« 2011年07月 | Main | 2011年09月 »
開発力が低下したファッション産業
 先日、産地の生地メーカーが産業資材への取り組みを増やしたがっていることを書いた。
ちょっとその補足をしたい。

高野口産地を回った感触で言えば、彼らの取り組みたい順位は

産業資材>寝具・インテリア>衣料

の順である。

産地にとって、小ロットで色柄開発に注文が多い衣料品分野との取り組みは「美味しい」ものではなくなっているということである。
ありていに言えば「美味しくない」どころか「不味い」ものに成り下がっている。

ご存知のように、産地の生地メーカーは、織り編み組織や使用する糸や、その混率についてはかなり熱心に研究するが、色柄についてはほとんど開発する術を持たない。
以前なら、アパレル各社が社内に抱えるデザイナーが色柄を指示してくれた。
しかし、価格低下(自分らで勝手に価格を低下させたという側面が強い)による収益構造の悪化から、アパレル各社はデザイン企画を外注するようになった。
そのため、産地の生地メーカーは、今まで人任せだった色柄の開発を自分たちでやらなくてはならなくなった。

これはアパレルにとっても、産地生地メーカーにとっても悲劇である。

今の産地生地メーカーはロットが大きく、色柄開発の必要がない産業資材をこれまで以上に増やしたいと考えている。

自社でデザインを開発しないアパレル、衣料品対応を減らして産業資材へシフトしたい産地生地メーカー、とこの構図を見ただけで、ファッション企業の商品開発力は無いに等しいことがわかる。


日本のファッション産業の未来はかなり暗いと言わざるを得ない。

 2011/08/31 09:46  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

セレクトショップも再編の時代に?
 あまり思わせぶりなことを書くのは趣味ではないが、
大手アパレルやセレクトショップにも再編の波が押し寄せそうな気配が漂っている。

大手アパレルではサンエーインターと東京スタイルが合併したが、まだまだ他にも噂を聞く。

今回めずらしくセレクトショップにも再編の波があるかもしれないと聞く。
しかしよく考えてみれば、これまで量販店、百貨店は淘汰・再編集され続けてきた。
ダイエーとマイカルが破綻し、イオンに吸収されたし、そごうが破綻して、西武と合併、そのそごう西武もセブンアンドアイに吸収されている。

阪急と阪神の統合や三越と伊勢丹の統合などもあった。
まだまだ枚挙にいとまがない。

セレクトショップだけが別空間に存在するわけではない。当然経営悪化するセレクトショップも出てくるだろうから、再編の動きがあっても不思議ではない。
今回は噂だけで終わるのかどうかはわからないが、近い将来、必ず再編は現実化するだろうと考えている。
 2011/08/30 09:48  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

生地メーカーは産業資材分野を志向する
 来年3月の高野口産地総合展「ぷわぷわ」に向けて、
取材・聞き込みが高野口産地で始まった。ジャパンブランド認定最後の年になるので、2013年以降の展示会はどうなるのか、わからない。
おそらく、13社規模での合同展示会は来年3月が最後になるのではないだろうか。


高野口産地を回ると「産業資材分野」での成長を望む声が多い。
これは高野口に限らず、各繊維産地すべてに共通している。高島産地だって産業資材の締めるウエイトは大きい。
産業資材分野の利点は、生産数量が大きいこと、色柄の開発をしなくても済むことにある。

これに比べてアパレル向けの取り引きは、生産数量が少ないうえに、色柄の開発もしなくてはならない。非常に効率が悪い取り引き先である。
ある生地メーカーは「某東京のセレクトショップから生地の注文があったが、わずか4メートル。まったく話にならないので、断った」という。
4メートルの注文というのは初めて耳にする。数量が少なすぎる。

街の切り売り生地屋と間違えているのではないか?と疑いたくもなる。
4メートルの生地で何を製造するのだろう?衣服なら1着半ほどしか作れない。

今回の「4メートル」は極端すぎるとしても、1反にもならない注文なら掃いて捨てるほどある。
こういう注文が増えれば増えるほど、生地メーカーはますます産業資材分野を志向する。

日本のアパレル産業の製造体制は最早崩壊寸前である。
 2011/08/29 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ジーンズメイトの不調は底なし
恒例のライトオンとジーンズメイトの8月売上速報が発表された。

ライトオン
既存店売上高は前年比10・8%増
既存店客数は同13・2%増
既存店客単価は同2・2%減

ジーンズメイト
既存店売上高は前年比17・4%減
既存店客数は同31・2%減
既存店客単価は同20・1%増

である。
ライトオンは下げ止まりの気配を見せるが、ジーンズメイトは底なしの気配である。
ライトオンの下げ止まりの要因としては、
夏物のセール品を多数在庫に抱えていたためではないだろうか。
7月、8月とライトオンの店頭を見ているとお買い得セール品が数多く見受けられる。
厚手生地によるボートネックボーダーTシャツは2990円から1490円に下がっているし、オシュコシュビゴッシュのチェックシャツは990円に値下がりしている。
これらのお買い得品が売り上げを押し上げているのではないだろうか。

他方、問題はジーンズメイトである。
まったく底なしの前年割れだ。
8月の商況説明もわずか2行しかない。
上層部のやる気のなさしか伝わって来ない。
本体を再生したいという気構えがあるとは到底思えない。
これほどやる気のない上層部を担いでいるジーンズメイトは、9月以降さらに苦戦することは目に見えている。
 2011/08/26 07:01  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

このまま涼しくなるのか?
 先週後半から東京は最高気温が25度以下となりかなり涼しくなったと聞く。
関西は、それほど涼しくはないが、最高気温30度程度と酷暑からは解放された。

しかし、今週に入ってからまた暑さが戻ってきている。
このまま涼しくなるのか、もう一度暑さがぶり返すのかは気象予報士ならぬ身では見当がつかない。
例年の感覚を思い返すと、秋分の日あたりまではかなりの暑さが続いていた。
結局今年もそうなるのではないかとも思う。

さて、「ファッションは気温で売るものではない」という。
とくに高額ゾーンではそのような気構えでないと売りこなせないのだろう。
けれども、ぶっちゃけて言えば、どの価格帯も等しく「気温で売れ行きは左右される」と思う。

今、ここで涼しくなるのが良いのか、しばらく暑さが続く方が良いのかは悩ましいところだろう。
涼しくなれば、立ち上がったばかりの秋物が動きやすい。
暑さが続いた方が、夏物の在庫処分が進む。

個人的には暑さに弱いので10月前半までは毎年半袖生活を送っている。そのため、9月に入ってもまだ、夏物の最終処分品を買おうと計画している。
この辺りは個人の感覚が大いに、売れ行きを左右すると思う。

気温が30度以下の日が続けばファッション好きの方は秋冬物を着用し始めるだろう。
毎年、半袖Tシャツの上からダウンベストやフリースベストを着用した方や、半袖Tシャツを着用しながら首元にファーのストールを巻いた方をお見かけする。
気温はまだ25度を越えているにも関わらず。

「先取りの着こなしがかっこいいのよ」と言われると「そんなものか」とも思うが、見ている方からすると、「ひどく暑苦しい」とも感じる。
そろそろ、街にはダウンベスターやフリースベスターが登場し始めるだろうと、半ば期待しつつ待っている。

 2011/08/25 09:47  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

| 次へ
プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

リンク集
最新コメント

異常なファックス信仰 (2017年11月16日)
Pearl
いい服を作っても売れません (2017年08月12日)

その親心は間違っている (2017年08月07日)
ボーダーさん
ユニクロか百貨店か (2017年08月02日)

こんな噂が (2017年07月31日)
洋服屋
いい服を作っても売れません (2017年07月30日)
RUBY
地元のヤンキー集団か? (2017年05月26日)

丈の長さは変わっていない (2017年05月25日)
TT
閑古鳥が鳴く (2017年05月22日)
最新トラックバック
服の歴史は繰り返す (2012年11月11日)
中流の崩壊 (2010年11月17日)
カイハラ  (2010年09月29日)
おそろしいのです (2010年08月22日)
若者のジーンズ離れ (2010年06月16日)
クロックス更新 (2010年05月30日)
更新順ブログ一覧
最新記事
月別アーカイブ

http://apalog.com/minami/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパログ携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード

当ブログ内の全ての文章・画像・映像の無断転載・転用を禁止します。