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GMS・百貨店の復活へー課題と気付き
GMS業界は、現在まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、今後もその線上で推移する事がほぼ確定と言っても過言ではありません。百貨店業界はインバウンドの持ち直しで一息入れていますが。これも長続きする保証はありません。

数年前のインバウンド効果も一部の経営者にこれが無くなった時のために施策を準備しておかないと経営が苦しくなると提言しましたが、その時点では「想定内です」と返ってきました。結果、インバウンド効果が消えた昨年は散々な結果です。「この結果が想定内だった」のかと唖然としたものでした。

百貨店もGMSも、コスト削減、販売管理費の削減等にもメリハリのある具体策がないままに命令し、現場は結果を社内上司(経営層)に隠すために、GMSや百貨店の一部の企業では、仕入先への対応に過度な要求まで提示しているのです。

上司(経営層)はこれを見抜けていなく、心地良い数字を裏読みできていないのです。何処を突けば正しい数字になるかも理解していないのではないでしょうか?根本的な改革・改善が見えなく、末期症状と言っても良い事態です。

しかし、復活が不可能なのでしょうか?出来ない筈はないのです。理由は自社内で完結させようとしている事と、外部に依頼するにしても依頼内容を丸投げしており、本当に外部の施策が自社にとって正しいのかの見極めが出来ない状態で依頼しているのです。

自社の方向性をまず社内と外部で設定し、それに向けて外部の知恵(知識ではなく)を借りて自社社員を使って結果を出す事が最優先されるべきなのですが、、、

一応多少のコスト削減や販売管理費の削減により営業利益は少しは良化してきている企業もあるのですが、根本的な改革・改善には程遠いのです。経営者自ら自社の方向性を設定できていないのです。

過去の成功体験の応用程度でこの苦境を乗り越えられる程甘くはなく、お客様のニーズの変化のみでなく、お客様へのお伝えの仕方の変化、お客様のライフスタイルの変化に伴う時間の無さによる購買行動の変化等、マーケットの読み取りと今後のマーケット変化の予測から全ては始まるのです。現在から始まるのではなく、仮説でも将来を見通してから現在の立ち位置から走るべきなのです。

小売業は人事異動が激しく、仕入のプロ、販売のプロが育ちにくい環境になっているのです。銀行なども小売業やアパレルの仕入れ部門も癒着等を恐れ、結構異動されています。また、社員に適材適所を見つけるための配置転換も多いのが実情です。果たして正しいのでしょうか?評価制度が明確で、ガラス張りならそのような不安は無くなるのではないでしょうか?

マネージメントを管理として捉える日本には多いのですが、本来のマネージメントを理解している企業は、そのような配置転換を頻繁に行う事は時間のロスになって来ている事に気が付いています。確認の制度(CHECK)の機能が明確に設定され、確実に運用されていれば性悪説による管理は不要です。それにより、前向きの行動できる人材を育て難くしているのです。

特に小売業の現場(取締役〜部長級)の方から異動しましたので、またご相談をとのご連絡を頂く事も多いのですが、彼らは「まず自分で課題を発見し、それを潰してから自部の目標を設定し、それに向かって走ります。その後壁にぶつかったら相談します」との連絡が多いのですが、、、

まず課題とは何なのでしょうか?目標があるから現在の立ち位置との差が課題であり、それ以外の方向の課題は無いのです。余計な作業(やらなくても大丈夫で、時間があればやっておいた方が、、程度)と言っても過言ではなく、優先順位を見誤っているのです。

また、先に自部の目標を定めて、立ち位置から走る上においての障害(出来ない部分)を潰して行くべきなのですが、着任早々部下から出来ていない理由(部下が自分を正当化するために)を刷り込まれてしまうので、マイナスから立ち上がらなければならないのが実態です。立ち上げる気力があればよいのですが、、そこで止まってしまう人も多いのが実情なのです。

着任早々(その後現在でも)に現場のヒアリングをする事なく、部下に
1. 何故これをやっているのか?
2. これをやって儲かっているのか?
この2つを投げてみる事です。部下は前年踏襲型で提案してくることも多く、もう一度再確認して上申してくることが少なくなっているのです、これが実態なのです。

一例として、首都圏の郊外の某百貨店では、正月に入口前で自社百貨店のそこそこ経費の掛ったと思われるカレンダーを200部お客様に配布していたのでした。暫く状況を見ていると貰ったお客様の60%以上の方がお店に入店されずに持って帰っているのです。

恐らく前年も同様の事をしていたのでしょう。新店長に進言し、同様の事を継続していたのです。入店にも、売上にも寄与しない販促活動なのです。本来なら少なくとも引換券にして、店内の上層階でお渡しする位の事はすべきなのですが、こんな程度を容認(店長が把握できていないかも)しているレベルなので、店の売上も利益も改善するはずもないのです。

GMSも他社百貨店も同様で、このエピソードを聞くと「そんなレベルの低い事は自社・自店ではあり得ない」とコメントされる幹部や経営者が多いのですが、実は現場はほとんど(すべてと言っても)がこのレベルなのです。

この気付きを持つ事は意外と難しく、知識ではないのですが、知恵が不足しているのです。これを認める事が前提なのですが、その後それが出来る人材を育成しないと行けないのです。勿論走りながら、、その為にはスピードも必要で、育成している間に答えが出てしまう経済環境なのですから、、

どこかのオンラインニュースに、「気付き」は教えられ、それを利用して「学ぶ」方が難しいと書いてある記事を見ましたが、この「気付き」は教えられるものではなく、自ら気付かなくて身に付きません。気付きを教えられたり、応用する事は「学び」なのです。何もなく気付く事が出来る人こそ「知恵」があるのです、本来の「気付き」が出来るのです。

これは訓練でもかなりの部分身に着くのですが、常に売場や商品やコト提案を見る時に、「これは何のためにやっているのか?」「これで儲かっているのか?」を自問自答すべきなのです。お客様目線だけでは気付きません。その後に考える癖を身につける事が必要不可欠なのです。これは訓練で多少は身に付くものなのですが、そう簡単ではないのです。

まずはスケジュールを立て、「何時までに仕上げないと行けないのか」を決め、それに向けて自社でできなければ、外部にも手伝ってもらって、長い目での「知恵(気付き)の出る人材育成」が必要不可欠なのです。

当然、どのような知恵(気付き)なのかを設定しておかないとOJTでさえ結果が伴いません。要は経営者自ら「どうあるべきかを自分の考えと第三者目線を加えて、明確な目標と適正な時間と的確な方法により、到達できる本来のGOALを設定する事」から始めるべきなのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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 2017/08/07 06:21  この記事のURL  / 

オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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