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タイ・バンコクのファッションからトレンド分析

soda(ソーダ)ショップ外観


FLYNOW(フライナウ)ショップ外観


年末は暖かいタイ・バンコクで過ごしてきました。

タイは年間を通して亜熱帯らしい気候で、
日本のような四季はないので、例えば寒くなったらコートを
買おうといった、日本的な「衣替え」の発想が根付いていません。

今回滞在中にショップを巡ってみましたが、冬物のイメージに近いのはニットぐらい。
冬のセールといっても冬らしい品はほとんどなく、人気タイブランドのセール品で
私が購入したのはレース素材のスカートやトップス、ちりめん風素材のパンツ。
どれも日本ではこれから春夏に着られるものばかりで、かえって得した気分になりました
(今回、私が購入したブランドは「FLYNOW」と「soda」です)。

タイファッションでは、いかに涼しく快適に過ごせるかという事が大切なので、
1枚でオシャレに見えるような、工夫の効いたデザインの服が主流。
風通しのよいレースやタイ伝統のカーヴィングを感じさせるような
刺繍やドレープ、ラッフル使いなど、ハンドクラフト感の高いアイテムが
日本よりぐんとリーズナブルな価格で手に入れることができます。






そして、タイに行って毎回、感じるのは、アジアでほぼ唯一と言える
外国支配の歴史を持たない、独立独歩の国らしい独特のファンタジー。
動物やアートなど、ドリーミングで目を引く、風土に根差したモチーフを
好んであしらっているところも特徴と言えます。



例えば、「FLYNOW」のカジュアルライン「FLYNOWV」ではショップ入口の
最も目立つマネキン数体に巨大な獣や鳥の剥製風頭部をオブジェっぽく
かぶせてあり、一瞬、ギョッとするダークな雰囲気が漂っています(笑)。

動物モチーフや神話的キャラクターをダイナミックにプリントされたアイテムは
時にグロテスクで時に謎めいていて、1枚で着ても軽く見えにくいという長所があります。





手仕事の伝統が受け継がれている国らしく、繊細なレースや刺繍が
施されているワンピースやスケートも多く、風通しとエレガンスが
両立している点もタイファッションの特質と映ります。

実際にはワンピなのに、袖や腰下にダイナミックな切り替えを施して、
まるでレイヤードのように見せる仕立てもあり、キャミソールや
Tシャツばかりではなくなってきたあたりに「脱カジュアル志向」とでも
呼べそうなこのところの変化がうかがえました。

タイの名産品であるシルクを贅沢に使った優美なドレス類も多いのですが、
全体に色やデザインにちょっと甘さを残すのがタイの「お約束」
という感じがあり、パステルカラーやフリルが多用される傾向も見て取れました。
(もちろんタイらしい鮮やか色・柄もたくさんあります)



日本でも注目が集まっている新星ブランド「Sretsis(スレトシス)」もチェックしてきました。

ほかは、日本のゴスロリじゃないけど、それをもっとガーリーで妖精風ムードに
仕上げたデザインや、舞台衣装を思わせるものをエッジィにアレンジした
新進デザイナーブランドなどが目新しく感じられました。



バンコクにあるラグジュアリーなセレクトショップ「Club 21」は
今回もパワフルな品揃えでした。パリ、ミラノ、NY、ロンドンの看板、
気鋭ブランドも勢ぞろいで、主張が強く、デザイン性の高い品が並びます。
こういったアイテムを着ていくシーンが豊富なリッチ層のパワーと、
経済成長が続くタイの勢いを感じる、ハイエンドでエッジィな目利きぶりです。
今回、おしゃれなダブルフェイスバッグ(片面がレザー仕立てで、
もう片面はキャンバストート)だな〜と思って手に取ったら
何と東コレブランド「PHENOMENON(フェノメノン)」のバッグでした(笑)。
ギャルソン、ジュンヤ、ヨージ、イッセイ、ミハラヤスヒロ、トーガ・・・etc
日本ブランドのセレクトも充実していました。



タイブランドの話に戻りますが、2013年春夏のトレンドキーワードの
1つである「オプティミスティック(楽観的)」なトーンはバンコクでも
色濃く打ち出されていて、世界トレンドにマッチしていました。
開放的で前向きなムードはタイブランドが得意とするところだと思います。
ショップで目立っていたのが、世界的トレンドとも共鳴するレースアイテムとブラトップ。
1年を通じて温暖なタイならではの、透けるレースやスポーティな腹出しトップス、
ビスチェ・ブラなど、涼しさを体感できるアイテムが多くディスプレイされていました。

世界トレンドを受け入れつつも、タイらしいファンタジーや手仕事感などに
由来する独自のスタイルは、2年前に行った時よりも際立って感じられました。
光に照り映えるようなパーツを随所にあしらったり、肩口にオーバーボリュームを
こしらえたりといった、素材の操り方やディテールの処理などにも
工夫と進化がうかがえて、日本の街角ファッションのカジュアル化が
ここ数年さらに進んでいることと考え合わせると、とても新鮮に映り、刺激を受けました。

〜関連記事〜

タイ・バンコクに学ぶ、技あり&春夏軽快コーデ
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20110322/110423/

楽観ムードにピッタリ!タイ・バンコクのリアルファッション
http://allabout.co.jp/gm/gc/377521/




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★個人ブログ「fashion bible」、ほぼ毎日更新中♪
 2013/01/04 18:34  この記事のURL  / 


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宮田理江(みやたりえ)
ファッションジャーナリスト

複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスを経験後、ファッションジャーナリストへ。新聞や雑誌、テレビ、ウェブなど、数々のメディアでコメント提供や記事執筆を手がける。

コレクションのリポート、トレンドの解説、スタイリングの提案、セレブリティ・有名人・ストリートの着こなし分析のほか、企業・商品ブランディング、広告、イベント出演、セミナーなどを幅広くこなす。著書にファッション指南本『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(共に学研)がある。

公式サイト:http://riemiyata.com/
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