1ヵ月以上続いた東京コレクションもようやく終わり、
各ブランドの展示会が開催されている。
おおむね固定客(バイヤー)は来場するものの、新規の取引先を開拓できていないのが現状のようだ。買い付ける数量も減少していると聞く。店舗によっては「新規ブランドの買い付けを禁止している」という話まである。
この時期にデザイナーを志すのはある意味、冒険なのかも知れない。「ファッションショーが好き」という理由でコレクションを発表しても、それがビジネスに反映されない。
デザイナー側から見ると、クリエーションの実力はあっても、取引先の件数が伸びないもどかしさ。また一方で、営業力やマーチャンダイジング、生産背景など、デザイナーズブランドの弱点が浮き彫りになっても、それ以外で「何かが足りない」と思う。
足りないのは、つき詰めたオリジナリティーなのか、それともメジャー感なのか。
バイヤーの東コレ評は、「商品を見ても高揚感が湧かない」「展示会に行くと1サイズしかなかった」「海外ブランドのコピーとおぼしき商品が多い」「(製品の)完成度が低い」「価格が高い」といったもの。
これも当然の意見だが、何かしっくりこない。
ファッションショーは表現の場であるとともに、時代や空気感を感じさせる場でもある。
東京の場合、それは一体何なのか。
よく言われるのが、ポップカルチャーやハイテクといったイメージだが、これもちょっと違う。東コレで台頭する若手デザイナーの作品は、静かな抑揚に富んだ服。繊細なクリエーションは、単なるポップカルチャーやストリート服とも違う。
この繊細なイメージを伝えるのは意外と難しい。
(市)