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兼松繊維、フェニックスインターナショナルが社名変更 ブランド事業へ本格参入
  2014/12/19 19:11 | ニュース

(左から)会見に出席した手塚氏、長ヶ部社長、キャンベル氏


 兼松繊維及びフェニックスインターナショナル、及びグループ会社KTCグループ(以下KTC)の社名変更記者会見がきょう19日、東京・恵比寿で開かれた。2015年1月1日に、KTCは、フォワード・アパレル・カンパニー(以下FAC)に、兼松繊維株式会社はフォワード・アパレル・トレーディング株式会社、株式会社フェニックスインターナショナルはフォワード・アパレル・リミテッド株式会社へ名称を変更する。会見には、代表取締役支社長の長ヶ部良一氏、チーフ・オペレーション・オフィサーのレイモンド キャンベル氏、そしてプロデューサーとして国内向け自社ブランドを手がけるイエリデザインプロダクツ株式会社の手塚浩二氏が出席。ブランド事業への本格参入も表明した。

 KTCの主要事業は、テキスタイルの輸入と、OEM、ODM業務による輸入販売で、前者でおおよそ20%、後者で80%の売上を占めるという。2015年以降は、ブランド事業に力をいれて、将来的には、30〜50%程度の売り上げを占める主要事業に育てる。

 ブランド事業は、インポートブランドと国内向け自社ブランドで構成する。インポートブランドは、親会社である香港の巨大グループ、フォン・グループがライセンスを所有する米スキーウエアブランド、スパイダー(SPYDER)と、豪のアスリート向けスポーツブランド、トゥータイムズユー(2XU)を展開。1月下旬には都内で展示会を行い、2月中旬にはボードカルチャー&ファッションの合同展示会インタースタイル(神奈川・横浜で開催)に出展し、お披露目をする。

 国内向け自社ブランドは、メンズ1ブランド、レディース2ブランドの合計3ブランドを開発。3ブランドで初年度5億円の卸売上を目指すという。

 メンズは、ファクトタムのデザイナー有働幸司氏を迎え、30〜40歳代をターゲットとしたブランド「エレホン(Erewhon)」を誕生させる。レザー、デニム、ニットを主軸に、ダンディーな男性像を提案する。20歳代にモードからストリートまで経験した高感度な30〜40代男性が持つ、「支出を抑えながらも感度を落としたくない」というニーズに対応。主要販路は、百貨店、セレクトショップ、専門店とし、価格はニット1万2,000〜3万5,000円、ボトムス1万2,000〜3万5,000円を想定している。また、自転車通勤などに対応できるような機能型スーツ「エレホン スーツ」の開発も予定しているという。

 レディースは、手塚氏が率いるイエリデザインチームが手がけ、ディレクションは、エストネーションのマーチャンダイザーであった井出真理、朝岡真智子両氏が行う。

 「ステイアー(StayA)byイエリデザインチーム」と「ステイシー(StayC)byイエリデザインチーム」を展開。前者はOLの通勤着、後者はラグジュアリーとファストファッションの間に位置するカジュアル服と位置づける。

 「ステイアー」は、販路を郊外SC、セレクトショップ、専門店とし、ステイシーはそれらに百貨店を加えた展開を想定している。価格はステイアーが、ドレス1万1,000〜2万2,000円、ブラウス9,000〜1万8,000円、ニット9,000〜1万8,000円、ボトムス9,000〜1万8,000円。ステイシーは、ドレス1万6,000〜4万8,000円、ブラウス2万3,000〜6万9,000円、ニット1万2,000〜3万5,000円、ボトムス1万2,000〜3万5,000円を展開予定。ステイアーの方を手頃に抑える。


 国内向けの自社3ブランドは、2015年秋冬メルセデスベンツ ファッションウィーク東京の終了直後である2015年3月24日から26日まで、表参道ヒルズの「SPACE0」で展示会開催を予定。期間内にはショーも行う。

 兼松繊維株式会社は1999年、兼松株式会社からの分社を経て、2007年5月にフォン・グループの傘下に入った。2013年12月期のグループ連結売上458億円、従業員数は444名。今回の社名変更により、フォン・グループとの繋がりをより強め、グローバルでダイナミックな展開を目論んでいる。


「SPYDER」イメージ


(アパレルウェブ編集部)


アパレル企業のWeb責任者が見る「2018年。3年後のWeb戦略」【後半】
  2014/12/18 10:00 | インタビュー

アーバンリサーチ事業本部WEB事業部シニアマネージャー 坂本満広氏



オンラインストア。スタッフが活躍する場所。


―人材面のO2O問題に悩んでいる企業はとても多くいらっしゃいますよね。御社は店舗ブログを早くから始めており、販売スタッフさんがWebを積極的に活用しているように思います。特別意識して取り組んでいることはありますか?

 んー、特にないですね(笑)。使用する端末スペックを統一化するぐらいでしょうか。細かく指示をするよりかは、先ほどの話の通り、ブランドの世界感を意識してもらった方が大事かなと思います。

 URオンラインストアなどで、もともとWebモデルをやっているスタッフもいるのですが、そういう子たちは、Webの使い方が上手ですよね。「WEAR」で人気のあるKBF南船場店のスタッフや、アーバンリサーチ神南店のスタッフなんかは特に。ファンも多くて、街中で声を掛けられるみたいですよ。


― 一時のカリスマスタッフのようなマスメディアからの押しつけではなく、ボトムアップで育つカリスマスタッフって今っぽいですよね。

 店舗ブログは社長の一声で全店導入が決まったんですよ。最初は何をアップしたらいいか、店舗スタッフ側も悩んでいることが多かったですが、徐々にコーディネート記事が増えてきた。お客様の声を調べてみると、スタッフスタイリングが見たいという声も聞こえ、コーディネート記事がどんどん増えていきました。

 ここまできたら、コーディネートだけ抜き取って何かしようという話になり、専務が「じゃ、アプリを作ろう」ということになりました。これが「UR STYLE」のはじまりですね。

 URオンラインストアで今も配信している「STYLEBOOK」というコンテンツは、URオンラインストアの立ち上げから1年後ぐらいからやっていますが、最初からPV(ページビュー)が大量に集まりましたので、洋服を着こなすシーンが見たいというニーズがあることは感じていました。

以前、竹村専務から「Webをもっとスタッフが活躍できる場所にする」という話を伺ったことがありますが、店舗ブログやWebモデルはまさにそれが活かされる場所ですね。



URBAN RESEARCH DOORS STYLE BOOK



テクノロジー×企画力。アパレル企業の枠を飛び越える。


―「UR STYLE」はスタイリングやURオンラインストアとの連携だけではなく、スキャン機能やBLE(Bluetooth Low Energy)機能(※)を実装しています。どのような形で発展していくのでしょうか。

 スキャン機能を使えば、商品バーコード、カタログからコーディネート写真やスペック情報、さらに動画コンテンツが見ることができるようになりました。さらに発展していけば、TVや雑誌で気に入った洋服を見つけたら、ピっとスキャンして、すぐに買えるようになったらいいなと思っています。

 利用者も増えて、店舗では会員カードの代わりにどんどんダウンロードされており、「UR STYL」というアプリを起点に我々のメディアを増やしていき、URオンラインストアの集客に繋げていきたいと思っています。

 例えば、「ウェアラブルクロージング」だったり、「教えて!びい子」もその一環ですし、今の時代的に必要なキュレーションメディア的な要素も考えています。


―「ウェアラブルクロージング」や「教えて、びい子!」のような施策は、アパレル企業の枠を飛び越えていますよね。

 2つとも東京のプレスが担当しています。プレスはもともと雑誌や貸し出しが多かったのですが、最近ではテクノロジーを使った施策も手がけるようにもなりました。ちょっと前には渋谷のスクランブルの交差点のビジョンに、1年間スパンでURオンラインストアのプロモーションを流しました。Webチームとプレスの連携が強いのも、うちの特徴かもしれませんね。


―雑誌だけがアパレル企業のブランディングってわけじゃないですよね。今、仕掛けている新しい試みが、種となり数年後に大きな花を咲かせそうで、とても楽しみですね。


(左)「ウェアラブルクロージング」。端末に設置されたカメラが体形を正確に読み取り、体のラインに合わせ、ワンピースやスカートなどの洋服を試着することができる。(右)店舗に設置した際の様子。



2018年―3年後のWeb戦略。


―URオンラインストアの今後の取り組みについて、教えていただけないでしょうか。

 色々とありますが、1番大きいのは在庫データ連携になるでしょうね。アイルミネと在庫データを連携しましたし、ZOZOTOWNさん以外のモールさんとも連携を検討しています。今はどうしてもZOZOTOWNの売り上げが高いですが、いずれURオンラインストアのEC比率を30%以上にできればと思っています。

 あとはサイト内での多店舗展開も本格的に検討しています。URオンラインストアで母の日に販売した花が好評だったのですが、配送などの手間がとても大変でした。花をアレンジして梱包して送るとなると、それができるメンバーに倉庫内に入ってもらうのはちょっと厳しいわけですよね。洋服と場所が異なるものを無理矢理やっても良くないので、それならば、外部パートナーさんにURオンラインストアに参加してもらおうと思いました。もちろん、花だけじゃなく、家具、フード&ライフスタイルなど、我々の空気感にあうパートナーさんにはどんどん出店してもらいたいなと思います。


―なるほど。内製化でしっかりとした入れ物(URオンラインストア)を作ったので、これからは外に向けて、広げていくのですね。楽しみですね。

 ところで、各社が気にしていることですが、ブランドの自社オンラインストアとZOZOTOWNとの共存は可能だと思いますか?


 共存は可能だと思いますが、差別化が必要でしょうね。そのために色々な企画をどんどん出していける“企画力”とブランドの“世界感”が必要になってくると思います。例えば「SMELLY」というアクセサリーブランドのマニキュアですが、URオンラインストアのネイルギャラリーというコンテンツで塗り方の動画を配信し、リアル店舗でも同じ動画をサイネージで連携させました。コンテンツをリアル店舗と共有して広げていくということは、今後も仕掛けていきたいですね。

 ZOZOTOWNや他のモールサイトではなく、なんでURオンラインストアで買ってくれるのかと考えた時に、「URオンラインストアでの買物が楽しい」ってことかなと思うわけですよ。これはお店にも言えることですよね。なので、オンラインストアで買えるのになぜわざわざお店に行くんだろうと考えた時に、やっぱり「お店に遊びに行きたい、買い物が楽しい」ということが大事になるわけですよ。

 ただ、店づくりもWebサイトのレベルもどんどん上がっていきましたが、同質化してきてしまっている面もあります。Webの施策については、“洋服をどうやって売るのか”という営業的な考えと、“IT的テクノロジー” の考えをミックスした企画を考えていきますが、それを外の会社さんにお願いして企画を考えてもらっていては、商品やブランドの理解が似てしまい、同じような切り口の企画になってしまいがちですよね。

 もしかすると、将来的にはリアルで買い物をしなくてもよくなる時代がくるかもしれませんが、あのお店のスタッフに会いに行くとか、あのお店にしかないモノを体験してもらうとか、その時代に合った、洋服だけじゃない衣食住のライフスタイルを、ブランドごとの“世界感”と“企画力”で作っていかなければいけないと考えています。


―最後の質問です。展開が早すぎて3年後(2018年)の見通しすら立てづらい中で考えるWeb戦略について、坂本さんの考えを教えていただきたいです。

 もともとはPCをメインで展開してきましたが、今は端末が小さいわけですよね。小さい端末で勝負していくためには、表現の幅も限定されてしまい難しくなってきている。もしかしたら、将来的に端末という形が物理的に消えてしまうことになるかもしれないですし、どうなるか本当に誰も分からないですよね。

 ビッグデータやウェアラブルデバイスなど色々言われていますが、データを読み解くことや、デバイス対応することは誰でもできてしまうんですよね。なので、我々は発想力で差別化していくためにも独自の世界感と企画力を大事にしていきたいと思っています。それさえあれば、どんな未来になっても商品は売っていけると思っていますわ。


―長い時間にわたりインタビューにお答えいただき、誠にありがとうございました。

<聞き手:アパレルウェブ 吉岡 芳明>





坂本満広(さかもと・みつひろ) 1980年アーバンリサーチ入社。ジーンズカジュアルショップ店長を務めた後、1985年店舗マネージャーに就任。1997年URBAN RESEARCHアメリカ村店(1号店)の責任者として従事。2004年通販の責任者として事業を展開。約10年で売上高80億円。2013年よりアーバンリサーチWEB事業部シニアマネージャーに就任。現在に至る。


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三喜商事が伊ニットブランド「バーク」と独占輸入販売契約 都内旗艦店のオープンも計画
  2014/12/17 17:44 | ニュース

「バーク」2015秋冬アイテム。シグネチャーアイテムのニットダッフル。


 伊ニットアウターブランド「バーク(Bark)」が2015秋冬、日本に本格上陸する。三喜商事(東京、堀田康彦社長)が日本国内での独占輸入販売契約を締結。今シーズンから百貨店を中心に出店し、将来的には都内で旗艦店をオープンする予定だ。売り上げ目標(小売りベース)は、初年度10億円、3年後20億円。

 「バーク」は2008年、ニットウエアを生産・販売する伊OZONE社が立ち上げたブランドで、長年ニットウエアに携わってきたミケーレ・ニコラッチ氏がクリエイティブディレクターを務める。バーク編みと呼ばれる特殊な編地を用いたニットのダッフルアウターがヒットし、同ブランドのシグネチャーアイテムに成長。ニットアウターという新しい市場を作り出し、昨秋には伊ミラノのブレラ地区に直営路面店をオープンした。日本でもすでに数多くのショップで取り扱いがあり、根強いファンを持つ。

 2015秋冬からは、トップスやボトムス、アクセサリーなどの販売も開始し、トータルブランドとして提案する。中心価格帯は、メンズコート8万円〜11万円、ブルゾン・ジャケット7万円〜9万円、レディスコート7万円〜10万円、ブルゾン・ジャケット6万円〜8万円(すべて秋冬商品の日本小売価格)

 このほど都内で開かれたローンチパーティーでは、OZONE社代表のパオロ・ピエロッティ氏やニコラッチ氏をはじめ、三喜商事の堀田康彦社長らが出席。プレスやバイヤーなど業界関係者200人を迎え、メンズ、レディスの今秋冬プレコレクションを披露した。


ローンチパーティーで秋冬プレコレクションを披露。今シーズンからは、ニットアウター以外のアイテムも強化する。




(左から)クリエイティブディレクターのミケーレ・ニコラッチ氏、パオロ・ピエロッティOZONE社代表、三喜商事の堀田康彦社長。


アパレル企業のWeb責任者が見る「2018年。3年後のWeb戦略」【前半】
  2014/12/17 10:00 | インタビュー

アパレル企業のWeb責任者が見る「2018年。3年後のWeb戦略」【前半】―アーバンリサーチ事業本部WEB事業部シニアマネージャー 坂本満広氏


 スマートフォンの普及によりオムニチャネル化が加速した昨今。次のWebトレンドはすぐにやってくる。ウェアラブル、IoT、ビッグデータなど、リアルとバーチャルの融合が大きなうねりとなり迫ってきている。1年後の動向すら掴みづらい中で、予言にも近い"3年後のWebのかたち"について、アーバンリサーチオンラインストアを立ち上げたWEB事業部シニアマネージャーの坂本満広氏にきいた。

 Web事業部が大阪にあることもあり、東京周辺のファッションブランドのWeb担当者界隈ではベールに隠されたような雰囲気を醸し出すアーバンリサーチ。「ウェアラブルクロージング」や、「教えて!びい子」などの先進的なテクノロジーを使った取り組み、俳優の古田新太氏がハイヒールを履きこなして怪しくポーズを決めるイメージビジュアルが話題の「SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH」など、既存の枠に囚われない彼らの謎のベールの中には、「柔軟な企画力」と「内製化による強固な基盤」が隠されていた。


動機はシンプル。「ネットで服を出せば、売れるんちゃうか?」


―まずは今期のアーバンリサ−チオンラインストア (以下:URオンラインストア)の実績を教えていただけないでしょうか?

 URオンラインストアの売上は前期70億円でしたが、今期は120%ぐらいで超えていけることができそうです。ただ店舗出店が急速に伸びて、会社全体の売り上げに対して、EC比率が30%から20%に下がってきているんですよ。


―店舗、URオンラインストアとも相変わらず好調ですね。

 おかげさまで、私が1人でやっていた頃からは想像もつかないくらい伸びました(笑)。2004年にオンラインストアを立ち上げたのですが、最初は「インターネットで服を出せば、売れるんちゃうか」って言う単純な動機ではじめたんですよ(笑)。


―シンプルな動機ですね(笑)。でもアパレル業界って普通は逆じゃないですか。「Webなんかじゃ服は売れない」っていう声が大きかったはずですが。

 何でしょうかね...不思議と迷いはなかったですね。とっても単純に考えていました。「Webで売れなくても、Webを見た後にお店に来てくれるんちゃうか」とも考えてましたしね。


―最初からWebルーミングの思考を持っていたんですね。さすがです。それにしても2004年ってスタートが早かったですね。

 専務の竹村(専務取締役の竹村圭祐氏)が昔からITやテクノロジーに明るかったということもありましたが、URオンラインストアは経営メンバーで決めたことなんで、会社から全面バックアップしてもらいましたし、僕がもともとIT側ではなく営業の人間で、営業サイドの事業も分かるってことで、社内のバランスは比較的取れたと思います。


―店舗とWebの連携が進んでいる御社ですが、最初から店舗とWebの垣根は低かったんですか?

 いやいやいや、ありましたよ。本社の人間には徐々に理解してもらいましたが、店は違うわけですよね。そりゃそうですよね、店の成績があるわけですから。

 最初はWebへの抵抗感はありましたよ。最初は店舗在庫をネットで販売していましたしね。ネットで受けた注文をデータにして、紙に印刷して、全店にFAXを流して、各店舗に在庫をチェックしてもらうわけです。

 チェックが全部終わったら、今度は車で全店を回って集めに行くわけですよ。そして戻ってきて、また注文通りに仕分けして、ラッピングして、送り状も出す。これをね、1人で1年半ぐらいやっていましたね。

 それから3〜5人ぐらいの組織にして、やっと本社にWeb在庫を持ちまして。そこから売り上げが10億円規模になるまで、5年ぐらいは本社内を倉庫にしていましたよ。

 セール時期は本社内が洋服だらけになって、各店舗からヘルプメンバーがたくさん来てくれました。


アーバンリサーチオンラインストア



売上10億円。80人のWebチームへ。

―売上10億円以降はどのような体制になったのですか?

 その頃から、経験豊かな人物を増やしました。例えばWebデザイナー、広告代理店のマーケッター、クリエイター、プロのカメラマンなどを増やし、社内に撮影スタジオを作ったりして、自分たちでやっていける基盤を作っていきました。

 Webチームが80人ぐらいいます。他には、もともと同じWebチームでしたが、独立したクリエイティブチーム、そして会員システムのUR CLUBチームがあります。


―ここから"内製化の道"が進んでいくわけですね。

 僕らの考え方は、「できないから外の会社さんにお願いする」のではなく、「外でやってもらった方が効率的に進む」場合のみやっていくという方針です。それ以外は基本は自分たちでやる。当然失敗も多くなりますが、何が良いのか悪いのかを体験でき、ノウハウが貯まっていきます。

 例えば、オンラインストアの商品写真ですが、最初の頃はどこのファッションECサイトも写真にはブランドの世界感がまったく出ていなかった。単純に商品を撮影しているだけの写真でしたね。

 それを社内のブランド担当者が見ると、「この写真、ウチの服ちゃうよ、やめてー」って言い出してしまう(笑)。そこで自社サイトはもちろん、他社さんが運営する外部モールサイトの商品写真を自社内で制作したものに差し替えてもらうようにしました。


―効果はどうでしたか?

 めちゃくちゃ売れましたよ(笑)。そして一番話題になったのは、モデルにしゃがんでもらい座って撮影した写真を使ったことですかね。着ているコートの雰囲気を出すためには、しゃがんだ方がいいという話になって撮影しました。普通では考えられないですが、これもね、売れました。



着ているコートの雰囲気を出すために、あえてしゃがんで撮影したモデル



―内製化だからこそ、ブランドや商品の魅力が分かっているということが伝わるいいエピソードですね。

 我々は関西発の会社なので、最初は関東での知名度が低かったんですが、ZOZOTOWNなどの外部モールさんに参加させてもらった辺りから、知名度が上がっていきましたね。

 そしてアーバンリサーチ新宿店を出した時に、東京でURオンラインストアの利用者が増え、店舗とWebの連携を強く感じましたよ。

 やっぱり店舗がないところでは、Webは認知が低く売れにくいのですが、店舗を出せばその地域周辺でWebが売れることを実感しました。

 この件もあって、Webがリアル店舗からお客様を奪うのではなく、リアル店舗のお客様がWebを使ってくれるっということを、店舗スタッフも理解しネットの必要性を感じてくれました。


2日で5,000枚売れた。実感するO2Oのデータ効果。


―まさにO2Oですね。

 はい、相乗効果を実感してくれたと思います。あとはデータですね。

 私はもともと営業をやっていたので、お客様の顔を覚えてノートに書き出してっていう超アナログなやり方で仕事をしていましたが、ネットはデータが取れるでしょ。「こんなに便利なものがあるのなら使わな損」ということで色々とデータを活用していきましたよ。

 そうすると、徐々にデータから、「お客様のこの商品が欲しい」という声が聞こえてくる。

 例えば、最高でも5,000枚ぐらいしか作ったことがない商品について、Webデータから声を聞いてみるとオンラインストアだけで8,000枚ぐらい売れそうだということがわかった。

 そこからすぐに商品部に掛け合ったんですが、予算がないとかで、なかなか相手にしてくれなかった。そこで、「売ってくれという人がおるんやから、作ったらええやないの」という勢いで会社に掛け合ったところ、最終的には最高数と同じ5,000枚作ったら2日で売れました。商品部のメンバーは、「ほんまや」と納得してくれました(笑)。

 さらに次の年は1万枚にした。正直、商品が運び込まれた時は(売れるか不安で)ゾっとしましたけど、これも1週間ぐらいで売れました。


―データ活用も積極的に実施して、リアル側の人たちにWebの活用方法を伝えていったんですね。

 本当は営業の人間がITのスキルを持っていると一番いいのですが、そんな人間は稀ですね。営業の人はブランドの世界感や売り方などファッションの商売が分かるけど、ITには疎いタイプの人が多いですからね。そこをくっつけると良いものができるんですが、これがね、なかなかくっつかないんですよ(笑)。だから最初は自分が接着剤になって頑張りましたよ。

 Webサイトを作る時なんかは、ブランド側は世界感を主張するし、WebクリエイターもWeb側のルールなどを主張する。なんやかんやで色々とやりあって、今のWebサイトの世界感があるわけです。

 なので、採用の時に気をつけたのが、ITをやっている中でも服に興味がある人、本当はうちのブランドがいいですが、最悪うちのブランドじゃなくてもファッションが好きでWebデザインが好きな人。そういうメンバーを積極的に採用してから売り上げも伸びていきました。



坂本満広(さかもと・みつひろ) 1980年アーバンリサーチ入社。ジーンズカジュアルショップ店長を務めた後、1985年店舗マネージャーに就任。1997年URBAN RESEARCHアメリカ村店(1号店)の責任者として従事。2004年通販の責任者として事業を展開。約10年で売上高80億円。2013年よりアーバンリサーチWEB事業部シニアマネージャーに就任。現在に至る。


後半に続く


大切な人に贈るメッセージムービー 「アガット」のクリスマス動画サービスが話題
  2014/12/12 20:20 | ニュース


「アガット」クリスマス特別サイトで公開されているムービー


 大切な人に向けてオリジナルメッセージつきのムービーを送ることができる、ジュエリーブランド「アガット(agete)」(運営:A&S)のサービス“Gift from you”が話題だ。

 今年のクリスマスコレクション販売にあわせて製作したもので、「アガット」のサイト上で、相手へのメッセージを入力すると、ロマンティックな動画の最後にそのメッセージが表示される仕組み。完成した動画は、メールで送れるほか、facebookやtwitterなどのSNSでシェアすることもできる。12月25日までの期間限定。

 2014クリスマスコレクションは、アンティークレースのような繊細で優美な透かし模様が特徴的なシリーズや、半貴石をラフ&スライスカットし、リラックス感とラグジュアリー感を併せ持つスキニーストーンシリーズなどを提案。店頭やオンラインショップで取り扱っている。

■「アガット」公式サイト
http://www.agete.com/

■「Gift from you」サイト
http://www.agete.com/2014christmas/gift-from-you/





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