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古典世界とは別物
 先日、某伸び盛りの企業の社長に中国市場について語ってもらった。

その社長は「反日国の中国よりも、親日国が多く経済成長が始まっているアセアン諸国への出店を優先する」という見方を示した。
また、日本のアパレル、小売企業の中国進出の歴史について、ヤオハンジャパンが破綻した頃までが、「第1世代」で、その後進出したのが「第2世代」であり、その第2世代もほとんどが失敗し、現在中国で頑張っているのが「第3世代」だと見ているそうだ。

しかし、中国景気も減速しており、今後さらにムードが変わるため「第4世代」の中国進出が始まり、彼が中国へ進出するのはそれからになりそうだ。

90年代半ばからワールドやオンワード、イトキンなどの総合アパレルが中国市場へ進出したが、いずれも結果は失敗に終わったと言って良いだろう。これが社長のいう「第2世代」ということになる。

年配層には中国への親近感を口にされる方が多いが、それはかつての中国古典に親しんだ方が多いからだろうか。
しかし、文化大革命で中国古典は否定されており、現在の中華人民共和国は古典に描かれた国とは別物であると強く感じる。

これは某親中のコンサルタントですら、「中華人民共和国は60年の伝統しかなく、古典を描いた国とは精神的に別物です」とおっしゃっている。
中国市場への見方は、先日話を伺った某社長に強く共感する。

 2013/09/30 10:03  この記事のURL  /  コメント(2)  / トラックバック(0)

手のひら返し
 某産地企業は、デザイナーから出てきた柄を必ず否定する。
産地企業がこれまで作ってきた柄は定番化しているので、新しい風を求めてデザイナーに依頼しているはずなのに、新しい柄が出るたびに「こんなのは売れない」と必ず否定するわけである。

しかし、展示会に出してみると、やはり新柄は好評な場合が多い。

するとこの社長は「いや、初めて見たときからこの柄は売れると思ったよ」と手のひらを返す。場合によっては「ワシも最初から良い柄だと思っていた」などとおっしゃる。
横で聞いていると思わず笑ってしまうのだが。

こういう取り組みには慣れていないだろうから、初回に否定的な言動になることは十分理解できる。しかし、2回目、3回目ともなれば前回、前々回の成功事例もあるわけだからもう少し肯定的に見ることができるはずだと思うのだが、それができない。不思議である。

で、展示会のたびにそれなりに好評で、そのたびに手のひらをお返しになるのだが、よくよく話し込んでみると、「最初から良いと感じていた」と本気で思いこんでおられる節も感じる。ずいぶんと都合良く記憶を改竄できるものだと驚き、呆れはてるが、ある意味でこれがこの社長の強みなのかもしれない。

理解はまったくできないけれど。

 2013/09/27 10:27  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

自然な流れ
 洋服オタクが少なくなった理由の一つに、廉価ブランドの見た目がそこそこ良くなったという点が挙げられるだろう。

ユニクロのおかげなのか、無印良品のおかげなのかわからないが、高額なデザイナーブランドやインポートブランドを買わずともプチプラブランドをいくつか組み合わせるだけでそれなりのコーディネイトが可能になる。

むかし、バブルが終わった直後くらいに今は亡きブランド「アトリエサブ」のスーツを買ったことがある。ソフトスーツの流れを汲むゆったりとしたシルエットだが、シングルの3つボタンだった。その当時でもダブルはちょっと廃れかけていた。
色は黒無地である。

その当時、黒のスーツが欲しくていろいろと探したのだが、青山とかはるやまとかで黒無地のスーツは略礼服しか売っておらず、いくら安いとは言え、それを買う気にはなれなかった。
このスーツはバーゲンでも6万円くらいしており、定価は10万円近くしていた。
筆者のような人間でもこれくらいの買い物を当時はしていたのである。

その後、2プライススーツショップの先駆けとしてスーパースーツストアが誕生した。そのころにはスーツのシルエットも細身になっていた。
このスーパースーツストアには19000円で、黒無地のスーツがふんだんに並んでいた。

筆者はそこからスーツを2プライススーツショップで買うようになってしまった。
今では西友とかヨーカドーとかイオンなどの量販店でスーツは1万円均一、7000円均一、5000円均一の時代である。
それらはパっと見た瞬間にチープ感はあるものの、そこまで変でもなく、ユニフォーム代わりにスーツを着用する職種の方ならありがたいだろう。

カジュアルにしたってそうだ。
筆者は23年前にジャスコかイズミヤかでオリジナルのジーンズを1900円で買ったことがある。さすがにリーバイス501とは比べ物にならないほど一見しただけでチープ感が漂っていた。

今はどうだろうか。ユニクロの3990円ジーンズはそこまでチープには見えない。

こうなると、わざわざ高い金を払って有名ブランドを購入する必要性を感じなくなる。

洋服オタクが減るのは自然な流れといえるだろう。

 2013/09/26 09:52  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

ステマ発見
 一頃、芸能人のブログでのステマが話題となった。
メーカーなり代理店なりから広告料金をもらっているのに、広告ではないような書き方で商品やサービスをブログで紹介するという手法だ。

こういうステルスマーケティング、通称ステマはテレビドラマや映画でも数多くある。
不自然にある国の国旗が画面の隅に映っていたり、設定が変わっていたりといった具合だ。

先日、テレビ地上波で映画「ザ・ラストメッセージ海猿」を見ていた。
海猿シリーズはほとんど見ているのだが、この完結編は見ていなかった。

天然ガス海洋プラント「レガリア」で事故が起こり、それを救出するというのがあらすじなのだが、この「レガリア」は日韓共同開発されたという設定である。おまけにロシアから技術供与されているという設定もついている。

映画を1時間半ほど見ていたのだが、そこに韓国やロシアが絡んできて救助に協力するというストーリーでもない。
どうして「日韓共同開発」という設定にする必要があるのか理解に苦しむ。

別に「日本が開発したプラント」で事足りるのではないか。
しかも「1500億円を投入した日本の国家プロジェクトだ」と劇中、登場人物に話させているわけだから、日韓共同開発という設定を作る意味がない。

これこそ韓国ステマの代表だろう。

というわけで1時間半くらいで視聴を打ち切った。こういう不自然なステマを採り入れている限りは視聴者の信用を回復することは難しいだろう。
 2013/09/25 08:09  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

普遍化・拡散するのは当然
 先日、アーバンリサーチの竹村幸造社長に久しぶりにインタビュー取材をさせていただいた。

その中で社長は「2000年に入ってから洋服オタクが激減した」と指摘された。
90年代後半まではたしかにそんな人種がいた。
社長が指摘される「洋服オタク」とは、少ない収入でも食費や遊興費を切り詰めて金を貯めて、毎シーズン有名ブランドの最新作を何着か購入するような人のことである。

実は同じ内容を、「スーヒライ」ブランドを展開するデザイナー平井達也さんも指摘されたことがある。

たしかに現在、そこまで洋服にお金をつぎ込む消費者は少ない。
ファストファッションだけのせいではないが、そこそこに安くてそこそこにトレンド感があって、それなりの表情に見えるブランドが巷には溢れている。
だったら、わざわざ高額な有名ブランドを買う必要はない。お得ブランドを複数組み合わせればそれなりの着こなしが毎シーズン楽しめるわけである。


だから、個人的には今の風潮は十分理解できてしまう。
「服に金をかけない若者が悪だ」とはまったく思わない。


竹村社長はこの現象について「以前はファッション情報はオタクやマニアのような一握りの人に最初に伝わったが、今は瞬時に大衆に情報が行き渡る。ファッション情報が普遍化・拡散していると見ることができ、それは当然の流れ」と言い切る。

たしかにいくら90年代以前の風潮を懐かしんでみたところで、その時代に戻すことはできないのである。

単なる価格競争ではなく、そういう消費者に対してどれだけ付加価値を感じさせる取り組みが必要なわけなのだが・・・・・・・・・・・・・。

 2013/09/24 09:54  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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