【第24回香港ファッションウィーク春夏(2)】時流をつかみ販路拡大を狙う海外勢 | アパレルウェブ取材|ファッション・アパレルのニュース


 
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【第24回香港ファッションウィーク春夏(2)】時流をつかみ販路拡大を狙う海外勢
  2017/07/21 15:36 | 香港ファッションウィーク
 7月10〜13日に開かれた「第24回香港ファッションウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)には、初参加のカナダ、ネパール、サウジアラビア、ベトナムを含めた20カ国・地域から1,094社が参加。中国(582社)や香港(389社)をはじめ、インド(40社)、タイ(18社)、韓国(15社)、日本(12社)、マカオ(9社)などが上位を占めた。中国勢の出展は15社増えたが、全出展者数は1割弱減少。来場者数は1万2,000人と3年連続でマイナスとなった。10年以上に渡り同展示会に参加しているという中国のアパレルメーカーは、「出展者・来場者ともに減少している」と懸念するが、それでも出展を続けるのは、「中国の展示会には訪れない欧州の有力バイヤーが多く来場するから」という。同じく欧州市場をターゲットにする韓国の常連ブランドは、「リピート客がつきやすく、ビジネスチャンスを広げるには最適だ」と同展示会の魅力について話した。クリエイターブランドを集めた「センターステージ」(9月開催)と出展・来場が分散しているとの声も聞かれるが、幅広い国・地域での販路開拓を期待して展示会に臨む企業・ブランドが目立った。日本以外の出展者を紹介する。



■ヌサ neusa (インドネシア)




メリンダ・ベビーアンナCEO


 インドネシアから出展した「ヌサ」は、インドネシアの伝統柄バティックを軸にした婦人向けカジュアルウエア。今回はインドネシア人デザイナーのPURANA氏とのコラボレーションラインを披露した。和着物をイメージしたコレクションで、トップスは800〜1,000香港ドル、スカーフは400〜600香港ドル。
 運営するアルゴ・アパレルグループは4つの婦人ブランドを擁するアパレル企業。前年、サステナブルファッションをコンセプトとした「ラン・シング(Run Thing)」で9月開催の「センターステージ」に参加したが苦戦。ミレニアル世代への訴求を強めたいと「ヌサ」を出展した。同展示会でランウェイショーを披露したところ、米国や豪、中国、韓国などのバイヤーが興味を示した。「オーストラリアのバイヤーからは、リネンやコットンを用いた商材がオーストラリアの気候に合うという評価も得た」(メリンダ・ベビーアンナCEO)。日本への進出にも興味が持っている。

http://www.argoapparel.id/



■ラナ・イスマイル Rana Ismail (サウジアラビア)



(右下)デザイナーのラナ・イスマイル氏


 会期初日にランウェイショーを披露した「ラナ・イスマイル」。ムスリム・ファッションをシックなカラーとスポーツディテールで、現代的なスタイルに仕立てた。コットンを中心とした着心地のよい素材も魅力。「気温が高く乾燥しているサウジアラビアで、いかに快適に過ごせるかは非常に重要な要素。女性の内面的な美しさを引き出すようなファッションを提案していきたい」とデザイナーのラナ・イスマイル氏。欧州を中心に販路を広げてきたが、アジアのあらゆる国・地域のバイヤーと商談をしてみたいと同展示会に参加した。来年はロンドンでショーを行うことも検討している。サウジアラビアではマルチブランドショップも経営するビジネスウーマンで、中国や日本のファッションにも関心があるという。


■ハイパーボーラ・テキスタイル Hyperbola Textile (台湾)



ブース前ではオリジナルのプリント柄を用いたノベルティーを配布し、“ファッション+ファンクション(機能)”を打ち出した。


 スキーやゴルフ、ランニング、ヨガ、アウトドアなどに対応する多彩な機能素材開発で、大手スポーツウエアブランドやアウトドアブランドとの取引実績がある同社。世界的なアスレジャー&フィットネスブームを背景に、年商は前年比20%増を確保するなどビジネスも好調だ。現在の取引先は欧米が8割、アジアは2割。日本の大手商社とも取り組みを行っている。自社にデザインチームを抱え、ファッショントレンドにも柔軟に対応できるのが強み。「消費者の生活スタイルの多様化に伴い、スポーツウエアだけではなく、機能性の高いタウンウエアの需要も着実に増えている」(プロジェクト・マネージャーのヴェラ・ホウ氏)という。これまで、「ISPO」(ドイツ)や「インターテキスタイル上海」(中国)といった国際展示会に出展してきたが、新規客の獲得をにらみ、同展示会に初参加した。ファッション性の高さを打ち出すため、アパレル製品も豊富に並べた。「非常に反応がいい。テキスタイルだけではなく、製品に興味を示してくれる小売り業者も多い」と話した。

http://www.hyperbola.com.tw/



■ヴェンディス Vendis (韓国)




 もともとはプリント工場として1999年創業。日本企業を主な取引先として事業を拡大したが、2008年から主販路を中国にシフト。2010年にビーチウエア・ブランド「ヴェンディス」を立ち上げた。韓国でトレンドのラッシュガードや水着、ビーチドレスなどを、生地開発からデザイン、販売まで一貫して手がける。「例えばラッシュガードの小売り価格は2,000円ほど。スポーツウエアやビーチウエアが台頭するなか、手ごろな価格も強みだ。カップルやキッズ向け商品も充実させているのも大きな特徴」(キム・テオCEO)という。今回は、アジア市場での売り上げ拡大を狙い出展。昇華転写プリントを得意としており、ブースでは繊細なグラフィックや色柄に足を止める来場者が多く見られた。50枚規模の小口注文や、OEM生産にも対応する。オンラインストアは、韓・英・中・日の4カ国語対応で売り上げ拡大を図っている。

http://vendis.kr/



■シュリ マハヴィア エンタープライゼス Shree Mahavir Enterprises (インド)



 婦人向け衣料生産を主力とするシュリ マハヴィア エンタープライゼスは、自社工場運営を強みに、上質なインド綿を使ったブラウスや、トレンドの刺繍をのせたアイテムなど、幅広い需要に値ごろな価格で対応する。大手ファストファッションからの受注生産も行うが、100枚からの小口注文にも対応する。現在ドイツやメキシコ、オーストラリアなどの欧米を中心に取引があるが、香港を拠点にアジアでの販路拡大を狙い出展した。展示会への参加も初めて。「集客にはやや苦労したが、市場のニーズを掴むいい機会になった」(同社)という。


■S.O.A.(韓国)



 韓国発のバッグブランド「S.O.A」は本革を使った婦人向けショルダーバッグやメンズ向けのビジネスバッグなどを披露。1982年から卸販売を行っていたが、2013年に自社ブランド「Warm Grey」をスタート。リブランディングを行い、今シーズンからブランド名を刷新した。上質な素材使いと、ファッショントレンドに馴染むシックなカラーやデザインが強み。中国の上海や広州に店舗を構えるほか、米「ケネス コール」など有力ブランドのOEM生産も行う。同展示会には10回以上参加しており、「品質・価格・デザインのバランスを評価してくれるバイヤーが多い。リペアにも対応しているので、3〜4年前からリピート客もついている。海外ネットワーク広げるのに最適な展示会」と見る。卸価格は20〜50米ドル。今回もバイヤーの反応は上々で、香港や台湾のバイヤーと商談を行い、オーダーもついた。5年ほど取引がある香港の男性アクセサリーデザイナーも会場を訪れ、コラボレーション企画のオファーがあった。


■慈渓市穎光製衣 Cixi Yingguang Garment(中国・寧波)


安心・安全基準のエコテックス認証なども取得。慈渓市では、3万7,000平米の敷地に1,700人の従業員が働く。(左下)貿易部経理の何東林氏。


 1996年創業の慈渓市穎光製衣は、中国寧波の慈渓市を拠点とする大手アパレルメーカー。自社工場を抱え、ニットウエアやレジャーウエアを主力としている。今回は、天然素材を原料としたモダール繊維とポリエステルを使ったスパンデックスニットを披露。伸縮性の高さと肌触りのよさ、豊富なカラーリングを訴求した。卸価格は約50米ドル。年間1,200万着の生産実績があり、チェーンストアなどからの大口注文を得意としている。同展示会には10年以上継続出展。すでに欧州を中心に米国やオーストラリアにも顧客を持つが、香港では、中国本土の展示会では出会えないような幅広い地域のバイヤーと商談ができるのが魅力だという。


http://www.yingguang.com/



■アメイ AMAY (タイ)


デザイナーのメイ氏は、自身も現在妊娠中。エコ素材を使うなど自然環境にも配慮。



 タイ政府のテキスタイル調査・開発機関「タイ・テキスタイル・インスティテュート」(THTI)が主催し、革新的なテキスタイルやファッションデザインを表彰する「クリエイティブ・テキスタイル・アワード2017」の優勝者として同展示会に参加したのは、「アメイ」デザイナーのKamala Kannalekha(通称May:メイ)氏。受賞作品となったのは、働く女性たちのためのマタニティーウエア。ブラックやグレーなどのベーシックカラーを基調としたシンプルなモード服は、サイド部分がジップで開閉でき、いつでも授乳ができる仕様。併せて披露した「5イン1」バッグは、乳児用のミルクからPC、スマートフォン、書類まで1つのバッグに収まるという高機能バッグだ。「タイで販売されているマタニティーウエアのほとんどは、20年ほど前から変わっていない。もっと現代の女性に合うスタイルやデザインがないかと考えていた」とメイ氏。ブランドは今年立ち上げたばかりだが、大手飲料メーカーで10年間マーケティングを担当してきた手腕を生かし、今後も働く女性たちが求めるものを商品化していきたいと意欲的を見せた。上代価格は「ファストファッションの平均的な価格の2割ほど上を設定している」という。


http://www.amayrunway.com/


■Pancharoj Changwan(タイ)



 同じく「クリエイティブ・テキスタイル・アワード2017」を受賞したのは、デザイナーのPancharoj Changwan氏。リサイクルしたカーシートとテンセルを1枚の布地として仕立てた意外性で来場者の目を引いていた。「ファッションデザインを学んできたが、もともと環境に興味があった。ファッションを通じて社会貢献ができるのは、素晴らしいことだと感じている」(Changwan氏)。


「クリエイティブ・テキスタイル・アワード2017」
http://www.thaitextile.org/index.php/blog/category/media


■OHSSLLY FASHION GARMENT FACTORY(中国)



 中国広東省から参加した婦人向けアパレルメーカー。自社工場で、トレンドを加味したカジュアルウエアからオーダードレスまで幅広く対応する。卸価格でトップスは8〜9米ドル。品質の高さとデザインバリエーションがありながら、低価格であることが強み。300枚からの小口注文にも対応する。中国以外での展示会参加は初めて。欧米市場での販路拡大をねらい参加した。


(文:アパレルウェブ編集部/写真:アパレルウェブ編集部、HKTDC)




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