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価格以外の価値
 小規模専門店にはこんな悩みがあるそうだ。

例えばAというブランドを扱っていたとする。当然、全国には他にもAブランドを扱っている小規模専門店がある。
それらすべてにAブランドの値段(店舗独自の値引きをしているかどうか)とか在庫がどれくらいあるかを問い合わせして、そしてネットで再度検索して一番安いネットショップで買う。
こういうことが増えているらしい。

小規模専門店の頭痛の種になっているようだ。

だからと言って、Aブランドの取り扱いを止めれば良いか、どこよりも値引きして売れば良いのかというと、話は違う。

もし、自店で買って欲しいのなら、自店で買ってもらうための売り方が必要になる。
価格競争に持ち込むのも一つの手だが、価格競争をしたくないというのであれば、自店の「価格以外の価値」を消費者に伝えるほかない。

その「価格以外の価値」とは何かというと店舗によって千差万別だし、それは店主が考えるべきだろう。自店の強みとは何かである。

人気ブランドを並べていたら売れるという時代ではなくなったし、今後も二度とそういう時代は戻ってこない。
それを考えられない小規模専門店は市場から退場するほかない。
 2015/10/30 09:46  この記事のURL  /  コメント(2)  / トラックバック(0)

廉価な代替品の登場は当たり前
 ユニクロ悪玉論を唱える業界人は多い。
フェイスブックにもそういう意味のわからない書き込みをする人が山ほどいる。
あまりに会話が成り立たないようならサクっと削除する。

彼らの言い分としては「安い商品を大量に作って世間を席巻したユニクロのおかげで業界が苦しんでいる」ということらしいが、それは業界が努力不足だっただけのことではないのか。
ユニクロのおかげでワールドやらTSIやらが苦しんでいるというなら、それはユニクロが悪いのではなく、ワールドやらTSIやらが努力不足だっただけのことである。

どんな商品にも必ず「廉価な代替品」は登場する。
廉価な代替品が登場することで製品は大衆に行き渡る。
自動車しかり、パソコンしかり、携帯電話しかり、家電製品全般しかりである。

廉価な代替品が登場しなければ、自動車は今でも富裕層限定の所有物だっただろう。
パソコンも携帯電話も家電製品すべてそうだ。
冷蔵庫、洗濯機、テレビ、DVDレコーダー、ビデオデッキ。

衣料品だけがどうしてそこから免れ得るのか。
衣料品も工業製品なのだから廉価な代替品が登場するのは至極当然である。

衣料品だけが別だと考えるなら、それはよほどおめでたい思考の持ち主だろう。

ユニクロに恨み言を言ったところで現状は何も変わらない。
それよりも廉価な代替品に負けない商品づくり、売り方を考える方がよほどマシだろう。

 2015/10/29 10:22  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

残された寿命はあまりない
 ファッション系のメディア(紙、ウェブを問わず)がやたらとメジャーブランドばかりを取り上げたがる体質はどうにかならないものか。
購読数とか閲覧数が多ければ多いほど広告営業しやすいから、そういう姿勢になるのは仕方がない側面もあるが、メディアがその姿勢だとメジャーブランドはずっとメジャーだし、マイナーブランドはずっとマイナーなままである。

それで良いのだろうか?

次代のメジャーを育てる必要もあるのではないか?

メジャーなブランド、トレンドのブランドばかりを取り上げていればメディアも同質化を起こす。
もうすでに起こしている。

同質化すれば規模の大きいメディアが勝つ。
小資本の弱小メディアはつぶれるのみである。

まあ、メディア側もアパレルやブランドと同じ状況に陥っており、両社とも残された寿命はあまり長くないだろう。

 2015/10/28 10:11  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

似非食通
 毎シーズン、新ブランドは無数に立ち上がる。
大手企業なら資本力に物を言わせて、すぐさま直営店を出店すれば良いのだが、そうでないと専門店やセレクトショップへ営業して卸売りを始めることになる。

まあ、最近だとウェブで直販するという手もある。

専門店やセレクトショップへ営業した場合、新ブランドはまず断られる。
なぜなら各店とも売上高が減少していて経営が厳しいから海の物とも山の物ともしれない新ブランドなんて怖くて扱えないというのが彼らの理屈である。

で、安全パイである実績のあるブランドを扱いたがる。
その結果、同質化を起こすことになる。
その同質化を打破するために別注頼みの品ぞろえとなる。
悪循環である。

で、凡百の専門店やセレクトショップは新ブランドに「デザインでのインパクト」を求める。
今の世の中、インパクトのない商品を並べていても売りにくいというわけだ。
しかし、デザイン面で下手にインパクトを持たせると、イロモノブランドみたいになってしまう場合がある。
ブランド側は過度にそういう要望に応えるべきではないだろう。

しかし、リゾルトのようにベーシックな新ブランドでありながら争って取り扱いたがることもある。
リゾルトの場合は、あの林芳亨さんが手がけているからだ。

結局、ベーシックな新ブランドでも有名人がやれば導入したがるわけで、凡百の専門店とかセレクトショップは服そのもので判断せずに、ブランド名とか手掛ける人とかで判断しているということになる。

まるでラベルを見るだけでワインを判断する似非食通のようである。
 2015/10/27 09:55  この記事のURL  /  コメント(3)  / トラックバック(0)

別注頼りはブランド頼り
 有名ブランドの別注品ばかりそろえている大手セレクトショップがあるが、あれはあまり評価できない。

たしかにそのセレクトショップの販売力と資金力はわかるのだが、結局のところ、ブランド頼りの売り方をしているわけである。

ブランドメーカーからすると100枚とか200枚をまとめて発注してくれるか別注品を作るわけであるからその店は販売力とそれを買い取る資金力があるということになる。
小規模専門店ならせいぜい5枚ほど発注してお終いである。

しかし、店の売り方としてはどうなんだろうかと思う。
別注ばかりそろえているというのはブランド頼りではないか。

人気ブランドは欲しい、でも希少性の高い商品もほしい。

この矛盾を両立させるのがブランド別注だと思う。
しかし、裏を返せば、その商品があればその店は要らないということである。

販売力と資金力は評価できるが、消費者は同じ商品があるなら、その店で買わなくても良いということである。
もし、まったく同じ別注商品が何社かに配布されたら、流動する消費者は多いだろう。

安易にブランド別注に走ってばかりいる店は、店としては評価されていないということになる。

同じ商品を同じ価格で売って、それでも何とか差別化を考えている本屋の取り組みを、そういうセレクトショップは見習うべきだろう。
 2015/10/26 10:19  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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