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2008年09月22日

映画とファッション2

突然ですが、お伽噺は好きですか?私は大好きです。
みなさんこんにちは、編集Oです。

今日(9/22)は遅い夏休みを頂き、週末から明日まで4連休です。
社のみなさん、ありがとうございます。
Oは伸び伸び休みを満喫しております!

ということで、お礼がてら(押しつけがましい?)ブログアップします。

「落下の王国(原題:THE FALL)」という映画を観てきました。



各種メディアで紹介されているのでご存知の方も多いかと思います。
メディア紹介で共通していたのは『美しいシーン満載』的なこと。
北京五輪開会式の衣装デザインを手がけた石岡瑛子氏の名が
コスチュームデザイン担当にクレジットされていることからも、
スペクタクルを衣装が彩る「美の映画」だろうということは予想できます。
私がこのブログで担当する(と勝手に宣言した)「映画とファッション」に
もってこいの題材!
しかし、私が感じたこの映画の長所は「美しいシーン」のみにあらず、
「物語」がつねに内包する虚構性ゆえの「自由」です。
この映画、良かったですよ。

物語は、「落下」事故による大怪我で入院中のスタントマンが、こちらも「落下」による腕骨折で入院中の少女に自分で作ったお伽噺を聞かせることが中心。現実の病院シーンと、スタントマンが語るお伽噺での壮大なシーンが織り交ざり、2つがリンクしながら観客を引き込みます。現実での哀しさが物語に反映されたり、少女の一言で物語が少し変わったりと、物語がうまれる現場も見ることができます。
ここで面白いのは、我々が観客として観る「映画という虚構」の中に、「もうひとつの虚構(スタントマンのお伽噺)」が存在するということです。

観客は、「作り話である映画」と、そのなかで繰り広げられる「もうひとつの作り話」、そして自分のいる「現実」を行き来します。通常だと、映画を観ながら感じたり考えたりすることは、ストーリーに誘発されてよみがえる記憶や現実でのこと、思い出や夢、であると私は思います。
しかしこの映画では、その「私と映画」の対比プラス、「映画登場人物とスタントマンのお伽噺」、さらに「スタントマンのお伽噺と私」という対比があります。映画を観る「私」は、あるシーンでは登場人物に感情移入し、あるシーンでは「スタントマンのお伽噺」の登場人物に感情移入します。そして映画とお伽噺両方に、交互に、順番に、思考を刺激され、現実での私に戻り、考え、記憶を過去へと辿ります。

映画を観ながら、思考のなかを旅するのです。

最近音楽も映画も、そしてファッション(服)も、わかりやすくて、単純で、いわゆる「ポップ」なものが好まれる傾向にあると私は感じています。ドラマ主題歌やCMタイアップ曲でないと売れない。人気アイドルが出ないとスポンサーが集まらない、大手配給会社がプロモーションしない映画は「大作」ではない。ファッション誌に出たアイテムだけ完売。

ストーリーの中にまたストーリーがあって集中できない、めんどくさい。だいたいこのブログ記事自体、もったいつけるようで偉そうな語り口で読みづらい。そう思ったあなたにこそ観て欲しい映画です。もちろん本稿を読んで「面白そう」と思ってくれた方にも観て頂きたい。本来、コンテンツというのは「私」を引き出すものだと思います。「私はこう思う」「私はこう思わない」「私はこう感じる」「私は何も感じない」。そういう思考を呼び覚ましてくれるものであって欲しい。何かのついでに、とか、知っているから、有名だから、みんながもっているから買う、観る、聴く、食べる、消費する、欲しいというのではなく、手に入れることで、消費することで、「何か感じてしまうもの/こと」ってすごいなと、この映画を観て思いました。
「泣ける」といわれる映画は観に行くのよそうかな、そんなことを考えさせられた映画です。

P.S.劇中のファッション、特にお伽噺の登場人物たちが身に纏う
現実離れした衣装と、「落下」で腕を骨折した、
主人公の少女の「カーディガンの着こなし」にも注目です。
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