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百貨店セール時期の売上検証
百貨店セール時期の前倒しによる売上バランスの変化を見るに当たり、本年6月度から始まった6月7月の売上の合計と前年比を見ました。百貨店協会発表による数値によると、結果全国ベースでは紳士服・洋品が99.8%、食料品99.8%、サービス99.1%と前年を割ってはいるものの、総額では101.9%と前年をクリアし、東京地区のみでも、食料品98.3%やサービス93.9%でも、総額では103.9%であり、8月度を見ないと最終正確とは言えませんが、ここでほぼ見えていると思われます。

また、各百貨店の6月7月の合計を見ると、ほとんどこの程度であり、セールを後ろ倒しした三越伊勢丹の合計前年比は103.4%でほぼ東京の平均的数値です。セールは前年割れでありながら、プロパーを大幅増させている点での営業利益増加は結果を出したといっても過言ではありません。
強い意志を貫き、お客様は価格のみに走るばかりではなく、価値が価格を上回る事により、消費は成長している事を浮き彫りにした事は評価に値します。

百貨店は地域に根付いての商売が基本であり、カスタマイズ、ローカライズしないと生き延びないのですから、地域に密着したお客様のマーケティングを徹底させ、既存事業を維持向上させて、新しいニーズの開拓に向けていただきたいものです。
売れれば正解ではなく、商売の意志を持ちながら、地域のお客様に寄り添い、場合によっては前を歩き、二人三脚での発展を期待するものです。
 2013/08/26 05:31  この記事のURL  / 
ウミエー神戸ハーバーランド
掲店は2013年4月18日にオープンしました元神戸阪急跡地に出来ましたショッピングモールです。ノースモールとサウスモールにニ分され、モザイクモールとの3館体制です。JR「神戸駅」から徒歩5分の立地です。

駅に近いノースモールにはB2Fが駐車場、B1F、1Fにイズミヤ、ヴィクトリアゴルフ、2FにはH&M、ZARA、OLD−NAVY、3FにはXEBIO、ユニクロ、3F&4Fにはインテリアハーツ、4Fにはトイザらス、フードコート、5FにはGU、5F、6Fにはコジマ、6Fにはソフマップと大箱があり、中央のサウスモールにはB1Fから4Fまでは等身大のショップがあり、5F〜6FはOSシネマ、海側のモザイクモールには1Fが駐車場、2Fの一部がショップで、残りと3Fに飲食関係が中心となっています。

三ノ宮からJRで2駅ですが、三ノ宮から西側のお客様には、ファミリーで来館でき、等身大のファッションやレストラン等が多く、平日も賑わっています。
関東では湘南テラスモールの位置付けですが、関西らしく気取った館ではないので、安定しやすいのではと見受けられます。

また、225店中、77店が飲食である事は特筆もので、35%近くのシェアとGMS(イズミヤ)を包含している事は、今後の郊外型SCモールの基本であり、それを踏襲している点は評価に値します。
 2013/08/19 06:06  この記事のURL  / 
JR大阪三越伊勢丹
掲店は苦戦を続けていますが、立て直し策が無い訳ではありません。一例を挙げてみます。
大阪の北地区はオーバースペースであるとか、三越や伊勢丹は東京の百貨店で、関西には馴染みがないとか、気取った百貨店は大阪には合わないとか、回りの雀達の言い訳的コメントは満載なのです。果たしてその通りなのでしょうか?
売上目標との差異云々ではなく、本来のJR大阪三越伊勢丹の小売業としての位置付け、価値とは何なのでしょうか?

小売業は基本的にはカスタマイズ&ローカライズしないと生き残れないのですから、ここに大阪三越伊勢丹が存続する理由がないと意味がないのです。
いままでの経緯を見ても、メンズの売上はほぼ予算に運営されていますが、それ以外については厳しい状況が続いているようです。オープン以後数度拝見しましたが、売場の照明が暗いとか細かい点は別にして、メンズ以外はターゲットがずれていると見受けられます。
小売業の売上不振の原因は、来店されているお客様のニーズと品揃えがずれているのみなのです。これを真摯に受け止めて、手を打つか否かなのです。

メンズを見ていると阪急本店メンズ館とは客層が異なり、伊勢丹新宿店メンズ館を知っており、東京から転勤してきたお客様や大阪から東京に転勤されていて、戻られた方らしきお客様も多く見受けられ、新宿メンズ館のステイタスを十分に認知、理解されているお客様と考えられます。
まずは彼らの来店頻度を上げる施策や、1回当たりの購入金額(1客単価)を上げる施策が最優先されます。つまり、コーディネイトキャッチ率の向上のための、売場構築、接客販売等に注力し、店頭イベントの強化による来店頻度を向上させ、購買金額の上乗せを模索します。
この施策が安定すれば、他のカテゴリー(婦人服、婦人雑貨、食品等)をメンズ顧客のファミリー層(伊勢丹新宿店を知っている)を狙って、ファミリー来店施策を打ちましょう。

特に婦人服の「リスタイル」等の編集売場は他社の追随を許さない牙城なのですが、3F正面入り口に高い売場作り(パイプ等の設定が高く、女性客には見難い)を止めて、エスカレータまで見通せる平場作りに修正し、入口でお客様の入店を阻止するような見え方を止めて、エスカレータまでの引き込み動線を有効利用すべきです。

三越伊勢丹の得意分野である編集売場は他の百貨店に比べ、売場ネーミングによる訴求が上手く、他の百貨店は編集売場を構築しても、売場ネーミングの訴求がほとんどなく、商品軸勝負の域を出ていません。例えば阪急本店メンズ館の4Fに構築されている編集売場にもネーミングが売場から見えずに商品軸のみです。松屋銀座のB1Fの食品売場のグルマルシェと謳っている松屋編集の名店街も名店の個店名は表現されていても、「グルマルシェ」がどのくくりで、どのような意図のあるゾーニングなのかはお客様に伝わっていないのです。三越伊勢丹の売場でさえ、売場名を訴求している度合いは低い箇所も存在するのです。例えば三越銀座店の8Fリビング売場の「シンプリーハ―ト」等は興味を引く面白い売場でありながら、看板は小さく1箇所でエスカレータ向きではなく、横のエレベータ向きの柱に設置され、イベント時期等は柱巻きにパネルを貼ってあり、売場名が全く見えていません。

編集売場が商品軸である限り、来店してからのお客様の好き嫌いで売上が左右されますが、売場ネーミングをブランディング化してテイスト軸で訴求していくと、商品は当然シーズンや時期に変更されますが、この売場の雰囲気やテイストを気に入ったお客様は、また新しい何かを提案してくれているのではとの思いで、潜在需要の掘り起こしによる来店につながります。
このような、三越伊勢丹の強みである編集平場を軸に、自店の顧客ターゲットのテイストに合わせた売場作りと編集売場ブランディングが必要不可欠でしょう。

また、2年後にはショップ導入を表明され、テナント導入もリニューアルの視野に入れての方向性ですが、単に売れ筋のショップを導入するのでは、周辺のFB等と何ら新しさはなく、百貨店の面積が減少して、FBの面積が広がったのみで、既にグランフロント大阪により、西梅田辺りの小さいFBが維持できなくなりつつあります。
この状況を見ても大阪三越伊勢丹のテナント導入方法は、三越伊勢丹らしい新しい導入方法を模索して欲しいものです。参考になるのは、SC展開アパレルが模索しています衣料品のみですが、シーン提案を軸にしたミニライフスタイル提案が有効ではないでしょうか?
このウェアのテイストを好む人はこのインティメイトを着け、このコスメを使用すればトータルイメージが構築し易いとのイメージを植え付け1ブランドショップの導入なのです。それも壁面のショップのみでなく、島面の柱巻きでの導入が新鮮でしょう。
この手法をリビングや食品まで展開する事により、新しい角度でのテナント導入も図れ、再生の一歩を踏み出す事になると考えられます。

このような、逆境に立たされているお店こそ、逆転発想も可能であり、いままでお客様と遊離していたポイントが浮き彫りにされ、手直しのポイントが明確になりやすいのです。
一日も早く自社の得意分野をカスタマイズ&ローカライズさせて、その上で地域のお客様に自店カラ―を認知していただき、活性化を目指して頂きたいと思います。期待しております。
 2013/08/12 06:11  この記事のURL  / 
あべのハルカスー近鉄百貨店
掲店は6月13日にタワー館とウィング館の一部をオープンさせた10万平方メートルの巨大百貨店です。物販はタワー館のB2Fから14Fまでの16層であり、ウィング館はB2Fから10Fまでの12層です。
B2F、B1Fは食品であり賑わっているのに、ウィング館からタワー館へのジョイント部分は、半階位のエスカレータがあり、分断されている感じが否めません。

1Fは特選ブティック、アクセサリー、近鉄電車の駅につながっており、2Fは特選ブティック、化粧品、婦人用品雑貨、婦人靴、ハンドバッグ、3Fは婦人服、洋品雑貨、4Fは婦人服(キャリア、インナーウェア)、5Fは婦人服(アダルト・ミセス)、6Fはメンズ(カジュアル等)、7Fはメンズ(紳士服等)、8Fはこども服、ギフトサロン等、9Fはリビング、家庭用品、友の会サロン等、10Fもリビング、インテリア等、11Fは宝石、時計、めがね、呉服等であり、12F〜14Fがレストランです。

ファッション系は既存ブランドを中心に売場をリメイクしている為に、そう斬新さは見られませんが、この地域に密着していると思います。また、各ブランドショップの面積を大きく取り、ブランドの世界観が判り易くしています。自主編集部分は小さく、PBもほとんどなく、アパレル依存型と映りますが、売場も明るく、通路もエスカレータ前も広く取り、この地域のお客様にフィットしたものと判断されます。

リビングは2層ながら見易く、買いやすい売場構築が出来ており、編集部分も明確に見えます。中島部分も什器の高さも低く、女性に見易く、買い易く見えます。但し、自主編集売場にネーミングがされているのか、表示がほとんどなく、勿体無い売場です。もっと、売場ブランディングを推進され、お客様に売場のファンを作って頂きたいものです。また、エスカレータもそれ以下のダブルから、シングルになっており、一番評価できる売場なのですが、売上が取れないと感じているのです。勿体無いです。

小売業はこのようにオープンしてからが、基本であり、気が付いた時期からが次のリニューアルが始まるのです。気が付いた点から修正していくのが基本です。是非ともより良い売場構築を祈念しております。
 2013/08/05 05:53  この記事のURL  / 
オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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