
夜7時半。
国際展示場駅の外にでると、若い男から「これに乗ってください」と声をかけられた。
いわれるがまま乗り込んだマイクロバスには、20人ほどの男女で席が埋まっていた。私が補助席に座るのを確認すると、バスは走り出した。黒い窓ガラスからは外が見えない。乗客たちは無言。暗い車中、小雨の中ですれ違う対向車の音だけが聞こえる。
10分ほど走ると、バスが止まった。ドアが開く。暗いバスの中から外に出る。
「ま、まぶしい」
思わず手をかざした。暗闇の向こうから強烈なライトがこちらを照らしている。
若い男が言った。
「光に向かって進んでください」
乗客たちは吸い込まれるように光の方向に歩き出した。
私の脳裏にスピルバーグの『未知との遭遇』のシンセサイザー音が聞こえてきた。幻聴だろうか。
しばらく呆然としていたが、ひとり残されるのが怖くなり、先を歩く人たちの長い影を追って歩き出した。
光の先で私たちを待ち受けていたのは……