« 2011年06月 | Main | 2011年08月 »
10年遅い懸念表明
 昨日の繊維ニュースに下記のような記事が掲載された。

繊産連 国内空洞化の懸念表明
日本繊維産業連盟常任委員会(26日)後の記者会見で下村彬一会長は、震災後の国内空洞化問題につき、「電力問題、税制問題が絡み、一層深刻な事態に発展した」との認識を示し、空洞化防止に向けた働き掛けをしていくと語った。


とのことである。

「何を今更?」としか言えない。
機械や自動車産業は、これまでからも徐々に空洞化していたとはいえ、震災後その動きが活発化したかもしれない。が、繊維産業は20年くらい前から顕著に空洞化しはじめていた。この宣言は、せめて10年くらい前に出されなくてはならないものだ。


かつて10年ほど前、タオル産地が、中国からの輸入品に規制をかける「セーフガード」発動を迫ったことがる。しかし結局は発動されなかった。
なぜなら、タオル産地の半数はすでに中国に工場を移転していたからだ。
半数の工場はなるほど国内オンリーかもしれないが、もう半数はすでに中国に進出して工場を稼働させていた。これではセーフガード発動の申請が一枚岩になるはずがない。

言い換えれば、10年前からすでに、セーフガードも発動できないほどに日本の繊維産業は空洞化していたといえる。

結局マッチポンプみたいな結末になるしかない。
とんだ茶番である。

今回の繊産連の表明では何一つ変わらない。
単なる口先だけのパフォーマンスに過ぎない。



 2011/07/29 08:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

日本代表男子チームも自国のブランドを
 先日、ワールドカップで優勝した女子サッカー日本代表チーム・なでしこジャパンのオフィシャルスーツはワールドの「アンタイトル」の物だという。
一方、ワールドカップ時の男子代表チームのオフィシャルスーツは「ダンヒル」だった。

日本代表チームなのだからスーツも日本ブランドの物にしてほしいなあというのが正直な感想だ。あまり費用をかけられていない女子チームが、なりゆきで日本ブランドを着用していたのは怪我の功名といえる。
一方、潤沢な費用のある男子チームは「ダンヒル」で、これはイギリスブランド。

ワールドカップのドイツ代表は「ストラネス」を着用していた。これはドイツブランドだ。
男子チームもドイツを見習って自国ブランドを着用してもらいたいとテレビを見ながら思ったものである。
例えば「タケオキクチ」や「五大陸」「ダーバン」あたりではだめなのだろうか?
さすがに「エフワン」という選択肢はないと思うが。

せっかく自国にも様々なスーツブランドがあるのにそれを活用しないのは、偉い人は日本の衣料品ブランドを信用していないからだろうか?それとも単に極度の舶来趣味だからだろうか?
 2011/07/28 01:07  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

紳士服チェーン店5社が景表法違反
 消費者庁は26日、景品表示法違反(有利誤認)で、青山商事、AOKI、はるやま商事、コナカ、フタタの大手紳士服チェーン店5社に再発防止を命じる措置命令を出した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110726-00000090-jij-soci

何が問題になったかというと、

消費者庁によると、5社は2009年末〜10年末にかけ、年末やボーナス期などのセールの際に、「スーツ・コート、全品半額」などとテレビCMや新聞の折り込みチラシで宣伝。しかし、実際には「高額商品は対象外」「チケット持参で1着のみ割引」などの条件があり、割り引きされる商品は全体の26〜82%しかなかった。 

とのことである。
この記事を読んで、なるほどと思ったが、同じ手法は何年も前から行われており、「え?なんで今更?」とも思った。そういう意味では自分の感覚も麻痺していたのだろう。

この規制を強化するなら、
夏冬のバーゲン時における二重価格表示疑惑にもメスを入れるべきだろうと思う。
今夏のバーゲンで商品値札をいろいろと見比べても、最初に定価で販売されていてその後、値下げシールが貼られたと明らかにわかるものと、値下げシールが貼られておらず、印刷された赤字の値下げ札が付けられたものと二種類が各店内に混在しており、後者は「セール用に安値で製造された商品」である可能性が高い。
これは先述の紳士服チェーン店5社のことではなく、ファッションビル内のテナントすべてに対して当てはまることである。
各ブランドとも、一定期間定価で販売した実績がなければ、値下げ表示できないという景品表示法の基本に立ち返るべきではないだろうか。

そして、「安さ」しかアピールポイントがない商法ともそろそろ決別する時期ではないだろうか。
 2011/07/27 09:22  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

雑誌に載っても必ずしも売れるというわけではない
 ある小規模店を開設した知り合いが
「ファッション雑誌に掲載されたら売り上げは一発で増えるのになあ」とつぶやいたことがある。これは大いに間違った認識であり、雑誌に掲載されたことによって売り上げを大きく伸ばしたブランドが一部に存在するものの、掲載されてもちっとも上向かないブランドが大多数ある。

オッサン向けメンズファッション雑誌の掲載常連ブランドに「リプレイ」があるが、その国内総代理店であるアイ・ピー・ジー・アイは7月4日に民事再生法を申請している。掲載=売り上げということにはならなかったらしい。


それでも掲載されないよりはされた方が良いので、掲載されるための努力(例えばこまめにプレスリリースを送り続けること)はすべきだが、一念発起してなけなしのン十万円をつぎ込んで、一回限りの広告掲載をすることは、無駄金だから止めるべきである。1回こっきりでは、消費者の記憶には残らない。
広告掲載は、年間計画を組んで年に6回とか4回とか継続的に行うのが最も効果的だろう。
反対に言えば、1回こっきりのン十万円しか用意できないほど逼迫したブランドは、広告掲載などするべきではない。


小型店オーナーの知人は雑誌掲載を願うよりも、自社での情報発信に力を入れるほうがよほど効果的である。
プレスリリース以外にも、現在ではインターネットによる自社からの情報発信が可能である。そちらを強化すべきだろうと提案しておいた。



 2011/07/26 10:12  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ボトムスを見かけない今秋冬レディース企画
 6月、7月とパラパラとレディースブランドの今秋冬展示会を複数拝見した。
ブランドのテイストにもよるのだろうが、「ボトムスの型数が少ないなあ」というのが正直な感想だった。
秋冬物ではあるが、薄手素材のカットソーやブラウス類が中心で、ファーやダウン、レザーなどの羽織り物が差し込まれているという印象だ。ボトムスはショートパンツや薄手のスカートが数型ある程度というブランドがほとんどだった。

先日、2010年のジーンズ生産統計が発表されたが、
これでは、2011年もレディースのブルージーンズ類が伸びる気配はなさそうだ。

ブルージーンズの生産数量が最も大きかったのは、2005年の4945万本で、このうち、3010万本がレディースである。2005年のジーンズ生産はレディースが支えていた。
ジーンズの生産数量回復のためには、レディースでのブームが不可欠といえる。

一方、あまり注目されないが、カラージーンズの生産数量を10年間分を見比べてみると、面白いデータを発見した。
メンズのカラージーンズは98年から2010年までほとんど生産数量が変わっていない。
ピークは99年の870万本で、そのほかは470万本〜790万本の間を行ったり来たりしている。ちなみに2010年の生産数量は620万本である。

取材では「メンズはブルージーンズが売れずにカラーパンツ類が比較的マシ」と言われるが、2006年から2010年までは、600万本内外で数量にほとんどバラつきがない。低値安定といったところだろうか。

それにしても、レディースは、もはやボトムスがあまり必要で無くなってきたのだろうか?
ボトムスを得意とするメーカーは厳しい状況がまだしばらくは続きそうだ。

 2011/07/25 09:00  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

| 次へ
プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

リンク集
最新コメント

異常なファックス信仰 (2017年11月16日)
Pearl
いい服を作っても売れません (2017年08月12日)

その親心は間違っている (2017年08月07日)
ボーダーさん
ユニクロか百貨店か (2017年08月02日)

こんな噂が (2017年07月31日)
洋服屋
いい服を作っても売れません (2017年07月30日)
RUBY
地元のヤンキー集団か? (2017年05月26日)

丈の長さは変わっていない (2017年05月25日)
TT
閑古鳥が鳴く (2017年05月22日)
最新トラックバック
服の歴史は繰り返す (2012年11月11日)
中流の崩壊 (2010年11月17日)
カイハラ  (2010年09月29日)
おそろしいのです (2010年08月22日)
若者のジーンズ離れ (2010年06月16日)
クロックス更新 (2010年05月30日)
更新順ブログ一覧
最新記事
月別アーカイブ

http://apalog.com/minami/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパログ携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード

当ブログ内の全ての文章・画像・映像の無断転載・転用を禁止します。