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百貨店のプライベートブランドが上手く行かない理由
3月24日にダイヤモンドオンラインに表題の記事を寄稿しました。ご一読下さい。

http://diamond.jp/articles/-/122341

字数が少ないので、補足として、下記野弊社HPのREPORTも、ご参考まで。

http://www.o-m-o.com/report_64.html

http://www.o-m-o.com/report_110.html

http://www.o-m-o.com/report_76.html

http://www.o-m-o.com/report_72.html

ブランディングとは、例えばボリュームゾーンのブランドの売場で、その売場の商品の品質や
価格はそのままで、ブランド名の看板やサイン、ブランドネームやタグを外して、一般のお客
様の半数位が「○○○みたいね」と言って頂けるかを考えてみて下さい。どの位のブランドが
残るのでしょうか?

また、そのブランドネームを外したままで、どの位の売上が取れるのでしょうか?前年に比べ
て大きく落ちるブランドは認知度が高いと見るべきでしょう。認知度の低いブランドは名前を付けているだけなのです。例えばこの様な指数で、ブランドの認知度を図る事も必要でしょう。ブランド名を外したら誰もそのブランドを言い当てられない事が問題なのです。

百貨店もここ20年の業態別売上の推移を見れば、業態離れは歴然です。百貨店客が他業種に移行しているのではなく、欲しいモノやコトがないので購入していないだけなのです。
つまり、商品知識のあるお客様は自分で選べるのですが、知識がなくても接客を受けると購入されるのですが、そのどちらでもないとアイテム売場が多く、自らが選べないのです。

GMSのPBのシェアは拡大基調です。売上全体としては既存店ベースで低下して、PB比率が高まっているのですが、イオンの岡田社長が言われるように「お客様に向いていない商品開発」と各社ともに「自社の販売実力把握ができていない事による無駄な仕入れ」での在庫処分により、益率、益額が悪化しています。必需品の食品はともかく、衣料品、住居用品はまだまだなのです。

店頭売上はお客様の評価バロメーターであり、利益は経営者の評価バロメーターなのです。

良品計画が上手くプライベートブランドMUJIを育てている理由は、良品計画はPBのMUJIをテイスト軸で括ったライフスタイル型(衣・食・住)ブランドとして、1ショップ1ブランド展開にてテイストを気に入って頂いたお客様のライフスタイル(タ―ゲットの1人の生活の日常の朝から夜まで)をすべて包含しているのです。但し、衣料品にはハンドルに遊びがなく、時代のニーズにもう少し柔軟なMD対応ができれば完璧です。

過去の衣料品はバイヤーが優秀だったのか、味のある英国からのインポート商品もあり、素晴らしく見えましたが、日用品(コモディティ)の商品フォローが徹底していなく、利益ベースでは苦戦していました。その後徹底され、業績が大きく伸びてきています。

逆に衣料品の味が無くなったのでしょう。衣・食・住を同レベルのマーチャンダイジングでは通用しないビジネスなのです。GMSでは主力のコモディティ比率の高い食品事業の幹部が経営者になって、衣・住が苦戦しているのと同様でしょう。経営者と現場は異なると認識すべきです。でも全てとは言いませんが、MUJIは参考な箇所が沢山あります。

セレクトショップのユナイテッドアローズやビームス等やファストファッションのZARAやH&Mの強みは1ショップ1ブランドによるコーディネイトが可能であり、百貨店やGMSのように、お店の中の多様なテイストの中から、自らかまたはアドバイスを受けながら、コーディネイトをセレクトする事は不要なのです。全部のお客様に接客出来る訳ではないのでsから、、ユニクロは日常(コモディティ)を全て包含する戦略であり、多テイスト混載なので異なるのですが、、

また、売手市場にしているのがラグジュアリーブランドであり、ブランドエクイティを高めて利益は後で付いてくるといったビジネスまで進化しているので、営業利益は2ケタ台まで到達しています。売手主導だからと言って、お客様を無視して企画、販売している訳では当然ありえません。そのような考え方であれば既にマーケットから淘汰されています。

百貨店のプライベートブランドをどう育成すべきなのかを考えますと、テイスト軸のライフスタイルを提案可能にできるショップ&グッズブランドをプライベートブランドとして開発すべきなのです。一番近いのが売上が高いトータルのリミテッドエディションなのですが、GMS同様に販売力の把握が的確になればもっと業績に貢献できるのでしょう。究極的にはリスクのない所に利益はないのですから、顧客マーケティングの徹底によるPB開発が必要不可欠なのです。

前述のMUJIの考え方は、ターゲットを置き換えれば十分に百貨店、GMSにおいても通用し
ます。要は考え方を他業界を含め先人に学び、自社顧客マーケティングを徹底して実行し、その既存顧客にこうあって欲しいとの提案を続ける事がそんなに難しいことなのでしょうか?

出来ない理由を探せばいくらでも出てきますが、「こうあるべき」を決めたら、その阻害要因を浮き彫りにし、徹底して出来ない理由を潰していくのです。出来ると考えない限り、現状からの脱却は一歩たりとも不可能なのです。

但し、食品売場のみは1層か2層のフロア構成が必要で、イタリアンテイストの生活をしているお客様でも、毎日「イタメシ」を食べている人はいません。それでも食品売場には和なら日本食で、その他フレンチや中華、イタリア等のその時代の主要食(4種程度からでも)で括った売場を構築し、その1つの売場内に惣菜、グロッサリー、菓子等をゾーニングし、その売場で今日は和食なら和食の購買は完結できる売場構築までは必要不可欠でしょう。

そのテイストに入らない商品もビジネスですので、それはアイテム展開売場でも良いのではないでしょうか?例えばワインで言えば、上記売場に入らないチリワインとかカリフォルニアワインとかは、世界のワイン売場に展開し、上記売場にあるワインも販売し、1物2箇所展開も当然です。よって、展開品番数の絞り込みも必然で、バイイング力も重要です。

百貨店は売場と資金があるのですが、現在の顧客に適応するノウハウが不足しています。
百貨店は、その店のピーク時の売上のお客様に満足を提供できていたのですが、現在のお客様の満足に対応できていません。昔のような変なプライド(一部の店やバイヤーの仕入れてやっているような意識)はもうないとは思いますので、確実にお客様に向きましょう。

勿論確実にお客様に向いている企業もありますが、そのデータから顧客の目的買い(モノ)は見えても、アイテムをテイストで括ったライフスタイル型の売場が出来ていないのです。できていればもっと売上が上がっていて、仕組みが出来ていればもっと儲かっているのですから、、

ニーズを予測し、仮説を立て、実践し、検証して、修正を掛け、その精度を向上させるPDCAの可能なビジネスモデルが出来ていない事が課題なのです。経営判断のスピードを求められている時代であり、今やノウハウは外から買う時代なのです。方向性を明確にしてから、不足している部分を認識すれば、やることは見えて来るのです。、

まずは百貨店が現状からどうするかではなく、将来像が明確に定められていないので、テイスト軸のライフスタイル売場やテイスト軸のライフスタイルPBのコンセプトも見いだせていないのです。ビジョンから現在の立ち位置を引き算して、不足を直線で走る事が必要不可欠です。

そのゴ―ルに向けての通過点としての、近いテイストでセレクトされた自主編集売場が増えてきていますので、それを一早く他社では展開していない自店のお客様にカスタマイズされた、プライベートブランドに進化させて行くべきでしょう。

1店舗企業での生産ロットにも課題があるのですが、やり方はあります。当然企業毎に立ち位置が異なり、戦術・手法は当然違いますので、ここでは基本の考え方を提言しておきます。モノ作りの機能を構築する以前に、企業の方向性を早急に設定し、これからのお客様をどのように引っ張っていくのかを設定する事が重要で、企業の経営戦略が問われているのです。

勿論、百貨店もお客様の変化に柔軟に対応していく事でないと生き延びませんが、お客様が必要としているドモノやコトを探して、お客様の前に置くといった手法のみでは、営業利益率も2ケタ台にも届かず、これからの時代は生き抜く事が出来なくなります。

企業ビジョンを明確にして、そのビジョンをお客様に提示して、共感を頂く努力の上、お客様に支持して頂く方向性が求められています。

売場(リアルも画面も紙面も)以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でお客様目線にて、ヒントを見つけるプロの技の知力(気付き)と、それを拾う体力(実行力)を身につける事が、小売業の現場責任者(営業本部長や事業本部長クラス)に必要です。

それを踏まえて経営者(社長)が自社を正しい方向に導く戦略をとり、現場に命令し結果を求めるのです。方向性とスケジュールの管理を徹底し、進捗の確認は当然必要ですが、決して手法までを押し付けてないで、すべては「儲かるか否か」の目線軸での実行が必要なのです。

これが企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、それをお客様にお伝えするプロモーション力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。

弊社は小売業やアパレルを中心とした現場に精通した経営コンサルティングを実践しており、「当たり前の事を当たり前のように実践できる」サポートです。当ブログでは業界の課題の発見と方向性を総論として示唆をさせて預いており、企業毎により課題と戦略や手法は異なるので、個別対応させて頂いております。

弊社は「企業ビジョンを明確にし」、「本当の貴社・自店の顧客マーケティング分析・解析により」、それを「クライアントに的確なマーチャンダイジングをコンサルティングし」、「それを可能にできる人材育成」を実践し、「クライアントの営業利益拡大」を目指しているのです。

ブログにつきましては、コメントを頂いても見られないようになっておりますので、ご意見、ご連絡は弊社HOME-PAGE(このブログの右上のバナーをクリック)のお問い合わせから、または弊社HPの左上のバナーからブログに入れます。 [お問い合わせ] information@o-m-o.com
特に、弊社HPのREPORT欄とこのブログを過去に遡って、ご一読頂けば幸甚です。
 2017/03/24 07:54  この記事のURL  / 

オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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