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紳士服商品レイアウトの基本
百貨店紳士服売場の入店客の70%以上は女性客です。
よって、女性客の来ない売場は(紳士服売場も)売上は取れません。
だから女性から見て、見易い売場作りが基本となります。

商品レイアウト
 a)フォールディッド・・・たたみ洋品(幅120cm棚)
1品番を4色にして、横に並べる。(縦は見にくい・・・人間は左から右へ目を動かす)
淡い色を左側にして、濃い色を右側とする。
120cm棚2台の連結又は横並びの場合は、120cmのリピートの棚と考えて左の120cmの棚に1品番を並べ、右の120cmの棚にもう1品番を同様に並べる。
下の棚はできる限り、上の棚の色に合わせて各品番を並べる。
一番上の棚の商品がセーターやトレーナー等であれば、インナーにシャツをコーディネィトすることが望ましい。
又、スラックスをたたみで置くからと言って、通路面に向けることは避ける。これは後述するブルゾンやジャケットと同様の意識があり、落ち着いた選別ができる様にすべきである。
レターカーディガン等ワッペンが特長になっている商品は、ワッペンが見える様にたたみ直してシャツをインナーにして棚に並べることが必要であり、その商品の特長を良く考えてお客様に一目瞭然に伝わるようにする。
上・中・下段の商品については、トレーナーの場合は上段にデザイン物を下にいくほどおとなしいデザインの物を並べる。シャツについても、上段に大柄のチェックを中段にストライプを下段に無地といった様にする。
お客様から見れば、売場内に入って来なければ、一番上しか見えない為に、一番派手で目立つ物を上に置く事が基本である。
但し、その時のブームが無地のシャツや定番のポロシャツであれば、それを一番上に置く事によって誘致の意味を持つ。当然その下には上から順送りして下げる事となる。
つまり「ブームはマニュアルを駆逐する」と言う事である。
b)スリーブアウト・・・袖物(すべてのパイプ)
1品番を色別にし、淡い色から濃い色へ左から右へ並べる。
1パイプに2〜3品番を掛ける時でも同様にし、淡い色から濃い色への繰り返しとする。
多くの品番を色別にまとめて掛ける方法は良くない。お客様はパイプの色しか見えない為に、デザインがある事が伝えられない。
すべての袖物は左向きに並べ、通路を前と考えずに右手で商品を取ると商品の前面が見えることを基本とする。(日本人の99%が右利きである事)
パイプハンガーの左端の2枚目までにインナーコーディネイトし、又右側の2枚目もインナーコーディネイトし右側に向けて掛けておく。これはお客様が1枚目を手にしたときでも、次の商品が他のお客様にコーディネイト提案することを意識する。
当然ハンガーのフックの向きは、右手で取り易い左向きとする。
c)フェイスアウト
2パイプ1セットとして、同一品番色違いを前面に出し、インナーまで統一(同一品番色違い)する。
少なく共2枚目までは、インナーコーディネイトし、お客様が一枚目を手にした時でも、次のコーディネイト提案ができている事を意識する。
当然、ハンガーのフックの向きは、右手で取り易い左向きとする。
d)ベストのハンギング
b)c)共ベストについては、全部インナー(Tシャツ・シャツ等)のコーディネイトをすべきであり、その袖をポケットに入れて形作りをする。
e)デザイントレーナーのハンギング
b)c)共デザイントレーナー(切替物や大きなプリント物)はたたんで置くより、ハンギングの方がお客様に伝わり易い。
f)シャツのハンギング
b)c)e)と同様であるが、特に夏場は、壁面の下段のスリーブアウトの上のフェイスアウトにジャケットやブルゾンでは重いイメージになり易いので、敢てシャツをハンギングする事も軽く見せるためには重要である。

「顧客視点での課題(提案と売場のバランス)発見、プロの目線での改革」が必要です。
是非とも健全なる店頭売上になるように、百貨店衣料品の売場を早急に再構築できる事を祈念致します。
 2010/08/30 06:20  この記事のURL  / 
百貨店・紳士服売場レイアウトの基本
百貨店紳士服売場の入店客の70%以上は女性客です。
よって、女性客の来ない売場は(紳士服売場も)売上は取れないのです。
だから女性から見て、見易い売場作りが基本となります。
女性客の平均身長は160cmであるから、目の高さは約140〜145cmとなり、その高さでの見易い商品の高さはドロップ20〜25cm下の120cmであり、それよりも高いと商品を見ないでその下の棚よりしか見ないケースが多いのです。
又、ハンドバックを持っているので、指名買いの商品で見ない限り、それを置いてまで高い棚の商品を取ることまではしないのです。
その女性客をウィークデイに取り込む事を意識しないと、土日にペア客(夫婦・親子・カップル等)やファミリー層の獲得は難しい。その事から、女性客を意識した売場構築が必須条件となります。

1.什器の高さ
a)中置什器

最上段の棚の高さを床から100cmとする。
商品を積んで120cmまでとする。
それより下の棚の高さは、棚と棚の間の間隔は最低25cmあれば良い。
できれば4段棚が望ましい。
一番下の棚の高さは床より10cmでも可。
b)壁面什器  基本的には中置什器と同様である。
但し、その高さより28cm(最低25cm)上にもう1段付けて、その上には無地の商品(色のみで商品が判る)を並べたり、小物のディスプレイやボディのディスプレイに。
上がフェイスレイアウトなら、もう1段は不要であり最上段も商品を乗せない方良い。
つまり、フェイスアウトの下は、区切りの為に商品を乗せない棚がある方が良い。
c)中置パイプハンガー  パイプの高さは床より、120cmとする。
但し、秋になれば丈の長い商品が入るのでそれが掛かる様に高くしていくが、できる限り低い方が望ましい。
注意事項として、冬から春に変わるときがこの高さ(コートの高さから下げる)を忘れ易い。
又、パイプの上に棚がある方が望ましい。その上に小物等をディスプレィする事。  

2.什器のレイアウト
a)中置棚什器

棚の商品がタタミ洋品(シャツ・カットソー)であれば、通路に面して横に置く。
お客様に通路にて見ていただき、通路を通っている他のお客様に通りにくくして、売場内を通っていただく事を意識している。
b)中置パイプ什器
ジャケット+アウター等のみでなく、シャツ・カットソーもハンガーにかける場合を含む。
通路に向かって縦に置く。
お客様が商品を選ぶ時、袖を通す場合に後ろを他のお客様が通ると落ち着いて選べない。
又、接客する時も、ミラーを通路に出しての接客は良くない。
c)中置什器の向き
売場内に入ればどの向きでも問題ないが、1パターンの向きで什器を配列するのは、お客様に飽きが来易いので、向きを変化させる方が良い。
d)什器と什器の間隔(売場内通路)
基本的に100cmをベースとするが、両方商品が向き合っている場合は100cm必要であるが片面のみの場合(つまり反対側は横向き)は90cmでも可。
又、冬のハンガーパイプの場合は、ダウンコート等袖の膨らみを意識して、110cm必要。

「顧客視点での課題(提案と売場のバランス)発見、プロの目線での改革」が必要です。
是非とも健全なる店頭売上になるように、百貨店衣料品の売場を早急に再構築できる事を祈念致します。
 2010/08/23 06:11  この記事のURL  / 
百貨店・紳士服売場のゾーニング
百貨店のメンズフロアは、「メンズ」と名付けられても、入店客の70%以上は女性客です。
NYでは来店の45%が男性であり、中国では55%までが男性の来店比率と言われています。
これはダブルインカムの比率に準じているのであり、日本はまだまだ女性の労働できる環境が整備されていないのです。

1.女性の目のフィルターが重要
日本ではこのダブルインカム比率が低いので、男性にその負担が掛かり、女性には自由時間が生まれています。よって、女性がウィークディのお昼に百貨店に来店できるのです。
まずは[女性」であり、ウィークディに来店される女性の目を通して、ウィークエンドに男性と同伴で来店してもらう事を意識した売場構築が必須条件なのです。
某百貨店メンズのように、自分で衣料品をセレクトする男性の入店客と購買客の増加を目的に、リニューアルして成功してきている百貨店もありますが、それは首都圏の巨大なマーケットでできる事であり、地方・郊外店の顧客の少ない地域にて成功するとは思えません。
百貨店の紳士服フロアは、「オン」と「オフ」を明確に区分したゾーニングになっている事が多いのです。
入店客の70%を女性が占めている状況の中、果たして本当にこのままで良いのでしょうか?
入店客の中での、購買層(実際にレジでお金を支払っている人)と着用層(購買された商品を実際に着用されている人)のギャップを認識すべきであり、この購買パターンを意識した売場構築が最も重要です。

2.メンズフロア構築の注意点
来店客の70%が女性と言う環境のメンズフロアの中で、ウィークディは80%を超える状況になってきています。これを否定せずに認識すると、売場構築のあり方が変わってくるのです。
女性の目で見たメンズフロアとは、まずは「高さ」が重要です。
つまり、女性の平均身長が男性より約10CM低い事を理解し、高さを男性向け設定より10CM下げて、ウィークディに来店される女性に見やすい売場作りが必要なのです。
また、ゾーニングにおいても同様で、「オン」と「オフ」に区分けした売場なら、「オン」の売場にはウィークデイに誰もいないといった状況になります。
そこで、壁面をすべて「オン」に設定し、中島(アイランド)をすべて「オフ」に設定すると、ウィークディの女性客に「オン」の良さも伝えられ、ウィークエンドに男性客を伴っての来店まで促せます。

3.ゾーニングの注意点
現在のメンズフロアはショップ・ブランドのコーナー・アイテム平場の3つに大別されており、上記の様な実態を理解した上で、ブランドショップと編集平場のコンビネーションのあり方を考えてみますと、「コトのためのモノ売場」を意識したテーマ編集平場の構築も重要なのです。
ここにきて、百貨店は本気で「顧客ニーズにフィットしたい」と考え、しかも実践に向けて重い腰を上げつつあるが、問題はここから先なのです。
ニーズ・ウォンツ等と称して、モノから入ったマーケティングは具現化しつつあります。
売場に来て「スーツどこですか?」「ベストはどこですか?」と目的買いのお客様は当然声を出していますが、彼らでさえ、「釣り用のベストは?」と明確なニーズを持ってきているのです。
しかし、その様な明確にニーズをフォーカスして必需品を求めてきているお客様は少数であり、大半のお客様は「何か良いモノがあったら」と、軽い気持ちで必欲品を求めて来店されています。
要は顕在需要対応型でなく、潜在需要の掘り起こしができなければ、売上向上は見込めなません。

「顧客視点での課題(提案と売場のバランス)発見、プロの目線での改革」が必要です。
是非とも健全なる店頭売上になるように、百貨店衣料品の売場を早急に再構築できる事を祈念致します。
 2010/08/16 05:40  この記事のURL  / 
百貨店のターゲットマーケティング
百貨店衣料品売上が苦戦しています。「みんなで悪ければ怖くない?」 決してそうではありません。
商品提案の不明瞭さのみでなく、売場が誰に何を提案しているのかが、判り難くなっています。
そこで今回、百貨店の衣料品ターゲットを紳士服中心に掘り下げてみます。

現在の衣料品ターゲット
まずは自店の売場の顧客ターゲットの把握・認識が重要です。
既存顧客に目を向け、彼らの購買履歴等から、今後の提案すべきブランドや商品を開発し、自店のブランドに欠けているのかを検証し、あれば表現を強化し、無ければ導入を検討すべきでしょう。
要はまず既存顧客への提案を強化し、顧客の自店離れを阻止する事です。
そう簡単に新規顧客は確保できない事と、既存顧客が自店の現状の品揃えで満足していないといった事が挙げられます。
この既存顧客をメインターゲットと想定すると、54歳〜63歳位(団塊の世代が中心)が多いのが一般的です。まず、この既存ターゲットは自店では精一杯抑えているのに関わらず、ジリ貧になってきているために、次に10歳下の44歳〜53歳を確保しようと考えている店が多いのです。
しかし、彼らは自店に一度も来たことがないのが実情です。
要は親(70歳以上)に一度も自店に、連れて来て貰ったことがないのです。
その親達は違う店で購入されていたのです。現在は通販も利用されている可能性も。

今後のターゲット戦略
現在の百貨店の衣料品ターゲットの次の選定は、団塊JRを裾とした層(34〜43歳)を狙うべきです。
何故かと言えば、自店はいままで団塊の世代が百貨店の主たるお客様でありました。
当然の如く、その子供達も親に百貨店に連れてこられ、買物や食事等をしてきました。
しかし、彼らが大人になって、自分で自分の衣料品を購入しようとしても、欲しいものがないのが現状です。
彼らの欲しいものはどこに行ったのでしょうか?
セレクトショップ、2プライスショップ、SC等に少しずつ喰われてはいます
が、百貨店に親が来店されていた子供達は、そんなに安い物ではなく、そんなにトレンド性の強い物でなく、品質、グレード感があり、少し時代に合ったベーシック商品が必要です。
しかしながら、その様な売場はまともに存在していません。
彼ら(団塊JR)を満足させられれば、その子供達までも百貨店に戻ってくるのです。
要は、百貨店顧客ターゲットは家系を追うべきで、お父さんやお母さんから子供達まで行き慣れた百貨店に来店していただき、孫の世代までを大事に育てる顧客作りに邁進していただきたいのです。
要は家系・家族をまるごと取り込もうと言う考え方に立てば、本来の地域密着型顧客対応と言えます。

「顧客視点での課題(提案と売場のバランス)発見、プロの目線での改革」が必要です。
是非とも健全なる店頭売上になるように、百貨店衣料品の売場を早急に再構築できる事を祈念致します。
 2010/08/09 07:08  この記事のURL  / 
大丸京都店「うふふガールズ」
小売業の売上が苦戦していますが、少しずつ底打ち感が感じられる様になってきています。
特に百貨店の閉塞感の中から、新しい息吹が感じられる売場もそこここに現れ始めました。
リーマンショック後の低迷の中、じっと耐えているのみでは何も生まれません。
一部の店は自店のマーケティングを再度実行し、ターゲットを明確に浮き彫りにして、仮説を立てて挑戦をし始めています。
そこで、「輝く売場」について、話題の店舗を中心にお客様目線にて感じるままに纏めてみます。

2010年4月22日に大丸京都店の1Fの一部〜2Fの約半分に「うふふガールズ」京都版がオープンしました。京都版はアラサー狙いであり、ブランドもオーソドックスなものが多いのです。
1Fについては、ポイントの「コレクトポイント」の4ブランドを導入し、2Fにノーリーズ、エヌナチュラルビューティベーシック、ビッキー、メイソングレイ、組曲、リューデべー、バーバリーブルーレーベル、マークBYマークジェイコブス、マーガレットハウエル、ポールスミス等を配し、ボリュームゾーンもしっかり捉えたブランドリレーションとなっています。

1Fのコレクトポイントは原宿店に比べ、ブランドの差別化が少しずつ出来てきているので、見易くなっています。基本的に自社多数ブランドの混載ショップでの差別化は難しいものであり、一番上手く纏めているのがJUNで、後は看板を付けなければどのブランドか判り難くなっているのが、同質化しているブランドの悪癖です。その他、1Fはキャスキットソンが話題作りに貢献しています。
2Fは半分がインターナショナルブティックがあり、「うふふガールズ」との客層の違いをどう逆利用できるかが課題ではないでしょうか?

大丸の良さは顧客が右に行けば、右に商品を並べるといった時代適合型ビジネスであり、心斎橋の客層との違いを見極め、京都版としてエイジを少し上げた対応は素晴らしいものです。

いままでの百貨店はヤングが来ないからヤングブランドを置かないとキャリアやミセスを中心に構成した売場が多かったものですが、実態はヤングブランドを置かないからヤングが来なかった事に漸く気が付き始めたのです。

要は百貨店を含めて小売業は地域に密着した顧客に対応できないと生き延びない業態であり、如何に顧客にフィットできるかを問われているのです。
高島屋の「gokai」も、大丸の「うふふガールズ」も顧客マーケティングを確実に実行・分析し、仮説を立てて実践し、検証しながら修正を掛けて、よりMDの精度向上を求めているのです。
今後のチャレンジに期待しています。

「お客様目線で商品と売場の課題を発見し、プロの技での改革」が必要です。
是非とも健全な顧客満足度の向上になるように、小売業の顧客対応力を早急に再構築できる事を祈念致します。

 2010/08/02 05:47  この記事のURL  / 
オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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