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先日、地下鉄銀座線で有名小学校の制服を着た低学年の男児が、斜め前に立つ女性に席を譲ろうとした。 僕が見たところ女性は60歳くらい。健康そうで背筋もピンとしていて僕には席を譲る対象とは思えなかったが、男児にとっては自分の祖母くらいに感じたのかもしれない。女性は「まぁ、ありがとう」といいながらも、戸惑っている様子が傍目にも分かった。他の乗客の面前で自分が席を譲られる対象に見られたことに動揺しているようだった。女性は「次の駅で降りるからいいのよ」と言って次の駅で降りた。
車内でお年寄りに席を譲ることはマナーとなっているけれど、何をもって席を譲るべきお年寄りと判断するかは、なかなか難しい。実際のところ見た目しか判断基準が無いわけで、譲る側の主観にかかっている。よく「お年寄りが立っているのに席を譲らない人が多い」といわれるが、判断の相違もけっこうあるのではないか。原ひさこが目の前に立っていたら、たいていの人は席を譲るだろう。赤木春江も譲る。だけれども宇津井健や野村昭子、池内淳子だったらどうか、みなさん75歳以上だけれども、判断が分かれるのではないか。なんとなくベテラン俳優の名前を書き出したら、「渡る世間は鬼ばかり」の出演者ばかりになってしまった。
(H)
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