2015/11/03 20:52  この記事のURL  / 

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宮田理江(みやたりえ)
ファッションジャーナリスト

複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスを経験後、ファッションジャーナリストへ。新聞や雑誌、テレビ、ウェブなど、数々のメディアでコメント提供や記事執筆を手がける。

コレクションのリポート、トレンドの解説、スタイリングの提案、セレブリティ・有名人・ストリートの着こなし分析のほか、企業・商品ブランディング、広告、イベント出演、セミナーなどを幅広くこなす。著書にファッション指南本『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(共に学研)がある。

公式サイト:http://riemiyata.com/
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