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素材はどんどんチープに
 夏物と比べると冬物は素材の良しあしが目につきやすい。

夏物は軽衣料中心だし、もともと薄手の生地が多く使われている。
それでも国際的に原料高になっているため、Tシャツやポロシャツは年々生地がペラペラになっている。
かつては高品質と言われたユニクロでさえTシャツやポロシャツは年々生地が薄くなっている。今では値段相応に見える。

冬物は重衣料だし、厚手生地が使われていることが多かったので素材の良しあしがモロに出る。ウールも原料高なので各社とも節約しており、メルトンコートはペラペラになるし、ファインゲージのセーターも生地がペラペラになっている。

かつてマフラーは3900円以上の商品はウール素材だったが、今では5900円なのにアクリル100%の商品なんていうのがざらにある。
GAPのマフラーは以前はウール中心だったのに、2013秋冬のマフラーはアクリル100%ばかりである。

このままどんどん素材がペラペラ、安物になっていけば、それに消費者も慣れてしまい、「良い物がわかる消費者」なんてどんどん減っていってしまう。

原料高が背景にあるとはいえ、それでよいのかどうか、業界を挙げて考える必要があるのではないか。
 2014/01/31 00:19  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

巧妙な擬態
 業界には各工程にブローカーさんが存在する。
ブランドブローカー、生地ブローカーというふうに。

ブランドブローカーはアパレル関係者はすぐに見分けられるが、生地ブローカーになると製造をしらない人は見分けることができない。
そして生地ブローカーは巧妙に己を生地工場や生地メーカーに擬態する。

往々にして東京のアパレルは他地方のアパレルよりも物作りに関しての知識が少ない。
そのため、生地工場に擬態した生地ブローカーを信用しているケースがけっこうある。

生地ブローカーは生地のブローカーに過ぎないから、製造設備を持っているわけでもなく、工場に対して自分の企画を自分のリスクで発注するわけでもない。
あくまでもブローカーである。

生地工場の人が東京のアパレルを直接営業することもある。そうした場合、擬態したブローカーを信じ込んでしまっており、「うちは○○という生地メーカー(実はブローカー)と取り引きしているから要らないです」と答える。生地工場の人が「○○はうちから生地を仕入れているんですけど」と言っても理解できないようだ。

はっきり言えば、そのブローカーを飛ばして直接取り引きすれば、ブローカーのマージンを節約することができ、製造原価はより安くできるのだが。

ブローカーすべてが不要とは決して言わないが、擬態したブローカーを信じすぎるのも問題である。
 2014/01/30 09:54  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

都心のオアシス
 不振続きだったJR大阪三越伊勢丹の縮小が決まった。
まあ、屋号さえ変える可能性があるというのだから事実上の撤退である。

ファッションブランドの多くは大丸梅田と阪急うめだ本店の両方に出店しており、あの近さの場所にもう一つ出店するというのはどう考えても不可能である。
現実に知り合いのブランドも「大丸と阪急に出しててあの近場にもう一つ出すのは無理」と3年前から話していた。

そんなJR大阪三越伊勢丹だが、惜しむ声も周りから聞こえる。
筆者も含めて評価している点は、いつ行っても混雑しておらずゆったり休憩できた点である。
まあゆっくり買い物ができたと評価する人も数人は知っている。

いずれにせよ、平日夕方だろうが、祝日の昼下がりであろうが、グランフロント大阪と阪急が立錐の余地もないほどごった返していようが、いつも混雑していなかった。
人混みが苦手な人たちからすると都心のオアシスのような存在だったといえる。

失敗の要因はさまざまあるが、大阪人の伊勢丹に対する期待感の高さもそこには含まれている。
阪神タイガースに現役バリバリのメジャーリーガーが移籍してくる。くらいの期待感があった。

ところが実際に移籍してきた選手はそうではなかった。
メジャーリーガーかもしれないが、ベンチ要員だった。そんな感じである。

大阪人は意外に純情だから「あの新宿本店みたいな伊勢丹がやってくる」とワクワクしていたが、実際は新宿本店とはまったく別物がやってきたのだからそこに失望感が広がった。

まあ、なにはともあれ、貴重な都心のオアシスがなくなるのは残念である。
 2014/01/29 09:35  この記事のURL  /  コメント(2)  / トラックバック(0)

気温は重要
 衣料品というのは気温の高低に売れ行きが左右される。
売れ行きが悪くても天候のせいにするなとは言われるが、実際に暑ければ秋冬物は売れにくいし、寒ければ夏物は動かない。

昨年秋の気候でいうと、11月10日ごろまで暑い日が続いた。
このため秋物の売れ行きは全般的に芳しくない。
最近は寒い春が多い。4月半ば過ぎまで寒い日が続くことがある。
こうなると春物はあまり売れない。

気象庁は全国各地の毎日の最低気温と最高気温を発表している。
これを記録していき、数年単位で見比べるとおおよその気温の変化がわかる。
膨大な作業だが、無駄にはならない。

一日単位で前年と比較すると気温差があるが、1年間をつなぎ合わせてみるとだいたい同じような気温の変化のカーブになることに気が付く。

その気温の上下に合わせて商品政策を組み直せば、売れ行きが気温に左右される率も減るだろう。

トレンドガーとか、テイカカクガーとか叫んで右往左往しているよりは気温グラフを見比べる方がよほど商売には有益だと思うが。

 2014/01/28 09:34  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

平和な場
 一般紙の記者と同席する会見が何度かある。

だいたいの場合経済部記者が出席しておられるのだが、半分以上は意図の良く分からない質問が飛び出す。

先日、あべのハルカスの専門店街「ソラハ」の会見に出席したが、某大手新聞社の記者から「ソラハと同じ近鉄が運営する「パッセ」のテナント重複率はどれくらいですか?」という質問があった。

小売や流通を少しでもご存知ならお分かりになるだろうが、
ファッションビルや商業施設に入店するテナントはほとんど全国一律化しており、そのビルだけの独自のテナントなんてほとんどない。
仮に「国内初出店」と大々的に打ち出すテナントがあったとしても半年後、1年後には2号店、3号店が開店している。

そういう状況でテナントの重複率など尋ねたところであまり意味はなく、7割方同じですというような答えが返ってくるに決まっている。

記者会見というとどんな鋭い質問が飛ぶかと想像しておられる方もいるかもしれないが、我が業界ではこんないささかピントの外れた質問が飛び交う平和な場なのである。
 2014/01/27 10:38  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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