バナナ・テキスタイルプロジェクト
青山の国連大学で開催されている「バナナ・テキスタイル・プロジェクト」に行ってきました。

「地球の未来を創るデザインのちから」をテーマに多摩美術大学が2000年より継続している「バナナ・テキスタイル・プロジェクト」のこれまでの取組とその成果の紹介です。

産学共同研究や、PBL授業で制作した作品が、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)にて国際連合工業開発機関(UNIDO)共催で展示されてます。



バナナ・テキスタイル・プロジェクトとは、今までバナナを採取したあと、毎年約10億トンの伐採された茎がそのまま放置されているといわれてましたが、廃棄されるバナナの茎から抽出した繊維を利用して糸、織布・紙・ボードなどを生産するシステムの構築をめざし、廃棄物とデザインの融合により環境保全への貢献を目的に研究をすすめているエコロジーなプロジェクトです。




展示会場には沖縄の協力農家さんから送っていただいているバナナの茎から実際に竹櫛などいくつかの道具で取り出すワークショップもあり実際に私も体験させて頂きましたが意外と簡単で、シゴク感じですのでバナナの香りもほんのり漂います。

しかし現実に大量に作るとなると水分も多いので機械化されていると思いますが、どのような機械で抽出されているのか一度、見たいと思います。





試算のようですが、年間3千万トンという綿花に匹敵する繊維原料を得ることができるようです。
日清紡さんはすでに綿との混紡30/70(綿勝ち)を市場展開されていますが、今後、バイオ燃料の普及と食料不足問題により、綿花畑が穀物畑へ移行していく可能性が高く、綿はますます不足していくことが予想されているようです。

ですので畑もいらない廃棄物の再利用ですから「もったいない」の精神にも合致してますね。
またバナナの産地は赤道直下のベルト地帯(ウガンダ、ルワンダ、エチオピア、ラオス、ドミニカ)など途上国も多いようですので開発された技術が各国の地産地消と輸出に期待できるそうです。

.バナナ繊維のファブリケーションですが、その繊維の形状や太さから、自然なムラ感・ザックリ感があります。ナチュラルな風合いや、肌触りはバナナ独特のようですが、麻(ラミー)やジュートに近く感じました。水に濡れると膨らみ、中空部分が出現するという特性があるようで、吸湿・吸水性がよく、汗をよく吸うそうなので、亜熱帯のような日本の夏素材に適していると思います。

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開催期間 2012年01月18日(水)〜2012年01月28日(土)

入場料 入場無料
会場 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC) 
東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F
会場ホームページ http://www.geoc.jp/
関連ホームページ http://www.tamabi.ac.jp/tx/banana/
 2012/01/28 17:11  この記事のURL  / 


大人に特化!・・・「代官山蔦屋書店」
年末にオープンされたTUTAYAさんの商業施設「代官山T-SITE」にやっと行ってきました。


「蔦屋さんお見事!」です。

代官山の閑静で緑も多く残る約4000坪の広大な敷地を贅沢に使い3棟で形成された「蔦屋書店」を中心にカフェダイニング「IVY PLACE」、ペットのドッグラン場や電動アシスト自転車専門店、カメラの専門店など6店舗が配置された複合施設となっています。


コンセプトは「森の中の図書館」というだけあって軽井沢などの別荘地にある美術館やレストランを連想します。

ターゲットは嬉しいことに私たちオジサン達「プレミアエイジ」と呼ばれる50歳〜65歳位の団塊世代前後の客層との事です。

さすが都会の「大人カルチャー」を意図とされただけあってヤング中心のファッションビルにはまねのできないゆとりある空間のため暫くいるだけでも落ち着ける場所です。

このプロジェクトは増田社長がオープン前に出版された「代官山 オトナTSUTAYA計画」やホームページを読んでいただければわかりますが、構想に相当の時間と人と投資を積み重ねられた事が理解できます。

ですので、あくまで「大人向け!」を明確にするためにコミック雑誌も学生用の参考書もありません。
さらに通常ありえないと思いますが、発表や目立った広報宣伝をしない事を徹底したようです。ですのでアパレル業界の方はあまり知らないようです(笑)




詳しい説明はネット上にも沢山出てますので割愛しますが、大きな特徴は、『人文・文学』『建築』『車』『アート・デザイン』『料理』『旅行』の6ジャンルの書籍に加え、『雑誌』に特化した「専門書店」としての品揃えです。

そしてドメインのレンタルCD,DVDのジャンンルと質も全国屈指の品揃えのようで、8万タイトル・10万枚を取り扱われているそうです。

また蔦屋書店では『映画』に特化し「無い映画が無い」を掲げられ、これまでDVDになっていなかった名作を 店頭でDVDにして貰える画期的なサービスもあるようです。

そして一番、売りとされているのは、各ジャンルの知識と経験が豊富なコンシェルジュが常駐しその豊富な品揃えの中からお客様が観たくなる作品を推薦をしてくれる人的サービスかと思います。

ところでCCCさんが新業態に乗り出した理由は、レンタルCD,DVDなど既存事業の頭打ちや少子高齢化への危機感のようです。

実際、この新業態を今後、全国展開される予定だと思いますが、個人的に「日本大人化政策」に賛成ですので頑張って頂きたいと思います。

ファッション業界もヤング向けのセール会場のようなファッションビルばかり乱立してますが、このような「大人の買い場」の開発を競い合って欲しいと思いました。

代官山T-SITEの住所

・代官山 蔦屋書店
東京都渋谷区猿楽町17-5
営業7:00〜26:00(1F)/9:00〜26:00(2F) 無休
tel.03-3770-2525

・.GARDEN
東京都渋谷区猿楽町16-15.





 2012/01/14 16:06  この記事のURL  / 


Found MUJIはグローバルに通じるか?
年末の12月25日、かの有名な『バタフライスツール』はじめ数知れぬ美しい日用品を創出された日本のインダストリアルデザイナーの重鎮、柳宗理さんが肺炎で逝去されました。

ご尊父は、こちらのブログでも取り上げさせて頂いた民芸運動の創始者、柳宗悦氏です。

話が飛躍しますが、その民藝運動のコンセプトである『ロングライフデザイン』の流れを引くのが『FOUND MUJI』ではないでしょうか。

昨年の10月頃、青山骨董通りの入口にある『MUJI』の1号店としてリニューアルされました。


この店は意外と知られてませんが、30年前の1980年に初めてできた「無印良品」日本(世界)1号店であります。

100平米そこそこのあまり目立たない1、2階のショップですが、商品内容は「感じ良いくらし」をテーマに世界で永く飽きられずに使いこまれてきた生活雑貨を中心に素朴で懐かしさを感じます。

世界の日用雑貨を見歩き、できるだけ手をいれずそのままセレクトされたとの事。

ブランド名も日常生活の中から"探す"、"見つけ出す"=Foundの基本コンセプトになったようです。

流行とも反対軸にある平凡な日用品を見直すあたりはナガオカケンメイさんプロデュースのD&Departmentsのグローバル版『ロングライフデザイン』と根底に共通の価値感を感じます。

また単品特化型のユニクロさんとも対局にあるライフスタイル提案型の仕事の温もりや文化、歴史、ヒューマニズムをMUJIさんは打ち出されていますね。

今さらですが、無印良品さんのディレクションボードの面子を見れば納得できます。

当初の立ち上げは日本デザインセンター創立者の田中一光さんから始まり原 研哉さん、ナガオカケンメイさん初め小池和子氏、プロダクトは深沢直人氏も。更に衣料は山本耀司さんなど日本のデザインを世界にアプローチできる最高のプロジェクトに囲まれている事に改めて気が付きます。

更にMUJI LABOでは来春からマーガレットハウエル史と契約の為、サンエーインターナショナルの子会社になったアングローバルさんの名も出てきてますね。

余談ですが、ユニクロさんと良く比較引き合いに出ていたのが生産の商社丸投げで財閥系商社さんが池袋近くや駐在席もあったなど良く聞きましたが、最近は直貿に切り替えられるようで生産、仕入はユニクロ同様、自前の方向へ進んでいるようです。

今後は匠のような職種採用もあるようですので益々企業としてのグローバル対策が進まれていると思えます。




その他のコンテンツでも「MUJIの家」を初め、休日は赤ちゃん連れヤングファミリーで行列の出来るオーガニックな「MUJI CAFE」エコロジー、オーガニックがますます台頭する世の中でMUJIさんの持たれているブランドコンセプトが、更に時代と共鳴されているように思えてきます。

昔、海外初出店のロンドンで欧米人の心を捉えた『東洋のミニマリズム』は本当の日本人が持っているクールジャパンだと改めて感じました。

 
 2012/01/06 21:04  この記事のURL  / 


業界と国の行く末は・・・
今週は2本のTV番組に考えさせられた一週間でした。

1つめは10月23日にNHKスペシャルで「中国人ボスがやってきた!密着レナウンの400日」です。アパレル業界の皆さんは見られた方が多いと思いますが、感想は如何でしたか?



国内アパレル大手の上場企業が中国企業の傘下に入り実際、中国ではどうなんだろう?と業界人なら皆、少なからず関心があったと思います。

私もやっぱり!と言う印象と同時に決して人ごとで無いと思いました。

大手アパレルの未来を想像してしまうほどリアルでしたね。
また、活字では表現できないメディアの有利性も改めて感じました。

今さらですが、市場を調べず日本ブランドを輸出しようとする日本アパレル勢と市場で勝つ事を訴える中国企業との戦略優先順位の違いが韓流ドラマのように分かりやすかったですね。



更にタイムリーな事に話題の韓国イ・ランド社にもカメラが入りデザイナーらしき方へのインタヴューでは「韓国ではこんなものは売れないが、どうでも良い事。我々は中国で売る為に造っている」と目的がはっきり見え且つ自信の有る歯切れ良さは、グローバルマーケットで先行すると言われている韓国勢の意識の違いを見せつけられました。

しかし根本的な問題は日本の大手アパレルが世界で無名な既存ドメスティックブランドの無理な輸出を諦め、新たに世界市場に向けたブランド開発をスピードを持って行うこと!だと思いませんか。

その意味では中国に負けるなで無く韓国に負けるな!なんですね。(笑)
電機業界の轍を踏まぬよう早期に立ち上げられる事を期待したいと思います。

■ネット録画

2つめは興奮した弊社社員から『放送見ましたか!』と教えて貰った27日フジTV朝の『とくダネ!』です。


確かにゲストの通産出身、京大教授の 中野剛志氏は朝からTPP問題でキレまくっていました。しかしその理由はマスメディアが正しくこの問題を取り上げていない事にあったようです。



こちらはさらに大きな問題として我々の生活に影響する事になりますが、グローバルな視点でロジカルな分析、論議をしてこなかった政治家も産業界も同じレベルのように思えました。

■YOUTUBE中野剛志先生のよくわかるTPP解説―日本はTPPで輸出を拡大できっこない!

中野剛志氏はチェックですね!アパレル業界にもアドバイスを・・・
 2011/10/30 18:00  この記事のURL  / 


ヨーガンレールはクールジャパン!
テキスタイルで有名なブランドの代表に”ヨーガンレール”さんがあります。

先日、清澄にあるヨーガンレールババグーリ本店にて「藍展」を見てきました。



以前、本社は芝浦の海が見える倉庫のような場所だったと思います。

こちらには初めて伺いましたが、緑溢れる清澄公園の前に移転され、更に蔦や草木で覆われたビルにヨーガンレールさんの自然志向が表れてます!(スタジオジブリっぽいです)



藍の布はどれも繊細かつアーティスティックな手仕事が施されてます。

中国のミャオ族・トン族、ラオスのベトナムとの国境そばにあるサムヌア地方、インドネシア スマトラ島・ティモール島・スンバ島・フローレス島、ベトナムからはモン族・ヤオ族、ミャンマーはチン族・カチン族など、様々な国と地域、民族から集められたの事です。

藍は植物の種類が多少違いますが、世界のアチコチの民族衣装に長年愛されている事がわかります。



しかし今更ながらですが、ヨーガンレールと言うブランドは凄いですね。

創業1972年に立ち上げられ40年間、トレンドを追わず天然素材一筋に『ナチュラルなライフスタイル』と言うブレないブランドコンセプトです。

しかもレールさんは菜食主義ですので、沖縄の家で採れたお茶、野菜から始まり巷で有名になった「ヨーガン レールの社員食堂」への発展も自然にブランドと一体なイメージになっていますね。

またテキスタイルデザイナーを目指す人が、イッセイグループと人気を2分し、憧れる理由には、試織を自社で織り上げ、機屋さんにオーダーする自前主義にあるようです。

それ以外にもディレクションカラーは、田中直さんなどから染料を買い社内で染めている徹底ぶりなどまさに自炊ですね。

ヨーガンレールさんはポーランド生まれのドイツ人との事ですが、日本と言う土壌(カルチャー)が有って育まれたブランドだとも解釈できますので私はクールジャパンなブランドだと思ってます。

やや余計な話ですが、親会社は住商繊維から現在のBIGIグループに移った訳ですが、これが他の大手アパレルであったらはたして今まで継続していただろうか?と良く知人達と話します。

お世話になっていたWさんでしたら2年ですね〜(笑)

同じく門外不出、創業38年、クールジャパンブランド”PINKHOUSE”もBIGIグループさんですので無理な拡大策を効さず、今まで継続された事に本当に敬意を表したいと思います。

このような欧米に無い歴史とカルチャーを持つブランドが日本にある事はこれからも重要なポイントだと思います。

もっと欧米にアプローチされても良いと思いますが・・・末永く継続される事を希望致します。

http://www.jurgenlehl.jp/
 2011/10/22 16:57  この記事のURL  / 

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プロフィール
中谷 重明(なかたに しげあき)
株式会社インターセンス 代表
アパレル時代はSPAブランドを中心に通算約50ブランドのテキスタイル開発を担当。現在、日本ならではの素材「ソザイ」造り、そしてアパレル業界の人材「ジンザイ」造りを支援する潟Cンターセンスを主宰。

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