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【第24回香港ファッショウィーク春/夏(3)】香港から世界にアピールできたか 会期中のトピックをピックアップ
  2017/07/22 22:00 | 香港ファッションウィーク
 「第24回香港ファッショウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)では、約1,100社によるブース出展のほか、出展者によるフロアショー、最新トレンドやテクノロジーに関するセミナー、また地元香港の学生たちによるランウェイショーなど豊富なプログラムが実施された。伊国際靴見本市「ミカム」による初めて出展し大型ブースを構えるなど、世界各地から来場者が訪れる同展示会での国際的アピールをにらんだ取り組みが見られた。会期中のトピックを写真とともにお届けする。


■伊「ミカム」が参加 自国の靴産業をアピール




 2016年イタリアから香港への靴の輸出量は前年比1%減を示したものの、輸出額は3・5%増加。香港はイタリア靴の5番目の輸入上位国(中国は11位)であり、依然アジアにおける重要なマーケットであるとして、イタリア貿易振興会(Italian Trade Commission)が、伊ミラノで9月に開かれる国際靴見本市「第84回ミカム展」のプロモーションを行った。フロア中央部に構えた大型ブースでは、「The Seduction of Footwear(フットウエアのいざない)」と題し、イタリアメイドのヒール靴約50足を展示。会期2日目に行われたセミナーでは、デザイン性・品質の高さを強みに、モード界に貢献してきたイタリアの靴の歴史を紹介した。



■マカオ デザイナーの卵たちがコレクション披露




「MACONSEF」在籍デザイナーたち


出展企業と同様にブースも構え、商談に臨む


 マカオがファッション産業振興を目指し強化しているのが、デザイナー育成によるファッション文化の創造。今回コレクションを披露した「マコンセフ(MACONSEF)」は、マカオ唯一のファッション&クリエイティビティーのスペシャリスト養成機関である「ハウス・オブ・アパレル・テクノロジー」(HAT)で18カ月間のディプロマプログラムを修了した生徒が、さらに2年間、ファッション業界でキャリアを築くための実践的なコースを受ける機関。今回の同展示会参加も、その一環。マーケティングを行い、より市場ニーズに合う作品を制作することが課せられている。
 今回は、ユニース・チョン、カリーナ・ラオ、セレスティノ・マリア・コルドヴァ、ユナ・リョン、ミッキー・チェの5人が参加した。

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【マカオレポート2016】中国返還から17年 マカオがファッションデザイナー育成に力を入れる理由


■ウールマーク・カンパニーが新しいファブリックを発表



 ウールマーク社は、「新世代のメリノ・イノベーションーウール・デニム・ウェア&ウール・スニーカー」と題したセミナーで、最新のデニム・ファブリックとその関連アプリケーション技術を紹介した。ウールの防汗、通気性、臭気および保温性がスポーツウェアに使用するのに理想的であると説明。耐摩耗性の高さもスポーツシューズに適しており、多くのスタイルに対応できることを強調した。また、運動後の筋肉疲労を軽減するために羊毛・ナイロンに遠赤外線機能を組み込む取り組みが進んでいることも明かした。



■地元香港の学生たちがランウェイショー


PolyUの大学院生による卒業作品


Theiの学生によるショー



CUSCSの学生によるショー



 通常、6月で授業が終了する香港。香港理工大学(PolyU)の大学院生による卒業作品や学生たちのインティメート作品が披露されたほか、香港中文大学(CUSCS)や香港高等科技教育学院(Thei)の学生らもランウェイショーを実施。フレッシュな感覚とともに香港クリエーションの広がりを見せた。



■来場者増につなげられるか 次回「センターステージ」




 クリエイターブランドを集めた国際展示会「センターステージ」(香港貿易発展局主催)が今年で2回目を迎える。9月6〜9日の開催を前に、香港ファッションウィークの会場でも大型プロモーションを行った。名前や連絡先を登録すると、旅行などのプレゼントが当たるキャンペーなども併せて実施。前年は、200ブランドが出展し、71カ国・地域から8,300人を動員した。

(取材:アパレルウェブ編集部)

【第24回香港ファッションウィーク春夏(2)】時流をつかみ販路拡大を狙う海外勢
  2017/07/21 15:36 | 香港ファッションウィーク
 7月10〜13日に開かれた「第24回香港ファッションウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)には、初参加のカナダ、ネパール、サウジアラビア、ベトナムを含めた20カ国・地域から1,094社が参加。中国(582社)や香港(389社)をはじめ、インド(40社)、タイ(18社)、韓国(15社)、日本(12社)、マカオ(9社)などが上位を占めた。中国勢の出展は15社増えたが、全出展者数は1割弱減少。来場者数は1万2,000人と3年連続でマイナスとなった。10年以上に渡り同展示会に参加しているという中国のアパレルメーカーは、「出展者・来場者ともに減少している」と懸念するが、それでも出展を続けるのは、「中国の展示会には訪れない欧州の有力バイヤーが多く来場するから」という。同じく欧州市場をターゲットにする韓国の常連ブランドは、「リピート客がつきやすく、ビジネスチャンスを広げるには最適だ」と同展示会の魅力について話した。クリエイターブランドを集めた「センターステージ」(9月開催)と出展・来場が分散しているとの声も聞かれるが、幅広い国・地域での販路開拓を期待して展示会に臨む企業・ブランドが目立った。日本以外の出展者を紹介する。



■ヌサ neusa (インドネシア)




メリンダ・ベビーアンナCEO


 インドネシアから出展した「ヌサ」は、インドネシアの伝統柄バティックを軸にした婦人向けカジュアルウエア。今回はインドネシア人デザイナーのPURANA氏とのコラボレーションラインを披露した。和着物をイメージしたコレクションで、トップスは800〜1,000香港ドル、スカーフは400〜600香港ドル。
 運営するアルゴ・アパレルグループは4つの婦人ブランドを擁するアパレル企業。前年、サステナブルファッションをコンセプトとした「ラン・シング(Run Thing)」で9月開催の「センターステージ」に参加したが苦戦。ミレニアル世代への訴求を強めたいと「ヌサ」を出展した。同展示会でランウェイショーを披露したところ、米国や豪、中国、韓国などのバイヤーが興味を示した。「オーストラリアのバイヤーからは、リネンやコットンを用いた商材がオーストラリアの気候に合うという評価も得た」(メリンダ・ベビーアンナCEO)。日本への進出にも興味が持っている。

http://www.argoapparel.id/



■ラナ・イスマイル Rana Ismail (サウジアラビア)



(右下)デザイナーのラナ・イスマイル氏


 会期初日にランウェイショーを披露した「ラナ・イスマイル」。ムスリム・ファッションをシックなカラーとスポーツディテールで、現代的なスタイルに仕立てた。コットンを中心とした着心地のよい素材も魅力。「気温が高く乾燥しているサウジアラビアで、いかに快適に過ごせるかは非常に重要な要素。女性の内面的な美しさを引き出すようなファッションを提案していきたい」とデザイナーのラナ・イスマイル氏。欧州を中心に販路を広げてきたが、アジアのあらゆる国・地域のバイヤーと商談をしてみたいと同展示会に参加した。来年はロンドンでショーを行うことも検討している。サウジアラビアではマルチブランドショップも経営するビジネスウーマンで、中国や日本のファッションにも関心があるという。


■ハイパーボーラ・テキスタイル Hyperbola Textile (台湾)



ブース前ではオリジナルのプリント柄を用いたノベルティーを配布し、“ファッション+ファンクション(機能)”を打ち出した。


 スキーやゴルフ、ランニング、ヨガ、アウトドアなどに対応する多彩な機能素材開発で、大手スポーツウエアブランドやアウトドアブランドとの取引実績がある同社。世界的なアスレジャー&フィットネスブームを背景に、年商は前年比20%増を確保するなどビジネスも好調だ。現在の取引先は欧米が8割、アジアは2割。日本の大手商社とも取り組みを行っている。自社にデザインチームを抱え、ファッショントレンドにも柔軟に対応できるのが強み。「消費者の生活スタイルの多様化に伴い、スポーツウエアだけではなく、機能性の高いタウンウエアの需要も着実に増えている」(プロジェクト・マネージャーのヴェラ・ホウ氏)という。これまで、「ISPO」(ドイツ)や「インターテキスタイル上海」(中国)といった国際展示会に出展してきたが、新規客の獲得をにらみ、同展示会に初参加した。ファッション性の高さを打ち出すため、アパレル製品も豊富に並べた。「非常に反応がいい。テキスタイルだけではなく、製品に興味を示してくれる小売り業者も多い」と話した。

http://www.hyperbola.com.tw/



■ヴェンディス Vendis (韓国)




 もともとはプリント工場として1999年創業。日本企業を主な取引先として事業を拡大したが、2008年から主販路を中国にシフト。2010年にビーチウエア・ブランド「ヴェンディス」を立ち上げた。韓国でトレンドのラッシュガードや水着、ビーチドレスなどを、生地開発からデザイン、販売まで一貫して手がける。「例えばラッシュガードの小売り価格は2,000円ほど。スポーツウエアやビーチウエアが台頭するなか、手ごろな価格も強みだ。カップルやキッズ向け商品も充実させているのも大きな特徴」(キム・テオCEO)という。今回は、アジア市場での売り上げ拡大を狙い出展。昇華転写プリントを得意としており、ブースでは繊細なグラフィックや色柄に足を止める来場者が多く見られた。50枚規模の小口注文や、OEM生産にも対応する。オンラインストアは、韓・英・中・日の4カ国語対応で売り上げ拡大を図っている。

http://vendis.kr/



■シュリ マハヴィア エンタープライゼス Shree Mahavir Enterprises (インド)



 婦人向け衣料生産を主力とするシュリ マハヴィア エンタープライゼスは、自社工場運営を強みに、上質なインド綿を使ったブラウスや、トレンドの刺繍をのせたアイテムなど、幅広い需要に値ごろな価格で対応する。大手ファストファッションからの受注生産も行うが、100枚からの小口注文にも対応する。現在ドイツやメキシコ、オーストラリアなどの欧米を中心に取引があるが、香港を拠点にアジアでの販路拡大を狙い出展した。展示会への参加も初めて。「集客にはやや苦労したが、市場のニーズを掴むいい機会になった」(同社)という。


■S.O.A.(韓国)



 韓国発のバッグブランド「S.O.A」は本革を使った婦人向けショルダーバッグやメンズ向けのビジネスバッグなどを披露。1982年から卸販売を行っていたが、2013年に自社ブランド「Warm Grey」をスタート。リブランディングを行い、今シーズンからブランド名を刷新した。上質な素材使いと、ファッショントレンドに馴染むシックなカラーやデザインが強み。中国の上海や広州に店舗を構えるほか、米「ケネス コール」など有力ブランドのOEM生産も行う。同展示会には10回以上参加しており、「品質・価格・デザインのバランスを評価してくれるバイヤーが多い。リペアにも対応しているので、3〜4年前からリピート客もついている。海外ネットワーク広げるのに最適な展示会」と見る。卸価格は20〜50米ドル。今回もバイヤーの反応は上々で、香港や台湾のバイヤーと商談を行い、オーダーもついた。5年ほど取引がある香港の男性アクセサリーデザイナーも会場を訪れ、コラボレーション企画のオファーがあった。


■慈渓市穎光製衣 Cixi Yingguang Garment(中国・寧波)


安心・安全基準のエコテックス認証なども取得。慈渓市では、3万7,000平米の敷地に1,700人の従業員が働く。(左下)貿易部経理の何東林氏。


 1996年創業の慈渓市穎光製衣は、中国寧波の慈渓市を拠点とする大手アパレルメーカー。自社工場を抱え、ニットウエアやレジャーウエアを主力としている。今回は、天然素材を原料としたモダール繊維とポリエステルを使ったスパンデックスニットを披露。伸縮性の高さと肌触りのよさ、豊富なカラーリングを訴求した。卸価格は約50米ドル。年間1,200万着の生産実績があり、チェーンストアなどからの大口注文を得意としている。同展示会には10年以上継続出展。すでに欧州を中心に米国やオーストラリアにも顧客を持つが、香港では、中国本土の展示会では出会えないような幅広い地域のバイヤーと商談ができるのが魅力だという。


http://www.yingguang.com/



■アメイ AMAY (タイ)


デザイナーのメイ氏は、自身も現在妊娠中。エコ素材を使うなど自然環境にも配慮。



 タイ政府のテキスタイル調査・開発機関「タイ・テキスタイル・インスティテュート」(THTI)が主催し、革新的なテキスタイルやファッションデザインを表彰する「クリエイティブ・テキスタイル・アワード2017」の優勝者として同展示会に参加したのは、「アメイ」デザイナーのKamala Kannalekha(通称May:メイ)氏。受賞作品となったのは、働く女性たちのためのマタニティーウエア。ブラックやグレーなどのベーシックカラーを基調としたシンプルなモード服は、サイド部分がジップで開閉でき、いつでも授乳ができる仕様。併せて披露した「5イン1」バッグは、乳児用のミルクからPC、スマートフォン、書類まで1つのバッグに収まるという高機能バッグだ。「タイで販売されているマタニティーウエアのほとんどは、20年ほど前から変わっていない。もっと現代の女性に合うスタイルやデザインがないかと考えていた」とメイ氏。ブランドは今年立ち上げたばかりだが、大手飲料メーカーで10年間マーケティングを担当してきた手腕を生かし、今後も働く女性たちが求めるものを商品化していきたいと意欲的を見せた。上代価格は「ファストファッションの平均的な価格の2割ほど上を設定している」という。


http://www.amayrunway.com/


■Pancharoj Changwan(タイ)



 同じく「クリエイティブ・テキスタイル・アワード2017」を受賞したのは、デザイナーのPancharoj Changwan氏。リサイクルしたカーシートとテンセルを1枚の布地として仕立てた意外性で来場者の目を引いていた。「ファッションデザインを学んできたが、もともと環境に興味があった。ファッションを通じて社会貢献ができるのは、素晴らしいことだと感じている」(Changwan氏)。


「クリエイティブ・テキスタイル・アワード2017」
http://www.thaitextile.org/index.php/blog/category/media


■OHSSLLY FASHION GARMENT FACTORY(中国)



 中国広東省から参加した婦人向けアパレルメーカー。自社工場で、トレンドを加味したカジュアルウエアからオーダードレスまで幅広く対応する。卸価格でトップスは8〜9米ドル。品質の高さとデザインバリエーションがありながら、低価格であることが強み。300枚からの小口注文にも対応する。中国以外での展示会参加は初めて。欧米市場での販路拡大をねらい参加した。


(文:アパレルウェブ編集部/写真:アパレルウェブ編集部、HKTDC)



【第24回香港ファッションウィーク春夏(1)】半数以上が初出展 海外進出の糸口探る日本ブランド
  2017/07/18 09:00 | 香港ファッションウィーク


 「第24回香港ファッションウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)が7月13日、4日間の会期を終え閉幕した。19カ国・地域から1,100社が出展し(前回展は18カ国・地域から1,200社)、71カ国・地域から1万2,000人が来場した(前回展68カ国・地域から1万3,000人)。日本からは12社(前回はデザイナー1人を含む8社)が参加し、このうち半数以上の8社が初出展。海外への販路を広げるなか、アジアや欧州など幅広い国・地域にリーチできる香港で市場ニーズを掴みたいという参加者が多い。アパレル系ブランドの出展が少ないのも今回の特徴だ。来場者の微減も見られたが、日本独自のカルチャーや高度な技術を生かし、個性や付加価値を発揮できたブランドは、出展に手応えを感じたようだ。


■制服ファッション「ルーシーポップ」


モデルを務めてくれたのは、香港出身のキリさん。日本文化に精通しており、自らも日本の制服の大ファンだという。


 「ルーシーポップ」が香港貿易発展局による展示会に参加するのは、2015年のワールドブティック香港、2016年のセンターステージに続き3回目。日本のアニメやアイドル人気を背景に、制服ファッションは、中国や香港、台湾、インドネシアなどアジアではすでにファンを獲得しているが、卸先やライセンシー開拓のために出展した。制服を上下で揃えると、上代価格は約3万円。中国では上海の富裕層が中心顧客だというが、「インドネシアだと平均月収にあたる価格。手ごろな価格を実現できるパートナーと組み、若い世代に日本の“カワイイ”をもっと気軽に楽しんでほしい」と神山代表。会期前の7月8日には、香港の制服ファンを集めてイベントを実施。SNSを通じて同展示会の告知も行った。「10〜20代を中心とした消費者への認知度は高いが、バイイングを行う世代への浸透はまだまだ。SNSを中心としたファンのプロモーション力を通じて、制服ファッションに対する理解を広げ、マーケットを拡大していきたい」と話した。出展の模様が地元香港の新聞に取り上げられたり、ネット番組が取材に訪れたりとメディアの反応は上々。“日本の制服”という明確なコンセプトもあり、制服を着たマネキンを撮影しに来る来場者の姿も多数みられた。

●響「ルーシーポップ(Lucy Pop)」
http://lucypop.jp/



■バッグブランド「コケット」


“ほかにはないデザイン”を作り続けている林デザイナー。装飾による華やかさではなく、加工や素材などでひねりを加えることで、女性が華やかさを感じられるバッグをデザインしたいという。


 「コケット」は近年、ウーマンやトラノイなどパリの展示会への出展が続いており、香港の展示会には初めての参加となった。日本以外の販路拡大の一環として、欧州やアジアのハブでありながら非関税、また、日本の伝統文化への造詣も深いといわれる点に魅力を感じ、出展を決めた。レザー調に加工した和紙のバッグや、折りを駆使して編み込んだように見せたレザーのバッグなど、素材加工に特徴のあるアイテムは、今年のトラノイでも披露したものだ。中心価格は3万円台。「レザーバッグの本場である欧州で日本のブランドが勝負するには、ほかのブランドにはない要素が求められる。パリでの出展経験は、結果としてブランドの付加価値を追求することにつながった」と林きょうこデザイナー。初日から来場者の反応は非常によく、なかには、すべてのサンプルを買い取り、拠点である香港や台湾のショールームで反応を見たいと申し出たディストリビューターもいた。

●コケット「コケット(Coquette)」
http://www.coquette.jp


■シューズブランド「チャカ」


バイヤーのリクエストに応じ、ソウルとアッパー部分を自由に組み合わせられるシューズも。赤嶺氏は、展示会のコーディネーターを務めるなどファッション業界で幅広く活躍。



 「コラボレーション企画やライセンスの提案などの話もあり、出展の手応えを感じている」と話すのは、シューズブランド「チャカ」のデザイナー赤嶺勤氏。「チャカ」は、ジェンダーレス、エイジレスをコンセプトとしたスニーカーが主力で、メンズの靴型を軸としたデザインが女性にも非常に人気があるという。上代はおよそ100米ドル。2014年のブランド開始以来、ミカム(伊)やコーラリー(米NY)、プルミエールクラス(仏パリ)など欧米への出展経験があるが、アジアへの海外出展は初。現在、日本と海外の販売額比率は5対5。「IFF MAGIC JAPAN」の交換プログラムとして参加したが、香港などを拠点に将来的にはアジアでの販路を拡大したいという。実際、香港や中国に販売網を持つディストリビューターを中心に引き合いがあり、今後も継続的に香港での出展を検討したいという。

●DJB「チャカ(Chaka)」
http://djb.jp


■スニーカー「サンガッチョ」


90年代スニーカーブームを想起させるカラーリングが特徴。ブランド名は、前田氏が靴づくりを学ぶためにイタリアに住んでいた時の地名。1年間の無料保証やリペアサービスがあるのも、靴職人出身ならでは。



 日本の平仮名「にゅ」をロゴとして配した独自のデザインで、多くの来場者の足を止めていたのが、スニーカーブランド「サンガッチョ」。イタリアで靴づくりを学んだ前田一輝氏が2015年12月に立ち上げた新ブランドだ。「ロゴに使っている平仮名は、最も日本らしい文字だと思い取り入れた」と前田氏。現在はオンラインストアを中心に販売し、セレクトショップなど20社との取引があるが、さらに取引先を開拓したいと香港ファッションウィークに参加した。国内・海外含めて展示会への参加は初めて。オンラインストアでも以前から海外の消費者からの問い合わせが多かったが、会場でもアジア、欧米ともにバイヤーの反応はよく、個人購入したいという来場者や、メディアの取材にも応じた。上代は2万円台。ハイエンドなセレクトショップとの取引を中心に、「まずはアジア市場で販路を広げ、将来的には日本を代表するブランドにしたい」(前田氏)という。

●サンガッチョ ジャパン「サンガッチョ」http://sangacio.base.ec/


■ニッセンケン品質評価センター


 検査・品質評価などのサービスを提供している一般財団法人ニッセンケン品質評価センターは、糸や生地そのものの性能をはじめ、繊維製品に関連する素材の安全性・機能性を評価する第三者検査機関。すでに中国や香港、インドネシア、インド、バングラデシュなど海外7カ国に拠点を持ち、中国や欧州向け検査にも対応している。これまでインドなどへの出展はあるが、香港への出展は初めて。認知度向上と市場ニーズの把握のために参加した。会場での反応は想像以上によく、同様の検査機関が出展するなか、1948年設立以来の検査実績やノウハウをはじめ、ASEANも含めた海外ネットワークや、国際安全規格の「エコテックス規格100」を日本の検査機関では唯一取得している点などがフックになった。来場者だけでなく出展者にも積極的にアプローチするなか、日本向け製品を生産している企業が多く興味を示した。

●一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
http://nissenken.or.jp/



■アクセサリーブランド「トイロ フィランド」


オリエンタルな色調やデザインで来場者の目をひいていた

 1月展への出展も含め、今回が5回目の参加となった「トイロ フィランド」は長崎県出身の小値賀友理デザイナーによるアクセサリーブランド。今回はオーストラリアのバイヤーの反応がよく、オンラインストアやモールなどからの引き合いもあった。ウエアとのコラボレーション提案などもあったことから、今後はクリエイター系ブランドを集めた「センターステージ」(9月開催)への出展も検討したい(小値賀ー)という。

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●snoozesphinqe「トイロ フィランド(TOIRO-FIRANDO)」「シャネナ(SHANENA)」
http://www.toiro-firando.com


■「バスコ」「クサカンムリ」


 レディスウエア「バスコ」とストールブランド「クサカンムリ」で出展したのは福岡を拠点とするバスコ。日本国内では直営5店舗と百貨店での取引があり、欧米にも販路持つが、アジア市場への販路拡大を目指して出展した。「クサカンムリ」は30代女性を中心にファンも多く、海外での販売比率も3割ほどあるが、「バスコ」の中心顧客は50〜60代が中心。ゆったりしたシルエットを特徴としていることから、プラスサイズ売り場で取り扱われる場合も多く、海外で新規顧客層を獲得することも期待している。会場では、「バスコ」の1ラインで、ブラックフォーマルとしても着られる「クロニクル」への反響が高かった。「ブラックを基調としたデザイン性の高さが、ほかにはない個性として評価されたのでは」とみて商機を探る。「クロニクル」の中心価格は2万〜3万円台。

●バスコ「BASCO(バスコ)」「Kusa Kanmuri(クサ カンムリ)」
http://www.basco-nest.com



■アクセサリーブランド「ブルーランク」


 「ブルーランク」も福岡を拠点とするアクセサリーブランド。トレンドを加味した同ブランドと、よりベーシックで上質なラインの「Dew Lux」の2ブランドを並べた。アジアのバイヤーを中心に引き合いがあり、欧州への販売網を持つバイヤーは、特に後者のラインへの関心が高かった。海外出展は初めて。市場調査も含めて同展示会への参加を決めた。

●ブルーランク「Blue Rank」「Dew Lux」
http://www.bluerank.co.jp


■米国発プリントTシャツ「マルティパーパス」



 もともとは米国のプリント工場が立ち上げたブランドで、個性的なプリント柄をのせたメイドインUSAのTシャツが強み。日本では有力セレクトショップやOEMなどの受注実績がある。米国の大型展示会のほか、アジアでは中国・上海へも出展経験があるが、今回は、「IFF MAGIC JAPAN」の交換プログラムとして、初の香港出展となった。市場ニーズをつかむのが大きな目的だが、OEM生産も含めて幅広いリクエストに対応したいという。

●LA STANDARDS「マルティパーパス(Multeepurpose)」
http://www.lastandards.com/multeepurpose


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きょう開幕「第24回香港ファッション・ウィーク春/夏」に20カ国・地域から1,100社出展 中国微増 インド・韓国は減少
  2017/07/10 22:55 | 香港ファッションウィーク

会期中は、出展社によるフロアショーも開催


【10日=香港】香港貿易発展局が主催するアジア最大級のファッション総合見本市「第24回香港ファッション・ウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)がきょう10日、香港コンベンション&エキシビションセンターで開幕した。初参加のカナダ、ネパール、サウジアラビア、ベトナムを含めた20カ国・地域から1,094社が参加し、日本からは12社が参加している。13日までの4日間。


 参加した全1,094社(前年比108社減)を国別にみると、香港以外の出展社数は705社で、中国582社(前年比15社増)、インド40社(18社減)、タイ18社(4社減)、韓国15社(47社減)、日本12社(4社増)、マカオ9社(9社減)が上位を占める。中国の出展社数が増えた一方、インド、韓国の減少が見られた。アパレルからアクセサリー、雑貨、テキスタイル、サービスまで、ファッションに関連する幅広いカテゴリーを網羅しているのが同展示会の強みだが、前回の「ファッションテック」に続き、今回は、スポーツウエアのファッション化や、世界的に盛り上がりを見せるアスレジャーブームといった市場の変化に合わせ、「ファッショナブル・スポーツウエア(Fashionable Sportswear)」と「アーバン・クロージング(Urban Clothing)」という2つのゾーンを新設。それぞれ約20社、約25社がブースを構え、訴求を強めている。


 日本の全出展社のうち初参加は8社。中小企業の産業支援を行う国際ファッションセンターのサポートによる展示ブースには、レザーバッグブランド「コケット(Coquette)」(林きょうこデザイナー) や、制服ファッションブランド「Lucy Pop(ルーシーポップ)」(株式会社響/神山太代表)など7社がブースを構えた。



付加価値で勝負する日本ブランド


 「コケット」は近年、ウーマンやトラノイなどパリの展示会への出展が続いており、香港の展示会は初経験。日本以外の販路を広げる一環として、欧州やアジアのハブでありながら非関税、また、日本の伝統文化への造詣も深いといわれる点に魅力を感じ、出展を決めた。レザー調に加工した和紙のバッグや、折りを駆使して編み込んだように見せたレザーのバッグなど、素材加工に特徴のあるアイテムは、今年のトラノイでも披露したものだ。「レザーバッグの本場である欧州で日本のブランドが勝負するには、ほかのブランドにはない要素が求められる。パリでの出展経験は、結果としてブランドの付加価値を追求することにつながった」と林きょうこデザイナー。初日から来場者の反応は非常によく、なかには、すべてのサンプルを買い取り、拠点である香港や台湾のショールームで反応を見たいと申し出たディストリビューターもいた。中心価格は3万円台。


 「ルーシーポップ」が香港貿易発展局による展示会に参加するのは、2015年のワールドブティック香港、2016年のセンターステージに続き3回目。日本のアニメやアイドル人気を背景に、制服ファッションは、中国や香港、台湾、インドネシアなどアジアではすでにファンを獲得しているが、卸先やライセンシー開拓のために出展した。制服を上下で揃えると、上代価格は約3万円。中国では上海の富裕層が中心顧客だというが、「インドネシアだと平均月収にあたる価格。手ごろな価格を実現できるパートナーと組み、若い世代に日本の“カワイイ”をもっと気軽に楽しんでほしい」と神山代表。会期前の7月8日には、香港の制服ファンを集めてイベントを実施。SNSを通じて同展示会の告知も行った。「10〜20代を中心とした消費者への認知度は高いが、バイイングを行う世代への浸透はまだまだ。SNSを中心としたファンのプロモーション力を通じて、制服ファッションに対する理解を広げ、マーケットを拡大していきたい」と意欲を見せた。


 幅広いカテゴリーの出展社が顔を揃える一方で課題となるのは、来場者数の確保。2016年春夏の来場者数は1万3,000人と前の年に比べて2割ほど減少し、2年連続の前年割れとなった(100以下の位を切り捨てて算出)。10年以上に渡り同展示会に参加しているという中国のアパレルメーカーは、「出展者・来場者ともに減少している」と懸念するが、それでも出展を続けるのは、「中国の展示会には訪れない欧州の有力バイヤーが多く来場するから」という。同じく欧州市場をターゲットにする韓国の常連ブランドは、「リピート客がつきやすく、ビジネスチャンスを広げるには最適だ」と同展示会の魅力について話した。アジアや欧米各国に拠点を持つ香港貿易発展局のネットワークを生かすとともに、ビジネスハブである香港の強みを発揮することが集客力拡大に求められる。



今回のコンセプトは、「Style in Motion」。競技場のトラックなど、トレンドの1つであるスポーツの要素を会場内のディスプレイやイメージムービーに取り入れている



サウジアラビアから出展した初めてのブランド「RANA ISMAIL」。初日に行われたランウェイショーでは、アラブの民族衣装をほうふつとさせるデザインにスポーツテイストを加えた都会的なコレクションを披露


「ルーシーポップ」。ディスプレイを見かけて撮影する姿が、若い女性来場者を中心に多く見られた



「コケット」。和紙で作ったバッグや、メッシュ状に折られたバッグの素材を手に取り、軽さに驚くバイヤーも



初日のレセプションには、ニットウエア・イノベーション&デザイン協会会長のローレンス・リョン氏ら香港ファッション業界の要人が集まった



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  2017/05/30 18:55 | 香港ファッションウィーク

2016年春夏展の模様(アパレルウェブ撮影)


 アジア最大級のファッション見本市「第24回香港ファッション・ウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)が2017年7月10〜13日の4日間に渡り、香港コンベンション&エキシビションセンターで開催される。約1,100の出展者が参加し、アパレルからアクセサリー、ファッション雑貨、テキスタイル、ファッション関連サービスに至る最新コレクションを披露する。


 レディスウエアやメンズウエアをはじめ、イブニングウエア、スポーツウエア、ベビーウエア&子供服、ランジェリー、バッグ&ハンドバッグ、コスチュームジュエリー、靴、ボタン&レーベル、テキスタイルなど、ファッションに関わるあらゆるカテゴリーを網羅。近年のアスレジャーの隆盛を受け、今年1月の秋冬展と同様、「スポーツウエア」と「アーバン・エッセンシャルズ」という2つのゾーンを新設する予定だ。


 また会場内ではブース展示のほか、出展者によるプレゼンテーションやランウェイショーを実施。トレンド予測サービスを提供するFashion Snoopsなどによる市場動向セミナーや、香港紡織及び成衣研究中心(HKRITA)によるウエアラブルファッション技術に関する講演も予定している。



 日本からは12社(前回は7社)が出展し、うち8社が初出展となる。中小企業の産業支援を行う国際ファッションセンターのサポートによる展示ブースには、林きょうこデザイナーによるレザーバッグブランド「コケット(Coquette)」 や、制服ファッションブランド「Lucy Pop(ルーシーポップ)」(株式会社響/神山太代表)など7社が出展。合同展示会「IFF MAGIC JAPAN」との交換プログラムにより2社が出展する。


 「コケット」は2004年のスタート以来、メイドインジャパンにこだわったバッグを発表。パリのウーマンやトラノイなど海外展にも積極的に参加しているが、同イベントに出展するのは初めてとなる。異色の出展者は、検査・品質評価などのサービスを提供している一般財団法人ニッセンケン品質評価センター。同機関は、糸や生地そのものの性能をはじめ、繊維製品に関連する素材の安全性・機能性を評価する第三者検査機関。すでに中国や香港、インドネシア、インド、バングラデシュなど海外7カ国に拠点を持ち、中国や欧州向け検査にも対応している。「来場者だけでなく出展者にも積極的にアプローチし、提供しているサービスを香港からアジアに広めて行きたい」(同機関)という。


■「第24回香港ファッション・ウィーク春/夏」イベント詳細

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