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「ブロガーズトート」と「スーパーコンシューマー」







ブロガーでモデルのまつゆう*さんはファッションアイコンであるのに加え、デジタル時代のクリエイターとしても高い評価を受けています。彼女が企画してヒットさせたバッグが「ブロガーズトート」8月12日から新色のブラックが発売されました(ファッション誌『Sweet』とのコラボです)。

先日、まつゆう*さんの誕生祭のビンゴゲームで当選し、プレゼントしてもらった「ブロガーズトート」を使い始めて感じたのは、実によく使い勝手が考え抜かれていることです。名前が示す通り、有名ブロガーである彼女が自分で欲しいと思うような設計にこだわり抜いています。「お気に入りのツールをポンポン入れられるトートバッグ」という明快なコンセプトがきちんとデザインに落とし込まれているので、本当に使いやすい。荷物が多くなりがちなエディターさんやファッション業界人が愛用しているというのも納得できる造りです。育児中のママや、荷物の多いOLさんにも愛用者が多いそうです。

新色のブラックはあえて無地にしてあるので、着こなしとの相性を選びません。内側は鮮やかなピンクで、抜群のコントラストが利いています。ピンクのおかげで、バッグの中が明るく見えて、さらに使いやすくなっています。肩に掛けて歩くと、時折、内側のピンクがチラリとのぞくのもおしゃれです。

このバッグの制作プロセスで興味深いのは、「スーパーコンシューマー(SUPER CONSUMER)」というプロジェクトの一環として企画されたところです。このプロジェクトは「マニアックな消費者のアイデアをカタチにするプロジェクト」と位置付けられていて、まつゆう*さんは企画者である「マニアックな消費者」の立場で参加しています。

プロデューサー兼デザイナーの南和繁氏とウェブディレクターの中谷よしふみ氏が中心メンバーのプロジェクト。スーパーコンシューマーのアイデアがカタチになっていく様子を、ブログやポッドキャストで配信しているので、どんな人がどういった意図で企画・開発したのかを、買う前に確かめることができます。この仕組みはとても民主的で、納得感が高いと感じました。

今回の「ブロガーズトート」のブラックに関しても、企画立ち上がりの段階から検討打ち合わせのやりとりが公開されていて、どうしてこういう色や風合いになったのかがよく分かります。何度も試作を繰り返す中で、まつゆう*さんが率直に意見を発していて、参加者全員が誠実な態度で制作に取り組んでいる様子がうかがえます。

バッグ産地として名高い兵庫県豊岡市で専門の職人が造っているので、いろいろな品を詰め込んでもへたりが出にくい確かなこしらえ。サイズ感も絶妙で、今度のNYコレクションの取材にはこのバッグを持っていこうと決めました。

バッグの機能や特徴に関しては、とてもたくさんの工夫やアイデアが注ぎ込まれていて、ここでは紹介しきれないほどです。商品の案内サイトでは各部分の写真もたくさん載せて、詳しく説明されているので、そちらをご覧になってみてください。「スーパーコンシューマー」のサイトではまつゆう*さんの次なるプロジェクトも企画されているようで、そちらも気になるところ。ソーシャルメディアの出現がものづくりを変えていく可能性を、分かりやすい形で示しているという意味でも、「スーパーコンシューマー」のアプローチにはこの先も注目していきたいと思います。



ブロガーズトート
http://superclassic.jp/?pid=41201

ブロガーズトート新作ブラックができるまで
http://srcr.jp/011/a/m01.html

スーパーコンシューマー
http://srcr.jp/

まつゆう*
http://yaplog.jp/matsu-you/




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 2015/08/19 00:22  この記事のURL  / 

『美術手帖』がファッションを特集 深まるアートとモードの越境


『美術手帖』が2015年8月号で「ファッションの現在地」と題した特集を組んでいます。現代アートに強みを持つ同誌がファッションを真正面から取り上げた点は、ファッションとアートの接近ぶりを示してもいるようです。

「ファッションの未来をつくるキーパーソンの思考のもと」と銘打ったコーナーでは、「mame(マメ)」の黒河内真衣子氏や「Jenny Fax(ジェニー ファックス)」のシュエ・ジェンファン氏といったフロントランナーにフォーカス。従来のシステムに絡め取られるのを避けながら、ファッションの新しいあり方を手探りするクリエイターたちの思考に迫りました。

ファッション界屈指の論客とされる、「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」の山縣良和氏をはじめ、「NORIKONAKAZATO」の中里周子氏、「malamute(マラミュート)」の小高真理氏たちの言葉や活動を通して、静かに進むジャパンモードの変化に光を当てています。主に問われているのは、トレンドを追いかける時代の黄昏(たそがれ)。「消費」の次に来る、まだ見ぬ価値観におぼろげな輪郭を与えようと試みています。

気鋭の若手クリエイターを主な語り手に据えたおかげで、今の胎動が感じ取りやすくなっている点は編集企画者の手柄と言っていいでしょう。消費者主体の「着こなし」が当たり前となり、モードやトレンドの意義が問い直される今、その変化の最前線に立つ創り手の意識にも変化が起きつつあることがうかがえます。

ストリートファッションと消費の変遷を年表形式にまとめた「ストリートファッションの生成史 1980-2015」は、監修した『ACROSS』編集部の労作。永久保存版として手元に置いておきたい資料です。

アート作品を服にモチーフとしてあしらうような段階を越えて、アートとファッションはさらに親密度を増しています。一方、アート界の超新星、スプツニ子!氏がドレスやシューズをアート作品として発表した「Tranceflora - エイミの光るシルク」展が開催されたように、現代アートの側からもファッション表現に踏み込む越境の動きが見えていて、アートとファッション双方の挑発的なアプローチが両分野を盛り上げていく流れはますます加速しそうな気配です。

美術手帖
http://www.bijutsu.co.jp/bt/




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 2015/08/02 13:26  この記事のURL  / 

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宮田理江(みやたりえ)
ファッションジャーナリスト

複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスを経験後、ファッションジャーナリストへ。新聞や雑誌、テレビ、ウェブなど、数々のメディアでコメント提供や記事執筆を手がける。

コレクションのリポート、トレンドの解説、スタイリングの提案、セレブリティ・有名人・ストリートの着こなし分析のほか、企業・商品ブランディング、広告、イベント出演、セミナーなどを幅広くこなす。著書にファッション指南本『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(共に学研)がある。

公式サイト:http://riemiyata.com/
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