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労力の無駄遣い
 現在は売上高を追求する時代ではなく、利益を追求する時代だといわれる。
例えば100億円の売上高があったとして、利益額が100万円しかない企業よりも、
50億円しか売上高がなくても利益額は1000万円ある方が良い。

そんなことは常識として定着してると思うのだが、業界のエライさんにはまだまだ売上高のみを追求しておられる方も多い。

先日もちょっと驚いたのだが、中価格帯の商品を売って高利益を稼ぐよりも低価格品を売って利益は低いけれども莫大な売上高を稼いだ方が良いと考えておられる方がおられた。

まったく理解できない。

極端な話、3900円の商品を1000個売って20万円の利益を稼ぐよりも、1900円の商品を10000個売って15万円の利益を稼ぐ方が良いと考えている人がいる。

個人的には労力の無駄遣いにしか見えないのだが。
こういう考え方は得てして量販店向けアパレルに多い。
 2014/09/30 12:41  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

17年間見てきて
 子供服合同展「あか あお きいろ」が盛況に終わったと報道されている。
東京展の来場者数はそれほど多くなかったようだが、神戸展の来場者数は過去最高を記録したとされている。

一方で、凋落著しい子供服合同展もある。
もう15年近く続いているが、今9月の大阪展の出展者数は10数社にとどまっている。
ほんの5年ほど前までは大阪展といえども30〜40社は出展していたのに。

97年以来、子供服業界を見ていると、子供服合同展は定期的に凋落を迎える。
だいたい10年周期だろうか。
そしてそのころに新興合同展が立ち上がり、出展者はそちらへ移動するということを繰り返している。

筆者が見るところ、子供服業界というのはけっこうアクの強い人が多い。
とくに年商5億円未満の小規模メーカーが乱立している。
その中には破綻したところも多いが、17年経っても変わらずに続いているメーカーもけっこうある。

そういうところはだいたいオッチャンかオバチャンが一人か数人で運営しているのだが、メンバーはあまり変わらない。当然、みんな17歳年を重ねていて、もう初老と呼ばれる年代に差し掛かっている人も多い。

子供服合同展が定期的に凋落するのは出展メンバーがあまり変わらないのと、それぞれのブランド運営者もメンバーが変わらず、年齢を重ね続けるからではないか。

人間、40歳を越えるとそれなりのキャリアがあるから、何となく業界のベテランという位置付をされてしまう。
で、それなりに頑固さも増しているから、主義主張が激しくなる。

展示会自体が好調なときはそれでも何とか乗り切れるが、一旦不振に転じると、軋轢は増す。
そして展示会の運営メンバーも分裂してしまう。

17年見てきてそう思う。

 2014/09/29 10:04  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

長所と短所は表裏一体
 昨今、アパレルやインテリア業界に見切りをつけて、産業資材分野に進出したがる生地メーカーが増えた。
単価は安いが、驚くほど大ロットの注文がもらえる業界である。

このロットに匹敵する受注はアパレル業界ではユニクロくらいだろうか。

先日、ある生地メーカーとお会いした。
数年前から活発に産業資材へ進出しておられた。
今年の商況を尋ねたところ、これまで大口の注文をくれていた先からの発注がほぼゼロになったのだそうだ。

理由はこれまでと違う技法で製造するようになったからだそうだ。
その技法は始めたばかりなので今後、不具合が出て、元の技法に戻る可能性はあるものの、先行きは不安である。

こういう事例を見ると、産業資材という分野も怖い。
いきなり新技法が確立されて、これまでの受注がゼロになってしまう。
なまじこれまでのロット数が大きかったから、工場にとっては大打撃である。

アパレルはロットが小さいから1社くらい注文がなくなっても工場のラインへの影響は軽微である。

単価が安いこと以外は良いこと尽くしの産業資材だが、こういうデメリットも存在する。
何事にも長所と短所はあるものである。
 2014/09/26 09:39  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

自社の強み
 製造業が製造部門を捨てることが本当に有効な手立てなのだろうかと疑問を抱く。
ここでいうのは繊維製造業者のことである。

いわゆる機屋や編み地屋が設備と工場を手放すケースがある。

手放した後に何をするかということが重要になるし、その事業を動かすのが誰かということがもっと重要になる。

設備を手放し、生地企画屋として活動している企業を何社か知っている。
いわゆるデザイナーではない。生地を企画して協力工場で織ってもらい、それを自社の生地としてメーカーへ卸す。
そういう事業である。

これはある程度成功する可能性が高い。

なぜならこれまでやっていたことの延長線上だからだ。
製造するのが自社工場ではなく、協力工場になるだけの話だ。

一方、設備を手放し、いわゆる企画屋とか、小売業とか、アパレル業へ転身しようとする場合もある。

正直にいうとこの場合は成功するのはかなり困難だと感じる。
とくに事業主が変わらない場合はほぼ不可能に近いだろう。

一時期、某織布工場が設備を手放して、生地企画とブローカー的事業展開を模索していたと耳にしたことがあったが、事業主がこれまでの社長のままでは到底成功することは難しかっただろう。このプランが撤回されたのは幸いである。
なぜなら、これまでの社長は製造業のやり方が体に染みついている。小売業とかアパレル業をやるならそういう性質のままでは立ち行かなくなる。

それが20代や30代の若い社長ならまだ軌道修正も可能だろう。

しかし40代以上になるとそうはいかない。三つ子の魂百までである。

工場の設備や付帯する人件費はたしかに重荷ではあるが、物を作れることがその会社にとっての強みではないのかと外野からはそう思える。

自社の強みを的確に分析できる企業はほとんどない。
 2014/09/25 09:40  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

諸刃の剣
 ようやくSTAP細胞を巡る騒動も沈静化した感じがする。

あの一連の騒動を見ていて、専門的知識が必要な事例を、一般向けに容易に拡散告知してはイケナイと改めて感じた。
あのチームは、のっけから、割烹着だとかピンク色の研究室だとかムーミンだとか、科学とは無縁の方向性を強調した。
目的は広く一般メディアに取り上げてもらうためである。

科学分野の報道というのは、世紀の大発見であっても通常のメディアはひどくあっさりと流す。IPS細胞だってノーベル賞を取っていなければ、サラっと流されて終わりだっただろう。

STAP細胞の発表とほぼ同時期に、「がん細胞を通常細胞に変化させることに成功」という素晴らしい事例が報告されたが、これを今でも覚えている人はほとんどいないだろう。
それほど科学分野の報道はあっさりと流され忘れ去られるものである。

それをよくわかっているからこそ、STAPチームはあのような広報戦略を採ったのだろうと推測される。
狙い通り、一般メディアが大々的に取り上げてくれた。

しかし、直後に暗転する。
論文コピペ問題が発覚したからだ。
論文で他者論文を引用することは通常である。
普通は、引用元も明記する。
これをしていなかったことは決して「単純なミス」ではない。
論文を初めて書いた学生ならいざ知らず、論文を書くことが仕事である研究者がそんな初歩的なミスを犯すことは考えにくい。

一般メディアで広く取り上げられてしまったものだから、これに対する批判も広範囲から受けることになる。
ゴシップ週刊誌までが取り上げる騒ぎである。

こうして見ると、本体とはあまり関係のない枝葉末節部分をクローズアップしたり、過剰演出することで一般メディアに広く取り上げられることはこれほどに危険だということがわかる。

まさに諸刃の剣といえる。
繊維・アパレル業界も他山の石とすべきだろう。
 2014/09/24 10:33  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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