« 2012年10月 | Main | 2012年12月 »
巨大商業施設で地元商店街は活性化しない
 巨大ショッピングセンターを開発して地域活性化を、というスローガンをよく耳にする。
ショッピングセンターができれば近隣の住人は便利だ。とくにこれまでそういう商業施設や商店街がない地域は格段に利便性が向上する。
こういうケースは確かに「活性化」といえると思うが、問題は古くからの商店街がある地域で、ショッピングセンターを開設することが商店街の活性化につながるかのようにブチ上げられている場合である。

最近だと東京スカイツリーだろう。

東京スカイツリーとソラマチ東京がオープンした直後に地元商店街が不振という報道があった。あれから半年くらいが経過しているが、依然として地元商店街が不振だという。
それは当り前だ。逆に巨大商業施設ソラマチ東京が開設することで地元商店街が活性化すると思っていたのならおめでたい頭の構造である。

東京スカイツリーは押上駅に隣接している。
わざわざ少し離れた地元商店街まで足を延ばす人間はそう多くないだろう。
ましてやスカイツリーにはソラマチという巨大商業施設がある。そこですべての買い物、飲食ができるので地元商店街へ行く理由はさらに減る。

工事着工当初にどんな説得がなされたのかわからないが、活性化を素直に期待していたというのは地元商店街もちょっと馬鹿正直すぎるのではないか。
だいたい、巨大商業施設ができて地元商店街が活性化したという事例はあまり聞いたことがない。そこに過度に期待するのは、ナンセンスである。
 2012/11/30 10:03  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

物作りには発信が必要
 最近、キムタク主演の「プライスレス」を見ている。
良くありがちなドラマで偉大なる定番とも言える内容で、安心して見ることができる。
以前だとそれは水戸黄門の役割だったが、現代だとこの手のドラマだろう。

ドラスティックに不採算の本業を切り捨てる社長と、切り捨てられた本業にこだわって究極の魔法瓶を作ろうとするキムタク。

ついに前回は定価6万円の究極の魔法瓶を完成させた。
楽天的なキムタク社長は「いいものだから売れるっしょ」と言って営業に出かけるわけだが・・・。

普通に考えて、6万円の魔法瓶は高すぎる。
いくら「いいもの」と言ってもそれだけでは売れない。
やっぱり発信する必要がある。
それは馬鹿高いテレビCMを流すことでもないし、何千万円も払って東京ガールズコレクションに出店することでもない。

地道な発信が必要となる。

視聴者が6万円の魔法瓶に共感するのは、ドラマという形で開発背景やそれに携わる人々の努力を知っているからである。もしこの背景を知らずに6万円の魔法瓶を見たら、「高い」の一言でお終いだろう。

だから、商品開発の背景、携わった人々の苦悩を発信しなくてはならない。
発信せずに「いいものだから売れるっしょ」という姿勢は、正直、日本の繊維製造業の姿勢とダブって見えた。


 2012/11/29 10:30  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

秋口にビタミンカラーパンツが動く
 ジーンズ関係で今秋の売れ筋を聞いていると、レディースでビタミンカラーのカラーパンツが比較的好調らしい。
ブルーウェイや滋賀の名店ボーンフリーなどで動きが良いという。

オレンジ、イエロー、ターコイズブルー、グリーンなどが良いそうだが、これまでビタミンカラーのカラーパンツは春先に動くことが多く、秋のカラーパンツはオリーブやワイン、マスタード、ブラウンなどダークなトーンが多かった。

明るいカラーが秋口に動くことは今までからするとかなり珍しい。

一般的に明るいカラーが動くときは景気が良いと言われるが、国内の現状を見渡しても景気は悪くなる一方である。今回の明るいカラーの動きは何に触発されたものだろうか?

かと言って、中国の経済状態も目に見えて悪化している。
東南アジアは比較的伸びているが、今後、中国の暴発によってどのようになるかもわからない。中国はすでにフィリピン、ベトナムと領土問題をこじらせている。

今回の明るいカラーが動いたのは景気に関係なく、ダークトーンに飽きが来ていたということだけだろうか?

 2012/11/28 10:46  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

素材面でも後追いではどうしようもない
 先日、ブログの読者からお便りをいただいた。

要約すると「どのカジュアルショップを見ても薄手ニット、スエットパーカ、軽量ダウンの3点セットしか売っていない。この3つならユニクロで十分であり、他のカジュアルショップはユニクロの追随で品ぞろえをしているとしか思えない」

とのことだった。
たしかにアパレル業界は全般的にユニクロでヒットした商品を後追いする傾向が強い。
フリースが売れればフリースを、軽量ダウンが売れれば軽量ダウンを、保温肌着が売れれば保温肌着を、という状況である。

ジップアップのスエットパーカなんてユニクロの台頭以前は今ほどの陳列量ではなかった印象が強い。プルオーバーのスエットパーカは美濃屋のコンバースを事例に挙げるわけでもなく、GMSにも定番として以前から並んでいた。
販売員当時にも何枚もプルオーバーパーカを買った。しかし、その当時は自店でもジップアップの前開きパーカは、今ほどの量を扱っていなかった記憶がある。

お便りをくださった方は、暴風の裏張りをしたカウチンセーターをお探しとのことだが、今秋冬はどこにも見当たらない。筆者の知る限りのカジュアル系ショップで扱っているところはない。
何年か前に、2年連続してユニクロが販売していたのが最後だと記憶している。

後追い企画はアイテムだけではない。素材面でもアパレル各社はユニクロの後追いを続けている。
保温や速乾などの機能性素材ならまだしも、カジュアル用素材まで後追いするというから驚かされる。

あるカジュアル生地メーカーによると、百貨店アパレルやセレクトショップ向けアパレルが平気で「ユニクロで売れた○○と同じ素材が欲しいんですよ。ユニクロでン百万枚売れたそうだからうちでも売れると思うんで」という注文をするそうだ。

ユニクロと百貨店アパレル、セレクトショップ向けアパレルでは顧客層も違うし、その素材を使用した商品の店頭価格も違う。もっとも彼らの製造原価はユニクロと同じくらいかもしれないが(笑)。
だからユニクロでン百万枚売れたからと言って、百貨店やセレクトショップでそれに近い数量が売れるはずもない。少し冷静に考えればわかると思うのだが。

アイテムだけではなく、素材面でもユニクロを後追いするようでは他のアパレルからヒット商品が生まれることなど永遠に無理だろう。
 2012/11/27 08:57  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

セールは後倒しどころかさらに前倒しに
 最近はあまりテレビを見ないが、連休中にふとテレビを点けたらOPAのCMが流れていた。
23〜25日まで「OPA最速セール」という内容だ。

セール後倒しを叫ぶ百貨店とファッションビルがあるが、正直なところ10月以降はセールが後倒しになるどころか前倒しに拍車がかかっている。

郊外型ショッピングセンターでは10月10日ごろからすでに各テナントが自主的にセールを開始しているし、ファッションビルOPAは11月下旬に「最速セール」を始めている。
これまで都心ファッションビルは12月のプレセールまではセール開始を控えていたのに、ついに11月下旬から開始してしまった。

こんな状況でセール後倒しを叫んでみたところで、セール期間がますます間延びして、1月半ばからのセールはさらに動きが鈍るだけだろう。

百貨店とファッションビルがそれでも我慢して数年続けるというなら、また状況は変わるかもしれないが、短期的に見れば後倒しした施設は不振になるだろう。

福袋販売との相乗効果によって、年間でもっとも売り上げが稼げる1月のセールを後倒しして、売上高を犠牲にするのはよほど財務にゆとりのある企業しか無理だろう。
そして叫んでいる百貨店にそれほどのゆとりがあるとはとても思えないのだが。
 2012/11/26 10:53  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

| 次へ
プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

リンク集
最新コメント

異常なファックス信仰 (2017年11月16日)
Pearl
いい服を作っても売れません (2017年08月12日)

その親心は間違っている (2017年08月07日)
ボーダーさん
ユニクロか百貨店か (2017年08月02日)

こんな噂が (2017年07月31日)
洋服屋
いい服を作っても売れません (2017年07月30日)
RUBY
地元のヤンキー集団か? (2017年05月26日)

丈の長さは変わっていない (2017年05月25日)
TT
閑古鳥が鳴く (2017年05月22日)
最新トラックバック
服の歴史は繰り返す (2012年11月11日)
中流の崩壊 (2010年11月17日)
カイハラ  (2010年09月29日)
おそろしいのです (2010年08月22日)
若者のジーンズ離れ (2010年06月16日)
クロックス更新 (2010年05月30日)
更新順ブログ一覧
最新記事
月別アーカイブ

http://apalog.com/minami/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパログ携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード

当ブログ内の全ての文章・画像・映像の無断転載・転用を禁止します。