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来年も良いお年を
 先日、某セレクト型SPAの幹部とお会いした。
「より安く」という風潮は底打ちしたと彼は見ている。今から価格上昇させることも可能だと見ている。
しかし、価格を上げるためには「倍くらいの品質の高さが必要になる」とも見ている。

たしかに去年、今年と原料高騰の影響もあり、数年前と比べて使用素材は明らかに劣化している。10年前の商品とは比べ物にならない。
ウールメルトンも綿フライス、綿天竺、綿鹿の子もペラペラである。
今年は特に円安の影響もあったのかもしれない。
ちなみに先日の繊維ニュースによると、カシミヤの原料価格がまた上昇したそうである。
来年のカシミヤニットはさらにペラペラになりそうだ。

こうなると、品質を倍良くすると、価格は倍以上にならざるを得ないのではないかと思う。
それを倍より少し下で抑えることができれば「割安感」「お値打ち感」が出るだろうが、そのオペレーションの確立と素材の選択眼を養うことは生半可では厳しい。

とくに「良い物に触らずに育った」とされる若いバイヤーや企画には至難の業だろう。

おそらく、現在の店頭商品を見ても「この素材の何が悪いのかわからない」という若い人も多いだろう。価値を上げるためにはまず社員教育から必要になる。
それは、今まで価格競争とコスト削減にのみ血道を上げてきた業界全体のツケだろう。

まあ、そんなわけで皆様、来年も良いお年を。
 2013/12/27 10:13  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

安くしても2枚は売れない
 めがねフレームとして活用されているアセテート(セルロイドではない)部材を使って、耳かきが昨年秋に製造された。
1年間で14000本を販売するヒット商品となっているが、価格は3900円である。
耳かきとしては破格に高いがそれでも高額という価格帯ではない。だから売れたのだろう。

さて、この売上金額はいくらかということを計算すると5600万円弱である。

筆者のような徒手空拳の輩が5600万円の売上高を作るということは至難の業だ。しかし、物販や企画製造において5600万円という数字は決して大きくない。

何が言いたいのかというと単価を安くすればいくら本数を売ろうと売上高は稼げないということである。
「何を当たり前のことを」と思われるかもしれないが、その当たり前のことをできていないのがアパレル業界ではないのか。

安くした方が売れ易いが、買い上げ枚数は増えない。
セーターが3900円に値下げされたところで、要らない色柄まで買おうとする人間は現在存在しない。
「私は深緑が似合わないし、めったに着ないと思うけど買っておくわ」なんて人は今はいないだろう。
筆者の亡くなった母親はちょうどバブル期に40代だったのだが、そのころは上のような買い方をしていた。

そういう買い方をしていたのはバブル期までだろう。

こうなるととりあえず値下げして売上高を稼ごうというのは通用しなくなる。
半額にすれば2枚買ってもらってやっと売上高が前年維持できるのである。
これが1枚しか買われないと売上高は半減してしまう。
そして今の消費者は安くなったから2,3枚買うという買い方はしない。

なら、値下げセールを乱発したところで無駄な話だし、利益率も圧迫する。

そろそろ、値下げ信仰も捨てなくてはならない。

 2013/12/26 09:36  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

駆け込み需要
 世の中はクリスマスである。
今日の夜には食品スーパーは正月準備用品の特集に様変わりする。
この変わり身の早さが素敵である。
食品スーパーだけではない。百貨店も量販店も家電店もみな一斉に様変わりである。

それはさておき。

昨日、天王寺MIOの5階メンズフロアに立ち寄った。
5時すぎだったのでそれほど混雑していなかった。ちなみにプラザ館ではなく本館である。

フロア全体も混雑していないし、各テナントも当然混雑していないのだが、10坪くらいの帽子・バッグ・マフラーなどの小物雑貨専門店だけがやたら混雑していた。
メンズフロアだというのに20代前後に見える女性客ばかりなのである。

その専門店はバッグだと比較的高価な物もあるが低価格品も多く、帽子だと定価1900円の商品が夏冬のセール時には半額に下がるという特徴がある。当然、筆者も何度かそのバーゲン品を買ったことがある。
ウエストポーチもかつて1900円くらいで購入したことがある。マフラーも低価格品が多い。

筆者は最初、何故ここにこれほどの女性客がいるのか理解できなかった。
普段はあまり女性客がいないからだ。

そして昨日がクリスマスイブだということに気が付いた。
「ああ、彼女らは今夜渡すためのプレゼントを駆け込みで購入しているのだな」と。

バブル期の法外な高額プレゼント交換なんていうのは論外の風潮だと思っているが、昨今の若者はこういう店でプレゼントを購入しているのかと改めて知った。
バブル期から見るとなんとも質素になったものである。

若者の生態が垣間見えたクリスマスイブだった。
 2013/12/25 10:11  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

まさに自業自得
 アパレルのパクリ問題について思うのだが、どうして特徴的な色柄をそのままパクるのだろうか。

例えば筆者はドクロと大麻の葉っぱの小紋柄を刺繍したスエットパーカを持っている。
これを着ていると「ルシアン・ペラフィネですね」と言われるが冗談じゃない。貧しい筆者にあんなものが買えるはずもなく、30年前はトレンド最先端だったが、最近では業績の厳しい低価格専門店で購入した物である。
価格は値下がりして1900円くらいで、数年前に購入している。

ドクロが白、大麻がショッキングピンクの糸で刺繍されているのだが、なぜ、ドクロと大麻にする必要があったのだろうと思う。

たとえば、同じ色の糸を使っても、丸型を白で、星型をショッキングピンクで刺繍しても良いではないか。柄のピッチはそのままでもずいぶんと印象は変わる。
少なくとも丸パクリではない。

以前、RBTというブランドの個性的な柄を某アパレルが丸パクリしたことがあるが、これだって図柄を変えて似たような配色にすることは可能だったはずだ。特徴がありすぎる柄をなぜ丸パクリする必要があったのか理解に苦しむ。

企画する人間にも企画としてのプライドはないのだろうか。
また企画に指図する営業だか販売だかの人間にも最低限のプライドはないのだろうか。
こんな安直な企画を決済する上層部も何を考えているのだろうか。

こういう体質が蔓延している限り、アパレル企業が復活することはないし、消費者のファッションへの憧れなんて蘇ることもない。アパレル不振・ファッション不振はまさしく自業自得である。
 2013/12/24 10:10  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

またですか
 某外資系SPAブランドの日本企画が廃止されたと耳にした。
たしかに今春夏からアイテムのデザインがイマイチだと感じるようになった。
噂では売れ行きが芳しくないらしい。

一方、某海外ジーンズブランドは細々と続けてきた日本企画を来年は再びある程度拡大するとも耳にした。しかし、このブランドは3年ほど前にバッサリと日本企画を減らした実績がある。

いつも思うことだが、どうして外資系企業は3年おきくらいに日本企画を廃止したり再開したりするのだろうか。

もちろん、海外からすれば日本独自企画が存在すること自体が非効率だと映るということは理解している。さらに経営者も3年程度でコロコロ変わるから、前任者までの情報の引継ぎができていないだろうことも理解できる。

しかし、3年周期で日本企画を廃止して、売れ行き不振で再開するというサイクルを何回繰り返せば気が済むのだろうか。
その程度は前任者と情報共有すべきではないか。

日本的経営にも問題点は多数あるが、海外の経営にも問題は多数ある。
一方的な海外経営手法の賛美は国内企業にとってマイナスの効果しかもたらさないだろう。
 2013/12/20 10:49  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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