9日夜、ヨウジヤマモトで緊急会見。
同日昼、ヨウジヤマモトが民事再生法の適用申請を行い、東京地裁に受理された。
悔しさを滲ませる大塚昌平ヨウジヤマモト社長が、再生法申請に至るまでの経緯を話す。あくまでも自主再建を目指したものの、資金繰りに行き詰まり、支援を求めることになった。
大塚社長の隣には、投資会社インテグラルの佐山展生氏が座っていた。この時点で、インテグラルがヨウジヤマモトの支援企業であることが推測できた。同社は、05年にワールドのMBO非公開化を進めたことで知られる。佐山氏は、短期リターンの投資ファンドではなく、自己資金とファンドで調達する“ハイブリッド型投資”であることを強調。従って超長期な企業支援ができることを力説した。
今後は、インテグラルが設立する新会社に事業譲渡する。当面は財務的なサポートを行い「強烈なブランドの方向転換はしない」方針だ。
ファンドと聞いて、拒絶反応を示す関係者もいるはず。なぜなら、ファンドが入って成功を収めたファッション系企業はごく僅かだから・・・。福助や三景など、ファンドが入って経営再建が進んだケースは異例と言える。
頭の中で色々考えていたら、山本耀司氏が会見の席に現れた。「私は、一種の裸の王様であり続けた」と語る山本氏に、ある種の違和感を覚えたのは筆者だけだろうか。経営を任せ過ぎたことを話す姿は、クリエーションに邁進してきた著名デザイナーとして正当性のあるものだが、一方で多数の社員を抱える企業の代表者としては、責任感が希薄に感じた。それとも、男気を求めた筆者が甘かったのか。
この連休、「ワイズ」のインショップを見てきたが、店員は心なしか元気がない。海外への出店など、強気とも言える政策を進めていただけに、関係者のショックは大きい。
日本を代表するデザイナーズブランドの破綻は、業界に変革が訪れることを意味する。独立系メゾンの限界が訪れてしまうのか、品質やファッション感度を高めたファストファッションの隆盛が今後も続くのか。それとも・・・ファッションそのものの地位低下が訪れるのか。
奮起というありふれた言葉より、一匹狼とも表現できる山本耀司氏の、クリエーションに対する突き詰めた恐ろしさを見たい。記者会見のことはもう思い出したくない。社員や業界関係者は、きっとそれを望んでいる。
(市)