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カタログ通販の明暗
小売業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。

最近はEC事業に目が映り、カタログ通販に力が入っていない通信販売会社が目立ちます。百貨店通販事業も同様ですが、、カタログ通販会社はベル―ナの一人勝ちで、前期も営業利益率は7.4%を確保し、千趣会やニッセンの凋落ぶりは目に余るモノがあります。

ベルーナはリアル店舗こそ黒字化しているものの営業利益率は2%から3%台に押上げ、店頭運営管理ノウハウも徐々に付けつつあります。それでも百貨店の営業利益率並みはあるのです。ニッセンもセブン&アイグループの傘下に入って数年、何も改善できずに、コストカット以外に道はないように見えます。

千趣会も同様に、JFRの傘下に入り数年経過していますが、18年度の目標を取り下げて、希望退職募集する程悪化の一途を辿っています。今回漸くJFRも真剣に首を突っ込むようです。要は2社とも経営が出来ていない事を物語っているのです。

ベルーナもベルメゾンもニッセンもカタログの紙面はそう変わりはなく、いままでの延長戦の見難い、雑多に見えるカタログなのですが、何故千趣会やニッセンが苦戦続きなのでしょうか?カタログの部数が経費の大半であることは各社明白なのですが、経費削減するにはここに手を付けなければなりません。

カタログ部数の削減には一つの目線での実行しかないのですが、それが出来ているとは思えません。要は既存のお客様に、必要と思われる商品の開発と、それを必要とされるお客様への適切な手法でお伝えする事なのですが、手法はカタログであり、紙面を見易くする事は当然で、何処に必要な人がどの位いらっしゃるのかのマーケティングが出来ていません。

それが把握できる手法が欠けているのです。要は社内の顧客データの解析が不十分であり、多くのデータを持っているのに「宝の持ち腐れ」なのです。不要な処にカタログを巻いているので、経費増加を圧縮できないのです。総論の経費削減から脱却できていないのです。ベルーナもこの点については出来ているとは思えませんが、、

駅前でティッシュ配りしている会社と同様で、そのティッシュに入っているチラシを見て、どのくらいの方が来店して、その中のどの位の方が購入されたのかが見えていない事と同様なのです。もしそれを計測できたなら、その売上による利益からそのティッシュ配りに要する経費を引けば効果が計測できるのです。カタログの回数・部数削減のみでなく、返品率低減も課題ですが、すべての課題解消への考え方の基本は同じなのです。

このような効果計測も出来ずに、止めれば売上が落ちるのではとの恐怖観念での広告投資が如何に多い事でしょうか?効果計測が出来る目線軸を持ち、自社の顧客データを解析しなおし、効果のある広告のみを継続すれば、カタログの部数は大幅に削減し、残したカタログ配布のみでも十分既存顧客による売上確保は可能なのです。

その上、紙面をその既存顧客に見易く改善(UI)すれば、既存顧客のみでも購買客単価UPは十分可能なのです。新規顧客の増加数、新規顧客による売上・利益とそれに掛る投資の見合いはいかがなのでしょうか?経営者はどの角度での解析を見て、報告を受けて納得しているのでしょうか?経営改革・改善しなくても良いなら別ですが、、

企業規模が大きくても小さくても経営の出来る人が経営をしていないのです。現場(営業や商品や業界)を知らないから経営が出来ないなどは全く関係ないのです。業界や現場を知りすぎているから出来ない言い訳を聞いてしまうのです。改革や改善などは夢の又夢なのです。

百貨店通販事業も同様に、カタログの回数・部数削減のコストカットから入り、売上・利益のじり貧状態に陥っているのが実態で、また思うようにEC事業が伸びないので、補填できずに埋没してきているのです。

百貨店でいえば、A社は日本郵便との合弁でカタログ通販事業がピーク時の40%程度に落ち込み、EC事業の拡大では取り戻せていません。
B社はEC事業のビジョンが明確でなくFASHION売上10億円程度で低迷し、同系列の通販会社もホールディングスが手を入れていないので低迷し、ECとカタログのシナジー効果も期待できません。
C社も「カタログは落としてもECは落とすな」のTOPの指示で売上も拡大出来ずに赤字が解消できていません。
D社はEC事業を再構築する方向ですが、ビジョンが明確でないので迷走し、通販子会社もTOPが交代する事が予測されるほどの低迷ぶりです。

自社の立ち位置、実力、可能性のある領域の把握、強みと弱み、そして実践できる人材の有無がすべてを握っているか否かなのです。これを冷静な第三者目線で俯瞰してみると、自社のスタンスが見えて、ゴールとの差を直線で走るように手法を導き出す事に尽きるのです。

これを俯瞰できる経営者でないと、目標は上手く達成できません。「良い商品を作れば売れる」とか、「良い売場を確保すれば売れる」とか、様々な考えの経営者がいらっしゃるのですが、完全に間違っているのです、勿論、良い商品を企画、生産、展開する事は当然であり、良い売場を確保しての展開も重要ではありますが、経営とは大きく異なるのです。

また、業績が悪化(売上や利益が減収減益)しているのに、今まで通りやりますでは、何も改善できません。今まで通りが悪いのですから、減収減益になっているのですから、何が悪いのかを見つけ、そこに手を加えなければ良化は程遠いのです。まずはその原因を見つける目線が必要であり、見つけたら悪い原因を削除し、良化に向けた施策を打つ事なのです。

経営者とは、自社が利益拡大に向けて、どの様なビジョンを示し、目的である利益拡大という戦略を自社領域内で明確に立て、手法である戦術を自社でできうる可能な枠内で設計し、それでも届かなければ、その部分を外部の「知恵」を買ってでも成し遂げさせる事が必要封可決なのです。要は部下を使って結果を出させるスキーム作りと運営が業務なのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEかアパレルウェブへのお問合わせより、お願いします。
 2017/11/06 04:49  この記事のURL  / 
オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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