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服の基本―2
お気に入りのファッション誌「CRUEL」や「FUDGE」のメンズ版やレディス版を見ているとファッションの感度はともかく、テイスト軸の括り方は、これからのファッション小売業の売場構築の方向性の参考にもなり、楽しみにして見ていましたが、残念なことを見つけてしまいました。

「CRUEL」オムの今年の03号のパリのスナップと「CRUEL」の02号のパリのスナップを見ていると写真の併用は雑誌社が同じなので仕方はないのですが、スナップと言え同じモデルが多種の違うコーディネイトの服を着たカットが多数見受けられるのです。オシャレな街人が少ないので日本か現地で手配した服を着せて「やらせ」に見えるのです。違う事を祈るのですが、、

また、スタイリストが女性でも男性でも男服の勉強をしていないのか、基本が判っていません。男服の基本はまだ70%程度守られているのですが、女性の服の基本は10%も守られていません。どちらも「基本を理解した上での着崩し」をしていないので、ちぐはぐに見えるのです。

勿論、法律違反をしている訳ではなく逮捕されるのではないのですが、、ファッションを啓蒙している雑誌がこのレベルでは残念でなりません。勿体ないです。

例えば、「CRUEL」03号の62Pに掲載されています男の人のジャケットにハリスツイードの素材ラベルが貼られています。コートの左袖のカシミヤ表示のラベルも同様ですが、このようなラベルは店頭で売る時に、お客様にアピールするためのタグ(ハンガーは左向きが基本であるので、だから左袖に付けてある)なのです。

そのために4隅のみ止めてあり、お客様に渡す時には本来販売員が外しておくべきものなのです。その服のデザインとしてのワッペン等は隅留めでなく、すべて縫い付けてあるものなのです。取り外す事ができるようにしてあるブレザー等のエンブレムは別ですが、、

当然、スーツやコートのベントの仕付糸も同様であり、販売員が切ってからお渡しすべきものなのです。しかし、販売員もそのままお渡ししているケースも多くあり、販売員も知識がない場合が多いのです。裏側のみで留めていて表側には出ていないので忘れる事もあるのですから、本来は目立つ色にして表側まで抜けるように付けると忘れないものなのです。取ることを知らないお客様が悪いのではないのです。

アパレルや小売業の企画や仕入担当者のレベルも低下しており、店頭にはメンズ服でも後ろのベントがなくても、片倒しのステッチが女性物のようになっていたり(IY)、男物のパジャマのデザイナーが男服を判っていなく、右前になっていたり(イオンRE)しているケースもあります。

女性服は既に、もう「どうしようもいないくらい」であり、前面が男仕様で、背面が女性仕様や、その逆等もあり、既に崩れ出して数十年経過しています。少なくともベースが軍服であった男服のピーコートやトレンチコート等は基本を理解した上での基本崩しをすればカッコよく見えると思いますが、、今はファッションを意識している人の中では、女性の方がカッコ悪い人の比率が高いのはこの理由なのでしょう。カッコよくなりたくない人は別ですが、、

アメリカもTPOの意識が低く、アイビーリーガーをベースにしたIVYでさえ、スラックスの裾幅は○○CMやボタンダウンの襟のロールはこうでなければと言うほど厳しいものではなく、日本には基本がなかったので、ルール化をしたことにより、当時VANも大ブレークしたのでした。スティーブジョブスなどは自分の気に入った黒のタートルネックのセーターを社員に制服として強制したら、総スカンを食ってしまった位自由なのです。

その他、TPO(日本メンズファッション協会が過去に制定した言葉)は、ヨーロッパでは場所や場合を弁えた服を着るのは階層があったので当然であり、紳士のスぺクテータースポーツの競馬にも、タキシードやシルクハットで出かける位なのですが、日本は洋服の歴史が浅いので、業界での服を着るための基本を採用したのですが、なかなか徹底していないようです。

例えば、ビジネスシーンではソックスは靴の色に合わせるべきなのですが、学生時代の延長でスポーツソックスの白をはいていたり、日本は靴を脱いで部屋に上がるのでといった言い訳でスラックスの色に合わせたり、という人も見受けられまます。カジュアルなら多少カラーでも大丈夫なのですが、、

もう一つ上級になると靴、ベルト、バッグの色を同色または、同系色に合わせるとよりカッコよく見えます。バッグはボディ色よりも持ち手やパイピングの色と合わせるとベターですが、、別に火カッコ良くならなくても死なないのですが、モノを持っているなら組み合わせで、よりよく見えるのです。心地よく、気持ちよく過ごせるのですから、、

話を雑誌に戻しますと、過去に「LEON」がイタリアの街のスナップを撮っており、欧米の人は男は食事をしたりして座る場合にはジャケットのボタンを外しても良いが、歩く場合はジャケットのボタンを留めるのです。しかし、太った人は2つボタンの上を留められずに、下のボタンだけでもと止めていた人のスナップを掲載し、日本でもそれがイタリア人の新しい着方と間違った解釈をされたことがありました。

本来メンズのジャケットは上前と下前がラウンドしており、重なる頂点のボタンのみを留めるように設計されていますので、2つボタンジャケットの下を留めるとシルエットが崩れるので、そのようには出来ていないのです。ジャケットでもレディスのようなスクエアな服は別ですが、、過去には2つともボタンを留めたジャケットの写真をポスターに使った企業(SEIYU)もありました。

それ以外でもジャケット等がお店に納品される時に、ハンガー納品では運送時にハンガーから滑り落ちるのを避けるために、ボタンを2つとも、あるいは3つとも留めて納品される事も多いのです。店頭では販売員は本来全部外すべきなのですが、そのまま店頭のパイプハンガーに掛けて、展開している事(ユニクロ)もありました。

ハンガー納品時にボタンを外して、ポリ袋を掛けておく方が滑り落ちにくいのですが、服は上から見れば楕円形なので、ハンガーに掛ける場合は前のボタンを留めずに、重ねておいた方が自然で、皺になり難いのです。

皺と言えば衣料品のMD力が弱いのでこれから強化すると発表していました無印も平面的な箱納品のために、ウールコート等も袖や身頃に皺を残したままでパイプハンガーに掛けて売っている店も多く、店で自らアイrロンでも掛けてから店頭に出すべきではないでしょうか?買ったお客様に「自分で掛けろ」と言っているように見えます。売れるものまで売れなくしています。

業界の人達は、小売業も、アパレルも、業界紙やファッション誌も、実態がそうだからそれに合わせると容認しないで、同じ物で売上を確保するのであれば、「ならこう着て欲しい」と啓蒙して頂きたいものです。

よって、ファッションが人生を気持ちよくさせてくれる事を、より多くの人に啓蒙する義務を負っているのです、好きな洋服を着れば気持ちも明るくなるのは自分自身お判りなのですから、より多くの人にお伝えして、暗い世の中を明るくしていきましょう。

業界の活性化に向けて、業界人自ら努力をしないと誰も助けてくれません。自然淘汰されていくのは目に見えています。技術も重要ですが、欲しいと思わせるモノの開発とそれを欲しいと思わせるお伝え方が不足しています。
業界人自らが立ち上がり、歯止めを掛けようとしない限り、業界や企業の活性化などはあり得ません。周りが悪いのではなく、自分が悪いのです。自己否定しないで何も改善しません。

売場(リアルも画面も紙面も)以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でお客様目線にて、ヒントを見つけるプロの技の知力(気付き)と、それを拾う体力(実行力)を身につける事が、小売業の現場責任者(営業本部長矢事業本部長クラス)に必要です。

それを踏まえて経営者(社長)が自社を正しい方向に導く戦略をとり、現場に命令し結果を求めるのです。方向性とスケジュールの管理を徹底し、進捗の確認は当然必要ですが、決して手法までを押し付けてないで、すべては「儲かるか否か」の目線軸での実行が必要なのです。

これが企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、それをお客様にお伝えするプロモーション力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。

弊社は小売業やアパレルを中心とした現場に精通した経営コンサルティングを実践しており、「当たり前の事を当たり前のように実践できる」サポートです。当ブログでは業界の課題の発見と方向性を総論として示唆をさせて預いており、企業毎により課題と戦略や手法は異なるので、個別対応させて頂いております。

ブログにつきましては、コメントを頂いても見られないようになっておりますので、ご意見、ご連絡は弊社HOME-PAGE(このブログの右上のバナーをクリック)のお問い合わせから
 2017/02/20 06:22  この記事のURL  / 

オチマーケティングオフィス
プロフィール

生地雅之(おちまさゆき)
1952年3月 大阪市生まれ
1974年3月 龍谷大学法学部卒業
1974年4月 ニチメン衣料梶i現双日インフィニティ梶jに入社
メンズブランドの生産担当、営業担当を経て、メンズ企画課長、次長、マーケティング担当(ブランド開発)次長、販売部長を歴任
1997年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役に就任
2003年6月 潟jチメンインフィニティ(現双日インフィニティ梶j取締役を退任
2003年9月 潟Iチマーケティングオフィスを設立(小売、アパレル向けコンサル他)
2004年7月 繊研新聞社より「メンズ市場とブランドビジネスサポート」を発刊

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