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和紙繊維の編み地
 大阪を拠点に活動する若手デザイナー、東丸大範さんが自身のブランド「コントラリヨン」の来春夏企画で、和紙繊維によるニットカーディガンを5型打ち出している。

何が斬新かというと、東丸さんによると、「和紙繊維での編みは業界初開発です」という。
これまでの和紙繊維の生地は布帛しか存在しなかった。

そして、今回、和紙繊維の編物を開発したのは、泉南の企業「和紙の布」(旧社名:阿部織布工場)である。

この話をお聞きして「実にもったいない」と思った。
業界初であるならば、和紙の布から、せめて業界紙だけにでもプレスリリースを送って取材を促すべきだった。
産地企業にはこういう「ポカ」が多々ある。

せっかく業界初という生地を開発しても何も言わない。
だからその生地開発したことさえ知られない。
そして、その開発が無駄に終わる。

今回は東丸さんが使用したことと、東丸さんが展示会でそのことを話したからたまたま筆者の耳に届いた。
筆者のように影響力の無い人間に情報が届かなくてもさほど痛痒は無いが、経済誌や業界紙、できれば一般紙への告知は常に心がけておくべきだろう。

このことさえ愚直に反復すれば、
知名度が高まりそうな産地企業はまだまだある。
それだけにもったいない。
 2011/11/30 10:20  この記事のURL  /  コメント(2)  / トラックバック(0)

商品選びの基準が見えない
 有名ショップや百貨店のバイヤーの話を伺う機会がある。
また、展示会場でたまたま見かけてバイヤーの仕事ぶりを横目で拝見させていただくことがある。

これは筆者のセンスの悪さだろう。
バイヤーの商品を選ぶ基準がまったくわからない場合がある。
もちろん、自社の店頭や在庫のバランスを考えて発注しておられるのだろう。

そうではなくて「この商品良いね!」という基準である。

今、その店で並んでいるのと同じような商品を酷評する場合がある。
これは筆者の邪推だが、もしかして「ブランド名とか製造国表示とか原材料表示だけで選んでいるのではないか?」と考えている。

そういえば、某服飾雑貨メーカーでこんな話を聞いたことがある。

あるブランドと取り引きがしたくて、そのブランドのテイストを完璧に再現した商品を作って担当のバイヤーに見せたところ「いやー。うちとはテイストが違うな〜」と言われたそうである。

OEMの業者に同行した場合でも同様の台詞を耳にすることがある。

そのたびに「一体どういう基準で選んでいるのだろう?」と不思議に思う次第である。

 2011/11/29 10:04  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

自動消滅する服があれば
 最近、やっと秋冬物に衣替えを8割くらい完了した。
暑さが苦手なので、長い間半袖生活をしてきたのだが、11月10日くらいからほぼ長袖生活に切り替えた。

しかし、衣替えをしてみて、洋服の量の多さ(安物ばかりだが)に驚くとともに、収納スペースがいくらあっても足りないことに愕然とする。

洋服が売れない理由の一つに収納スペースの問題があるのではないか。
消費者はもう、かなりの量の服を持っており、収納スペースは満杯である。
そこに毎シーズン何か新しい洋服を買い足そうとすると、何かを捨てなくてはならない。
捨てるのはもったいないので躊躇していると、買わずに済ませることもできる。
自然と、買い足すのは毎シーズン2〜3枚ということになり、それ以外は、いくら安くても買わなくなる。


洋服を買ってもらうには「定期的に捨てる」という作業が定着しなくてはならないだろう。


そういえば、以前、ある部長さんが「買って3年したら自動消滅する服が開発できたら、定期的に購買してもらえるのに」と冗談交じりに仰ったことがある。
その時は笑い話だったが、収納スペースに困っている消費者も多いだろうから、意外に受け入れられるかもしれないと思い始めた。

とは言え、
消費者の手持ちの洋服はますます増えるから、なかなか購買には向かわないだろう。

本当に「3年したら自動消滅する服」の開発が求められているのではないか。
 2011/11/28 09:43  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ウールコートに注目が集まったワケ
 ウールのコートが比較的堅調に動いていると聞く。
先日の繊研新聞の1面でも掲載されていた。

あるアパレルの社長によると「ウールコートに注目が集まるのは、縫製がダウンジャケットよりも楽だからではないか」という。
ダウンジャケットや中綿ジャケットは、中に詰め物があるため、縫製に手間がかかる。
それに例年通りに推移すれば、10月下旬までは暑くて防寒物は売れるかどうかわからない。
実際に今年は、11月中頃まで高温が続いて、大部分の店頭で防寒物が止まっていた。

こういう経緯を見ると、体力のないアパレルや小売店は、店頭の動きを見てからクイックに製造したいため、手間のかかるダウンジャケット類ではなく、比較的縫製が楽なウールコートにシフトしたのではないかとのことである。

もちろん、この見方がすべて正しいわけではないだろうが、いかにもありそうなことだとも思える。
 2011/11/25 09:37  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ギフト業界媒体の報道姿勢が理解できない
 3年間ほどギフト業界誌に身を置いたことがある。
それまで繊維の業界紙にいたため、その風土差には驚いた。

とくに業界について一切「悪いこと」を報道しないという姿勢には面食らった。
例えば、繊維業界紙なら業界内の上場企業の決算は掲載する。
それが例え減収減益、減収赤字転落でもだ。
なぜなら、上場企業の決算は常に公開されているものであり、繊維業界紙が報道しなくても一般紙が報道するからである。
繊維業界紙だけが報道しなくても情報は報道されているわけである。

ところがギフト業界誌にはこの姿勢がない。報道しないのである。

シャディというギフト業界最大手の問屋がある。
今ではUCC上島珈琲の子会社となり上場廃止されているが、以前は上場企業だった。
当然、決算は公開されていた。
子会社になる晩年は、減収減益が続いていたため、ギフト業界誌はその決算数字の掲載すら見送ったのである。

はっきり言って意味不明の行為である。
なぜなら、朝日、読売、日経を始めとする一般紙はすべて掲載しているからである。
日経新聞だけでも公称部数300万部ある。
たかだか1万部に満たないようなギフト業界誌各社が情報を隠ぺいしたところで、300万件の人には知られてしまっているわけである。

しかしながら、こういう姿勢の業界紙・業界誌はまだまだあるのだろう。
業界媒体が衰退するはずである。
 2011/11/24 10:33  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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