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程よく混ざるのがもっとも難しい
 ジーンズの歴史を調べていると、ユニフォーム・学生服メーカーが草創期に多く参入している。ビッグジョンだってもともとはそうである。

それらが参入した理由は、当時の日本国内でもっとも厚地織物を縫うことに慣れていたからだったそうだ。
しかし、14オンスデニムはワーキングユニフォームや学生服よりももっと生地が分厚い。
手持ちのチノパンと少し昔の14オンスデニムを見比べていただければわかるだろう。
最近の定番ジーンズは生地が薄くなっており、だいだい12オンスくらいなのであまり参考にはならない。90年代後半くらいまでの物が適切だろう。

で、チノパンよりもさらに厚い生地を縫うためにそれに適したミシンを探したという。
それが米国のユニオンスペシャルだったというわけだ。

現在ではべつにユニオンスペシャルでなくとも14オンスのデニム生地を縫えるミシンは国産で山ほどある。

そういう苦心があったというのが歴史の一幕である。

しかし、現在の国内のジーンズメーカーの多くはこの歴史時代のまま止まっているのではないだろうか。
物作りを微塵も知らないド素人みたいな企画担当者が跋扈する業界もどうかと思うが、物作りの職人みたいになりすぎている業界もどうかと思う。

程よいところで混ざれば良いのだが、それがなかなか難しい。
簡単にできるのならとっくにアパレル業界はもっとマシになっているだろう。

 2013/02/28 10:32  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

単なるポジショントークですね
2月5日付けの繊研新聞によると、梅田のファッションビル「ルクア」の今年度(12年4月〜13年3月末)の売上高見通しが355億円に上方修正された。

一時期は昨年の勢いがなくなったとも伝えられたルクアだが、売上高は前年の340億円を上回ることになった。
また1月のセールは前年同月比3%増の34億円だった。

で、この繊研新聞にも言及されているように、4月には道路を挟んだ北側にグランフロント大阪がオープンする。
衣料品・雑貨関係のテナントのラインナップを見ていると、ルクアと競合する店舗が多い。
グランフロント大阪開業の影響をもっとも受けるのはルクアではないだろうか。


JR大阪三越伊勢丹は「グランフロントの開業で人の流れができるから当店にもチャンスができる」と各紙で語っているが、それは甘すぎる見通しというものだろう。
再建策の見通しも立たず、何かしらプラス志向のコメントを出さねばならない状況にあるだろうから、担当者も気の毒である。
JR大阪三越伊勢丹のコメントは単なるポジショントークであり、本気で受け取るべきではないだろう。


グランフロント大阪開業によってJR大阪三越伊勢丹が回復するとはまったく考えられず、むしろ、ルクアVSグランフロント大阪の激しい競合がどのように推移するのかが注目であろう。
 2013/02/27 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

減りに減った
 今は亡き日本繊維新聞が2006年に発効した「ヒストリー 日本のジーンズ」を改めて読み返しているとなかなか面白い。

今ではジーンズナショナルブランドは数社程度になっており、ここにドミンゴやジョンブル、ベティスミスなどを加えても10社程度だろう。
その代わりに岡山や福山の産地を拠点とする極小売り上げ規模の新規参入ブランドは増えている。
しかし、残念なことにこの新規参入組がかつてのナショナルブランドのように数十億円や百億円規模まで成長することはちょっと考えにくい。

現在のご時世なら二十億円規模まで成長すれば良い方だろう。

この本に1976年当時のジーンズブランド売上高トップ20という表がある。
トップ20とあるくらいだから当時は20以上のジーンズブランドがあったことになる。
しかもそれなりの売上規模で。

三啓被服の「バイスラー」、タカハターの「コーンホッパー」、日本ハーフ、マッキャンベル、丹生屋被服の「キャナル」、竜虎被服、大石貿易の「ビッグストーン」、帝人ワオと今では聞かなくなった社名とブランド名が目白押しである。

かつてはユニフォーム・学生服メーカーがこぞってジーンズに参入していたが、いずれも手を引いた。また日本ハーフや帝人ワオのようになくなった企業も多い。

ジーンズブランドは減りに減ってしまった。

今後、さらに減る可能性も少なくはない。
さらに厳しい状況も待ち受けていそうだ。
 2013/02/26 11:13  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

history≒story
 ある専門学校向けにジーンズ業界の歴史をまとめているのだが、改めて資料を読み直すとなかなか興味深い。

1950年代から読んでいるが、当然筆者はまだ生まれていない。
1970年生まれなので、記憶に残っているのは80年代後半以降である。

例えば洗い加工が日本で発達した理由だが、1963年までは米国からジーンズを輸入していた。1950年代は輸入した中古ジーンズしか販売されていなかった。その後、米国から新品のリーバイスやリーが輸入されることとなる。

さて、中古ジーンズということは穿きこまれてクタクタになったジーンズである。
一方、新品のジーンズが輸入されたと書くと、現在のディーゼルやリプレイのような中古加工を施した商品をイメージしがちであるが、当時、そういう技術はなかったので、すべてノンウォッシュの新品だったそうだ。

となると、こちらは糊が着いたままで固い。
中古加工に慣れ親しんでいた日本の消費者はこの固さに戸惑う。
そこで生地を柔らかくするために日本では洗い加工場が発達したという。
ストーンウォッシュやケミカルウォッシュなどはその延長線上で日本の洗い加工場発祥の技術とされている。

例えば、こういう歴史を今のジーンズ業界は発信できているだろうか?
昔の資料や難しく見えるビジネス書には書いてあるかもしれないが、今の消費者に伝わる形でのプロモーションができているだろうか?

欧米では歴史(history)=物語(story)である。歴史と物語の語源は近しい。
歴史を学ぶ際の入門編が物語とされている。
ギリシア時代の歴史を学ぶ者は、まず「イリアス」「オデュッセイア」から親しむ。

せっかくの歴史物語があるのにこれを活用しないのはいかにももったいない。


 2013/02/25 09:40  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

市場としてまったく魅力を感じない
 韓国はユニクロにとって鬼門ではないかと感じる。

先日こんな記事が掲載された。

アジア最大のユニクロ明洞中央店、建物明け渡し求められる
http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=168005&servcode=400&sectcode=410

ソウル中央地裁は5日、原告14人がユニクロ韓国法人などを相手取り起こした建物明け渡しを求める訴訟で、原告一部勝訴の判決を下したと明らかにした。2006年にユニクロが使用している建物の分譲を受けた原告らは、2011年3月に建物管理団が自分たちの同意を受けずにJ社を通じてユニクロ韓国法人に建物を賃貸したとし、建物を明け渡すよう求め訴訟を起こした。裁判所は建物管理団が原告らの許諾を受けずに店舗を賃貸しており、原状回復を求める請求は社会秩序に反するとはみられないと説明した。


とある。
別の記事なども合わせて読むと、明洞店となっている、ビルはもともと違う店舗だったが閑古鳥の鳴いている状態だったという。
そこでユニクロを誘致した結果、かなりの活況となった。
活況となったからユニクロを追い出す。そのような状況にあると読める。
なんとも気の毒な状況である。

また

ユニクロが韓国でパクリ疑惑とも報じられている。

http://japanese.joins.com/article/478/168478.html?servcode=400&sectcode=430

ユニクロが韓国でデザイン盗用疑惑をかけられ、該当商品を電撃販売中断した。
最近、韓国のファッション雑貨ブランド「COEVEL」は、自社がデザインしたナバホパターンを
ユニクロが無断使用したと主張した。

これにユニクロ韓国法人であるFRLコリアは14日、ホームページに「オンライン上に広まっている
ソックスのデザインのコピーデザインで物議を醸した点につきまして、お客様に心よりお詫び申し上げます」
とし「メイン模様のデザインに関し、相当な類似性が認められたため、すぐに該当商品の販売を中止しました」
と明かした。


とのことである。
こちらは盗用疑惑であり、写真を見る限り商品は酷似している。

さて、人口13億人を抱える中国市場へ乗り出すメリットはある程度感じるのだが、人口が5000万人しかいない韓国へ熱心に乗り出す理由が筆者には理解できない。
おまけに韓国は内需が極端に弱く、輸出がGDPの4割以上を占める。
人口が日本の半分以下で、内需の弱い国に進出するメリットがまったく思いつかない。

インドネシアは人口2億人だし、フィリピンも人口1億人に近付いている。
このあたりに進出した方がよほど効率的ではないだろうか。

筆者が外部から眺めていると韓国には市場としての魅力はまったく感じないのだが。
 2013/02/22 09:55  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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