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良いことばかりではない
 今回、IFFのディレクションに協力された阿賀岡さんが、コラムで触れられているが、欧米では基本的に独立系デザイナーになる人は金持ちの子弟・子女がほとんどだそうだ。

これは同じことをかつて香港で働いていたデザイナーも言っていた。
基本的にデザイナーは金持ちの子弟・子女が多いと。

日本だとファッション専門学校に来る生徒は金持ちの子弟もいるが、そうでない家庭の子弟・子女も相当にいる。
また独立系デザイナーでもそういう人は多い。もちろん、親が金持ち・親戚が金持ち・配偶者の実家が金持ちというデザイナーもいるが。
そうでなければ、売れもしないのに長年東コレに出品し続けているあのブランドなんてとっくに廃業・清算されているだろう。

職業選択の自由アハハン〜♪

そんなアホな歌がバブル期に流行っていた。
職業選択の自由は結構だが、実際なんでもかんでも自由だ、権利だ、では済まない。

日本では独立系デザイナーになる自由はあるが、果たしてそれが良いことなのかどうか、長年この業界で暮らしてきて疑問を感じ始めている。

欧米のように金持ちしか独立系デザイナーにはなれないという社会もどうかと思うが、つまるところ貧乏人が無理してブランドを起こして、長い間苦労をすることが良いのかどうか。
その果てに成功できればまだしも失意のうちに廃業することになるというのはどうだろうか。

門戸が広いことは良いことだと思うが、一概に門戸が広いことがすべて素晴らしいとも思えない。資本力・経済力という部分で最初にふるいにかけられる欧米の社会システムの方が、ある意味では優しいのではないかとも思う。

しかし、そういう意味では日本は欧米に比べて極めて自由度が高いと思う。
 2016/09/30 10:01  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

どれも成功しなかった
 ライトオンの決算の回復傾向が続いている。
店頭を見た感じでは常時開催されている2枚目半額セールが好調なのかと感じるが、ジーンズメイトも似たようなことをやっているがこちらは決算を下方修正しているし、ついに売上高も100億円を下回るようになってしまった。

単純に2枚目半額セールが効果があるというわけではなさそうだ。

ところで、ライトオンはライトオン業態に専念するためにフラッシュリポートを廃止する。
何度か挑戦したがついにライトオン以外の業態開発はどれも成功しなかった。

ソルト&ペッパーには期待したが、開発者が早々に退職してしまい、そのあとの展開はひたすらにグダグダしていた。
フラッシュリポートは残念ながらライトオンとの区別がつかなかった。

しかし、アダストリアホールディングスの各ブランドもあまり見分けがつかない。
ストライプインターナショナルの各ブランドも見分けがつきにくい。

ということは類似ブランドでも並立させるのは不可能ではないということである。

1ブランドで売上高1000億円になるというのはやっぱり危険だから、理想をいえばリスク分散できるほうが良い。
売上高が完全に回復できれば、資金に余裕があるうちに再度業態を開発すべきではないかと思う。
 2016/09/29 09:49  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

さてどうなる?
 テキスタイル業界は固唾をのんで見守っているのではないかと思う。

瀧定大阪が為替デリバティブで220億円の損失
https://www.wwdjapan.com/333567

記事では楽観的に書かれているが、業界から聞こえてくる状況証拠はそこまで楽観視はできないと感じる。

それに損失金額が大きすぎる。
売上高700億円くらいの会社で損失が220億円だから売上高のほぼ3分の1である。
通常の為替予約ではここまでの損失は発生しない。
グンゼなんかも為替予約で損失を出しているが20億円とか30億円とかいうレベルであり、今回の損失はその10倍なのだから、ガチの投機に失敗したとみるべきではないだろうか。

テキスタイル関係業者から送られてきた書類を見せていただいた。
A4用紙1枚だけだったからWWDの記事以上のことは何も書かれていない。

生地事業のスタイレムは黒字なので、そこに専念するというようなニュアンスのことが書かれていたから、製品ブランド事業は早晩売却するのではないかと推測される。
決算発表から見てもわかるようにブランド事業そのものは赤字続きである。だから売却するとしても高額で買われる可能性はほとんどない。かなり安く買われるだろう。

さてどうなることやら。
 2016/09/28 08:12  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

低価格代替品
 防水透湿のゴアテックスという素材がある。
このゴアテックスを使ったウェア類は非常に高額になる。

一方、ほぼ似たような機能がある素材がユニクロが使用するブロックテックである。
これだとパーカは7990円で手に入る。

他のユニクロ製品に比べたら高額だが、ゴアテックスに比べると低価格であり、普通の人間が買える範囲である。

水沢ダウンは10万円くらいするけれど、同じ止水テープを使ったユニクロのシームレスダウンなら1万5000円くらいで買える。

これが低価格代替品の脅威である。

衣料品業界の人は低価格代替品を追放しろというキャンペーンに走りがちだが、はっきりいって無意味である。
逆にどうして低価格代替品が悪だと決めつけられるのだろうか。

彼らが使っている家電も自動車もすべて低価格代替品が普及している。
低価格代替品は必ずどのジャンルでも生まれる。
そうでなければ、液晶テレビはシャープのアクオスしかなかったり、スマホはiPhoneしかないという世界になってしまう。

そんな状況はありえない。
 2016/09/27 11:07  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

市場規模を見極める
 物事には価格の限度というものがある。
10万円もするような洋服はそんなにたくさんの枚数が売れない。
ユニクロ価格ならだれでも買えるから10万枚〜100万枚くらいの大ヒットが可能になるが、10万円の洋服を買える人間の数は少ない。
世界全体を相手にするなら10万枚くらいの販売は可能だと思うが、日本国内限定だとそんな枚数は売れない。

20万円の気仙沼ニットがどれだけの枚数売れているか。
せいぜい200〜300枚くらいだろう。
あれを真似したブランドを他産地で立ち上げようとする人がいるが、無理だろう。
あの価格帯の産地ニットブランドは二つは共存できない。

例えば、「バカ売れしている」と報道される国内スポーツメーカーのオリジナルダウンジャケットがある。
価格は8万円〜12万円だ。

しかし関係者に聞くと、そのダウンは年間8000枚の製造が限界なのだそうだ。
工場設備の関係もあってそれ以上は製造できないそうだ。

そういう限界を取っ払ってもあと2000枚も売れれば御の字ではないか。
年間10万枚売れるとはとても思えない。

となると、この価格帯の洋服は1万枚弱の販売が限界なのではないかと思う。

それを買える人間の人数=市場規模を見極めて販売計画を作るべきである。
バブル期なら無理をしてでもそれを買う人が多かったと思うが、今の社会では洋服にそこまでの価値を見出している人間は少数派であり、ファッションがサブカルだと称される所以だ。

街中で着用するなら、その廉価版だと称されるユニクロのシームレスダウンで十分である。
シームレスダウンなら定価で15000円弱、値引きされれば8000円程度で買える。
そういう低価格代替品が溢れているのが今の社会であり、低価格代替品を排除することなど不可能である。

そんなことができると思っているなら本当のバカ者だろう。
 2016/09/26 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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