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第2案の寄せ集めでは・・・・・
 先日、某大手スーパーの社員と話す機会があった。
大手なので当然、社員数も多く、20代〜60代まで各年代がまんべんなく社内に存在する。

20代・30代は現場、40代半ば以上が管理職になるという感じである。
そんな状況を想像してもらいたい。

その社員が言うには「会議の席上などで20代・30代にも議題への提案を求められるが、その提案が第1回目で認められたことがない。かならず管理職は否定から入る」とのこと。
蛇足ながら付け加えると、提案が認められると言っても、全面的に受け入れられるという意味ではない。
「そのプランは良い。そこからブラッシュアップさせてみよう」という程度の認められ方を望んでいるという意味である。

続けて「だから自分の中のベストプランをぶつけると否定されるから、ベストより練れてない第2案・第3案を提案することになる。そしてそれは何故か採用される」という。
この傾向はなかなか厳しい。そのスーパーの施策の多くはベストプランを捨てて、第2案・第3案で構成されていることになる。
どうりで冴えない施策が多いわけだ。

で、感心したのがこの社員が「絶対に否定されるのが分かっているから、自分は最初に第2案を提案して、否定されたらベストプランを出すようにしている」と言ったことだ。
なかなかクレバーな社員である。こういうしたたかさを持ち合わせた社員を登用できなければ、第2案の寄せ集めの大手スーパーは破綻してしまうだろう。
 2013/03/29 09:33  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

休刊=廃刊
 講談社の女性ファッション雑誌「グラツィア」「グラマラス」が7月6日発行の8月号で休刊することが正式に決まった。多くの場合、休刊=廃刊である。

http://www.asahi.com/culture/update/0326/TKY201303260375.html

朝日新聞の記事によると、直近の発行部数はそれぞれ4万8000部と8万部だった。
8万部の「グラマラス」はまだしも、わずか4万8000部の「グラツィア」は存続が難しい。
しかし2誌ともピーク時には25万部の発行部数があったというから、その凋落ぶりはすさまじい。

グラマラスが「辛口カジュアル」を提案したところまではわかるが、「グラ男」なんてものを提案したあたりは意味がわからない。こういう良く分からない造語を打ち出して成功した雑誌を見たことがない。
艶女(アデージョ)を提案していた「ニキータ」もあえなく廃刊しているし、「おしゃP」を打ち出しているJJも部数が回復する兆しが一向にない。

かつての読者モデルよろしく、お洒落なプレス担当者をスターにしようということなのだろうが、一般消費者がプレス担当者にそこまで興味を持つだろうか。芸能人ならスタイル、顔立ちも良い(整形している場合もあるが)が、プレス担当者はそういうわけではない。中には芸能人並みの方もいらっしゃるが、そうでない人もかなりいる。経験的には、むしろそうでない人の方が多い。
そういう人に対して憧れるだろうか。筆者はまったく憧れない。

特定の階層の人間(おしゃP、グラ男など)に対して刺激的なキャッチコピーを作ることで、アドバルーンを打ち上げると雑誌手法はもう通用しないのではないか。
ファッション雑誌がこの手の手法を採り続ける限り、まだまだ休刊は続く。

今は好調な宝島系の雑誌もいつまでその好調が続くかは保証の限りではない。
 2013/03/28 10:34  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

王様か?対等関係か?
 販促コンサルタントの藤村正宏さんが「お客様は神様ではない」というブログを書いておられる。これには深く賛同する。

お客さまは神様ではない
http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11492708143.html


神様ではないからないがしろにしなさいということではなく、あくまでも販売する側とお客は対等だということである。
かつてユニクロの柳井正会長は「お客様は神様ではなく、王様くらいに考えるべき」とおっしゃったことがあるが、藤村さんの場合は「王様ですらなく、対等関係である」と説いておられる。

どちらが良いか悪いかということではなく、考え方の相違だろう。
個人的には藤村さんを支持したい。

ところで、先のブログにこんな一節がある。

「お客さまの要望にすべてこたえます」

こういう企業は、これからは繁栄していくことは無理です。


「お客様は神様です」と思っている企業は今後はダメになっていくでしょう。
そういう企業は魅力がないからです。
だって、お客の「奴隷」ですからね。


これはBtoBでもそうではないかと思う。
産地生地展で、アパレルや生地商社の要望をすべてかなえるなんてことを掲げたら、生地メーカーは疲弊してしまう。
取り引き先各社の要望は多岐にわたっており、価格を下げろという要望もあれば、品ぞろえを増やせという要望もある。中には、「縫製までやっといてよ」なんていうのもあるかもしれない。
取り引き先の要望を聞くことは重要だが、すべて対応するという姿勢は必要ないだろう。

自社でできることとできないことをはっきりとさせて、そこに共感してくれる先と取り組むべきだろう。
 2013/03/27 10:12  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

自社の売りたい物≠消費者需要
 3月20日から始まった阪急百貨店うめだ本店でのテキスタイル・マルシェも本日でお終いである。1週間店頭に立ってきたが、百貨店側から課せられた最低ノルマはひとまずクリアできた。

1週間も続くと出展社もさすがに接客慣れしてきて、販売効率は上がっているように見える。

元来は生地工場の経営者やスタッフなので、接客はあまり得意ではない人が多い。
彼らは企業向け営業はこなすが、営業と接客は似ているようで異なる。
そのため、営業の上手な人でも接客販売はあまり売上高が稼げなかったりもする。

何度も参加してくれている企業が接客スタイルと陳列方法、販売商品を工夫したおかげでコンスタントに売上高が稼げるようになった。
やはり工夫することは大事なのである。

例えば、某社は本来無地生地の在庫が多いため、無地生地を売りたいわけである。
けれども、実際、この生地販売会「テキスタイル・マルシェ」ではデニムを除いて無地生地というのは動きが鈍い。
まったく不要というわけではないが、無地生地を主体に組み立てると売れ行きが鈍い。

そこでこの企業は今回、思い切って柄物を主体に切り替えた。
これが功を奏したと見ている。
また、テーブルの上に生地スワッチを多数並べて、お客に生地を触ってもらいやすいように工夫を凝らした。この陳列方法も良かったようだ。
過去何度かの失敗から自分たちなりに工夫して今回はそれなりの結果を納めることができそうだ。

自分たちの売りたい物とお客の求める物は違うということである。

1週間見ているといろいろなことがわかる。
この「売りたい物≠お客の欲しい物」というのは往々にしてある。
テキスタイル・マルシェでは生地+自社製品という売り方をする企業がある。
この場合、製品もそれなりに売れることも多い。
だからと言って、製品だけを陳列すればもっと売れるかというとそうではない。

生地を買いに来たお客がついでに製品を買うことはあっても、製品目当てに来るお客は少ない。そして、製品のみを陳列する動機が「自社に在庫が多いから」という自社の都合だけだと、ほとんどまったくと言っていいほど売れ行きが悪い。

自社の(都合で)売りたい物は、市場にとって魅力のある商品ではないということだろう。
 2013/03/26 00:43  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

変化するのが伝統産業
 伝統産業は、これまで変化を繰り返してきたから残ることができた。
これが事実である。常に改良が加えられてきたから現在に残ることができたわけで、過去の事物のみにとらわれていたのではとっくに滅亡していただろう。

しかし、一方で日本人は過去の事物をきちんと保管しておく習性がある。
中国ではとっくに散逸した文献や宝物が日本に残っていることも多い。
雅楽なんてものは、中国ではなくなったが日本には現在も伝承されている。

過去の製法や事物を保管伝承することは大事だが、そこに現代性を加える必要もある。

和装関係に多いが、伝統産業であることに固執してまったく変化をしようとしないことがある。
もし、その製品なり製造方法が博物館に陳列されることが目的であるならそれでも良いだろう。しかし、市販されてある程度の消費者に利用してもらいたいのなら、現代に合わせた改良が必要となる。

変化を望まない伝統産業は滅びるか、博物館に陳列されるかのどちらかしか残っていない。
 2013/03/25 09:51  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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