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『美術手帖』がファッションを特集 深まるアートとモードの越境


『美術手帖』が2015年8月号で「ファッションの現在地」と題した特集を組んでいます。現代アートに強みを持つ同誌がファッションを真正面から取り上げた点は、ファッションとアートの接近ぶりを示してもいるようです。

「ファッションの未来をつくるキーパーソンの思考のもと」と銘打ったコーナーでは、「mame(マメ)」の黒河内真衣子氏や「Jenny Fax(ジェニー ファックス)」のシュエ・ジェンファン氏といったフロントランナーにフォーカス。従来のシステムに絡め取られるのを避けながら、ファッションの新しいあり方を手探りするクリエイターたちの思考に迫りました。

ファッション界屈指の論客とされる、「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」の山縣良和氏をはじめ、「NORIKONAKAZATO」の中里周子氏、「malamute(マラミュート)」の小高真理氏たちの言葉や活動を通して、静かに進むジャパンモードの変化に光を当てています。主に問われているのは、トレンドを追いかける時代の黄昏(たそがれ)。「消費」の次に来る、まだ見ぬ価値観におぼろげな輪郭を与えようと試みています。

気鋭の若手クリエイターを主な語り手に据えたおかげで、今の胎動が感じ取りやすくなっている点は編集企画者の手柄と言っていいでしょう。消費者主体の「着こなし」が当たり前となり、モードやトレンドの意義が問い直される今、その変化の最前線に立つ創り手の意識にも変化が起きつつあることがうかがえます。

ストリートファッションと消費の変遷を年表形式にまとめた「ストリートファッションの生成史 1980-2015」は、監修した『ACROSS』編集部の労作。永久保存版として手元に置いておきたい資料です。

アート作品を服にモチーフとしてあしらうような段階を越えて、アートとファッションはさらに親密度を増しています。一方、アート界の超新星、スプツニ子!氏がドレスやシューズをアート作品として発表した「Tranceflora - エイミの光るシルク」展が開催されたように、現代アートの側からもファッション表現に踏み込む越境の動きが見えていて、アートとファッション双方の挑発的なアプローチが両分野を盛り上げていく流れはますます加速しそうな気配です。

美術手帖
http://www.bijutsu.co.jp/bt/




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★個人ブログ「fashion bible」、ほぼ毎日更新中♪

 2015/08/02 13:26  この記事のURL  / 


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宮田理江(みやたりえ)
ファッションジャーナリスト

複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスを経験後、ファッションジャーナリストへ。新聞や雑誌、テレビ、ウェブなど、数々のメディアでコメント提供や記事執筆を手がける。

コレクションのリポート、トレンドの解説、スタイリングの提案、セレブリティ・有名人・ストリートの着こなし分析のほか、企業・商品ブランディング、広告、イベント出演、セミナーなどを幅広くこなす。著書にファッション指南本『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(共に学研)がある。

公式サイト:http://riemiyata.com/
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