« 迅速な経営判断 | Main | GMS業績低迷からの脱却方法 »
百貨店EC事業の混迷からの脱却方法
小売業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。

欧米でもEC化率は30%になろうとしており、日本においても20%を超える企業も出てきています。しかし、百貨店のEC化率は数%に留まり、どうして良いのかが見えていない状況です。
EC化率30%を最低目標とすれば第二の柱であり、部下や外部に丸投げで出来る筈もないのです。
根本的問題は、百貨店層に向けた適切なサイトではない事と、それに向けて経営者が真剣にビジネス構築していない事に尽きるのです。。

百貨店の顧客はエイジが高く、PCやスマホを使いこなせる人は少ないとか、言い訳は沢山聞こえるのですが、サイトの閲覧・購買はスマホ70%の時代であり、男性はPC比率も高いのですが、女性は高齢者でもPC利用は少なく、スマホ利用はかなり高くなっています。サイト訪門者数も少ない百貨店でも月数十万人以上はいらっしゃいます。買上率(CVR)は目的買いの「中元・歳暮」はかなり高いのですが、全体ではEC化率の高い他企業同様数%なのです。

A社は数年前に前社長がTVショッピングを運営している商社からその実績のある人を取りこんで、結果何も出来ていなく前社長とともに降任しました。新社長は自らアクションを起こそうとしていますが、経営者が首を突っ込むのはビジネスモデルの構築と確認なのですが、現場での直接判断をされるならいかがなものでしょうか?刷り込まれ、売り込まれ、身動きが取れない前社長の二の舞いでは、果たして結果は?

B社は親会社の前社長のオムニ路線を追求し、GMSの顧客とは層が異なる百貨店顧客層まで同一カートにて構築しており、各層のお客様にとっては不便極まりないサイトで逆行していたのです。現在各子会社に一任されつつありますが、まだ触り難い状況に陥っているのです。それでも自社内で解決しようと考えているようですが、自社内で出来るなら何故今まで解決できなかったのでしょうか?上に誰もモノが言えないなら、全容を理解しているトップがやらねば永久に改革・改善など不可能です。

C社はカタログ売上は落としても、EC売上は落とすなとのTOPの号令でEC事業の赤字を黒字に出来ないまま、拡大路線を取ろうとしており、国内のECもカートの乱立の修正も出来ずままならないのに越境ECまで手を出しています。まだ自然体なのでしょう。第二の柱にとは真剣に考えられていないのでは?

D社は頭でっかちの商売(現場)を知らない責任者(一人は退任されましたが)に丸投げし、いままでの古いシステムに聞こえ映えするキャッチコッピーで上塗りをしていただけなので上手く行かなく、現在はA社の過去にように外部(商社)から連れ込んだ人の方向性や代替案のない批判にかき回されているようです。周りは誰もモノが言えません。システムなど判らなくても、事業計画の不備や進捗確認などは通常にビジネスと同じなので、同様に判断されるべきなのですが、ECだとできないと言われたら誰も抵抗できないのです、本気なら口を出す人が汗をかいて勉強すべきなのです。

E社もサイトをリニューアルされ、見映えはカッコ良いのですが、お客様にとっては買い難い作りになっているのです。原因は縦割り部隊の弊害であり、各アイテム責任者に一任されているようで、EC事業の全体を把握して不都合を水平的に横断して見られる経営者が不在なのです。トップが責任者のようですが、1%にも満たないEC売上の推移なので、実態(売上の推移)を自ら把握できていないと推測されるのです。ご自身が自社サイトや他社サイトで購入されたことがあるのでしょうか?すぐに自社サイトの不備が見つかります。改善は部下に、、

「財布を握って画面を見る」と見えない事、報告されていない事が浮き彫りになってくるのですが、現在は各社混迷を続けているのです。この様な状況で、百貨店のEC化率が上がる筈もなく、EC事業が遅れているとの思いで一般的な層の買い方に追随しているのです。
自社顧客層のECの在り方などは放置したままなので、いつまでも百貨店層の顧客の囲い込みが出来ていないのです。またシステム優先で、トップが判らないから部下やシステムに強い外部に丸投げなので、システムが出来ないや後回しにされても何も言えない状態なのです。

このシステム主導型はEC化率が高い専門店やアパレルでも同様であり、出来ないなら他社へ乗り換える位の腹を括る必要があります。システムの契約時に真剣に最悪の場合を想定しての契約を結んでいるならば問題はないのです。今の状況なら売上が無いのと同様ですから、リスタートしても大した被害ではないからなのです。これだけの腹を括らなければEC化率30%などは程遠いので、トップが新規事業の成功に真剣に汗をかくべきなのです。

百貨店企業のEC事業の成功への道は、
1. トップ自らがビジネスモデルをどうするのか(アナログで)を真剣に考える事
2. 店頭のSKU管理が100%出来ない状況で、在庫の共有化の考え方は捨てる事
3. 自店顧客のニーズをどのように掴んでいるのか?百貨店ニーズ(潜在需要)の把握
4. 百貨店ニーズをどのようなチャネルでお伝えするのか?(リアル、紙面、画面からの手法)
5. お気に入りにして頂くテイスト軸ライフスタイルPB化(同一PBでのサイト専用商品展開)
6. カテゴリーや単品、ブランド名から入るサイトでは価格の比較に流れるのは自明の理
7. サイト名を知らないサイトはそこまで辿りつかないので開かない(越境ECなどはNG)

一般的な顕在需要サイトは、ブランドやカテゴリー、アイテム、商品からサイトに探しに来られるのですが、百貨店顧客はお店に来て、「何か提案しているのか?」気に入った提案があれば購入され、無ければ買わずに帰るのみです。ご自宅から買うものを明確に決めて来店される事はまれなのです。当然その百貨店がお気に入りになっているのです。しかし、百貨店はGMS同様総合小売業であり、なんでもあるが混載で、商品だらけで探すのが大変なのです。

このような状況で売上が低迷している(今年のインバウンドの復活も一瞬で消えた昨年の二の舞いを来年はならないように祈るのみ)のですから、売場リニューアルには大規模な投資が必要であり、その後の継続も長くは続かないのが実情です。よって、サイトこそ大規模な経費を掛けないリニューアル(TRY&ERROR)が可能なので、サイトで理想の売場構築の検証をするサイト・リニューアルが必然なのです。勿論「どうあるべきか?」が先に必要ですが、、

このような基本を真摯に認め、サイト構築ビジョンを明確(たとえば当面EC化率30%)に設定し、既存事業(リアル)の売上は維持向上させながら、+にて30%以上のEC売上を目指すためには、店に売上を付けるなどはナンセンスであり、EC売上を1店舗として単独で売上と利益の目標を持ち、それに向けて積み上げていく事が望まれています。ビジネスをどうするのかが優先され、システム等の構築などは後の話なのです。

A社などはリアルのバイヤーがリアルのお客様のニーズが的確に把握できずに、売場に並ぶ限界のSKUの2〜3倍の幅のある仕入が続いており、売場に並ばない商品をネットに掲載して、結果ネット専用商品になっている状況なのです。これで20%伸びていても将来はありません。偶然結果オーライでは継続できるビジネスにはなりえないからなのです。

まずは自社百貨店をどのようにしたいのか、お客様起点により将来像を設定し、それに向けてリアルは、カタログは、ネットはと各チャネルでの方向性やバランスを意識して、その中での手法を考えるべきなのです。

弊社はまず企業の将来像を設定(どの企業も営業利益当面5%、その先は安定した2桁を)し、そのビジョンを明確化したGOAL(目標)に向けて、何時までに、誰が、何を、どうするかを各社の立ち位置からどう進めるべきかをコンサルしているのです。
http://www.o-m-o.com/report_127.html
http://www.apalog.com/ochi/archive/418
http://www.apalog.com/ochi/archive/414

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのお問合わせは、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。

 2017/09/25 05:20  この記事のURL  / 

オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

2017年09月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新記事

http://apalog.com/ochi/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
更新順ブログ一覧
リンク集