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ユニーのドンキ化が示すGMSの課題
GMS業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています。しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。

最近ドンキがユニーの株式を持ち、相互補完効果を狙うようなニュースを目にしました。ユニーがなり振り構わず、営業利益や経常利益を良化させるとの方向に映ります。GMS業界が本来やるべき事業を低迷している既存から回復させる方法としての通過点措置としては正しい選択と言えるでしょう。要は自力で業績回復できない事を真摯に認め、他社の力を借りるという選択は正解なのです。

しかし、本業の回復については手を緩めずに、様々な手法を講じて、研鑽し続けないとノウハウなどは蓄積できないのです。数回前のこのブログにも記載のように、GMSの業績回復策は多々あるのです。再読願えれば幸甚です。

ユニーのみでなく、GMS各社は特に食品以外の事業に大きな課題があります。食品も悪化傾向にもありますが、、何をすればという意味で、カテゴリーの専門化の集積に向かっている企業もあれば、ライフスタイル型の横串を刺そうとしている企業もあり様々ですが、どちらも正解であり、不正解なのです。

理由は専門化において、商品開発等のモノやコトについては必須であり、お客様より知識を持って、より必要不可欠な商品開発に向かっているのは正しいのです。また、ライフスタイル型売場構築について、衣食住の括りはともかく、テイスト軸でフィルターを掛ける事が必要不可欠で、まだそのような売場はGMSにも百貨店にも存在していません。そのテイストの好きなお客様のお気に入りになっていないのです。

逆にお客様から見ると、時間消費できるテイスト軸ライフスタイル型売場は理想なのですが、時間のない目的買いのお客様にとっては探し難い売場になっているのです。これを横から見ると各売場(両方)に基本的な部分(商品の陳列棚、ハンガー、サイン等)の最低線の共通項を持つ事が不足しています。MD部分も同様ですが、、

また、テイスト軸ライフスタイル売場に入らないテイストの商品で自店のニーズのあるものを置くべきカテゴリー売場も必要です。衣料品売場や住居関連商品の売場では当面、テイスト別ライフスタイル売場に入らない商品のみでも良いでしょうが、食品売場は一物ニ箇所も必須なのです。つまりテイスト別ライフスタイル売場とカテゴリー売場の二箇所なのです。

例えば、イタリアンテイストのライフスタイル売場にファッション、リビングの他にイタリアン食材(パスタ等)にイタリアンワインを置き、テイスト売場は当面3〜4つのテイスト軸に絞り込むので、それに入らないカリフォルニアワイン等はカテゴリー売場のワイン売場にも包含しておくべきで、その売場にイタリアンワインも必要なので、一物二箇所になるのです。

今日は時間がなくワインのみを購入されたいお客様にはワイン全部を見られるワインショップに来店して頂き、全部のワインの中から好みのワインを探して頂くか推奨して売って行くくのです。よって同ワインの一物二箇所展開も必要であり、これにより展開品番数の集約もでき、絞り込んだSKUにて奥行き(回転率の高い)のあるビジネスモデルが構築可能になるのです。

当然バイヤーはどのワインを残して、どのワインを仕入れないかを吟味する必要があります。残すワインの奥行きも、これはバイヤーが自店顧客のニーズを的確に把握し、自店の販売実力を適正に把握していないと不可能です。これを可能にするためにデータを活用するのです。GMSは顧客データは沢山持っているのですが、解析力は0に等しいのです。

購買結果データは誰が、何を、どの価格で、いつ、いくつではなく、まずは「誰が」が不要なのです。購入された結果のみの行動習慣のパターン化でお客様の習慣による購買パターンは読み取れます。購入された結果のみを徹底して解析して、策を打てば漏れている部分も十分捕捉できるのです。まずはそれからであり、MANtoMANマーケティングはそれを吸収できてからで十分なのです。

売上はお客様の商品・売場に対する評価バロメーターであり、営業利益は経営者に対する評価バロメーターなのです。要は社内のMDの精度の低さが問題なのです。
自店の顧客ニーズの的確な把握(お金を払って頂いた自店顧客マーケティングの徹底)
アパレルや小売業は多くの顧客データを持っていながら解析できずに、これが結果であり、来期に向けて提案するのだからとの言い訳で、過去のデータの読み取りが不十分です。

これを実践できる経営者でないと、目標は上手く達成できません。「良い商品を作れば売れる」とか、「良い売場を確保すれば売れる」とか、様々な考えの経営者がいらっしゃるのですが、完全に間違っているのです、勿論、良い商品を企画、生産、展開する事は当然であり、良い売場を確保しての展開も重要ではありますが、現場の当然の業務であり、経営とは大きく異なるのです。

極論を言えば、良い商品を作っても納期遅れで店頭に出なければ、、また良い売場を確保しても、商品がお客様の欲しいものでなければ意味はありません。この様な事は小売業やアパレルでは最低条件であり、「弊社は不良品は出しません」とか、「経費をブラックボックスにはしていません」等のコメントを出す企業など論外なのです。

また、業績が悪化(売上や利益が減収減益)しているのに、今まで通りやりますでは、何も改善できません。今まで通りが悪いのですから、減収減益になっているのです。何が悪いのかを見つけ、そこに手を加えなければ良化は程遠いのです。まずはその原因を見つける目線が必要であり、見つけたら悪い原因を削除し、良化に向けた施策を打つ事なのです。

経営者とは、自社が利益拡大に向けて、どの様なビジョンを示し、目的である利益拡大という戦略を自社領域内で明確に立て、手法である戦術を自社でできうる可能な枠内で設計し、それでも届かなければ、その部分を外部の「知恵」を買ってでも成し遂げさせる事が必要不可決なのです。要は部下を使って結果を出させるスキーム作りと運営が業務なのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEかアパレルウェブへのお問合わせより、お願いします。
 2017/10/30 05:32  この記事のURL  / 

オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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