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ジーンズ専業メーカーの苦境
 先日、ジーンズの生産統計のことについて書いた。
日本ジーンズ協議会加盟企業の生産数量が5000万本、非加盟企業の生産数量が4000万本でその差、1000万本にまで迫っている。
これが2009年の生産統計なので、今年年末に発表される2010年生産統計では、この差がもっと詰まっているか、あるいは逆転しているのではないかと推測される。

ところで、読者から「加盟企業の優位性というのは、それほど高かったのですか?」という質問のコメントをいただいた。
前回ではそれをわざわざ説明せずに省いたので、このご質問に答えてみようと思う。


そもそも日本ジーンズ協議会は、改名する前はジーンズメーカー協議会と名乗っていた。
いわゆる、「ジーンズメーカー」各社が加盟していた。
ここで言うジーンズメーカーとはジーンズ専業アパレル各社のことであり、エドウイン、リーバイス、ビッグジョン、ボブソン、タカヤ商事、ブルーウェイ、ベティスミス、ドミンゴなどなどである。エドウインとリーバイスを除けば児島・福山地区のジーンズ専業メーカーが大半を占めていた。

長らく2005年ごろまでは、このジーンズ専業メーカーと、OEM/ODM企業を使ってジーンズを製造するその他アパレルブランドとの商品は、明らかに差があり、専業メーカーが圧倒的な優位性を保っていた。とくに物性面では。
ところが、ジーンズ専業メーカー各社の売れ行きは徐々に不振となっていったが、ユニクロ、しまむら、ハニーズ、ポイントなどの非加盟企業はトータルアイテム展開によって、ジーンズそのものの販売数量も大きな落ち込みを見せなかった。


ジーンズ専業メーカーの苦境を示す事例はいくつもあり、例えばリーバイ・ストラウス・
ジャパン社が減収減益を続けていることや、今年5月に起きたボブソンの民事再生法申請などがその代表といえる。
反対にユニクロは年間1000万本の販売数量があり、UJが失敗した今でもその落ち込みはある程度軽微だと思われる。

この状況は2010年、2011年現在も変わっておらず、
今後はますます加盟企業と非加盟企業の差がなくなっていくと考えられる。
 2011/06/30 08:44  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

秋物からの値上げは受け入れられるか?
 6月25日の繊維ニュースにオーストラリア羊毛が7週連続で値上がりし、史上最高値を更新したことが掲載されており、原材料の高騰はまだまだ続きそうだ。

6月第4週の豪州羊毛市場は、東部市場指標価格(EMI)が前週比5豪セント高い1キロ1438豪セントとさらに史上最高値を更新した。5月第2週以降7週間連続で上昇を続けている。

綿花の方は、やや落ち着きを取り戻し140〜160セントあたりをうろうろしていると聞く。

こうした原材料の高騰から、
今秋物から商品定価を引き上げるという動きが出始めている。
ハニーズ、しまむら、良品計画が4月20日付の繊研新聞で、値上げを発表している。

が、しかし、今夏のセールを見ていると、
まだまだ値段は下がりそうな勢いを感じる。
セール開始直後なので、30〜50%オフ程度の値引き率だが、
これが7月半ば以降になると70%オフは当たり前という状況になるのではないだろうか。
さらに8月は最早投げ売りになると推測している。
その理由は何かというと、店頭を一通り眺めると、商品はそれほど活発に動いていないと感じる。おそらく7月半ば以降もかなりの在庫が残るのではないかと思う。

余談だが、心斎橋ビッグステップ1階にパルグループのアウトレットが期間限定出店している。5月には3枚3000円だった商品が、6月下旬からは3枚1990円にまで値下がりしている。

これと同様のことが、ファッションビルやショッピングセンターのテナントで起きるのではないかだろうか。

原材料費から見ると、商品価格は値上げせざるを得ないが、今夏のセールの後に入荷した秋物がやや割高になっていたら、はたして消費者は受け入れるのだろうか?
 2011/06/29 09:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ジーンズの特殊性が完全消滅
 昨日、自分も執筆している「ジーンズカジュアルリーダー」が繊維流通研究会より発刊された。

その冒頭で、謎のライター(笑)甲賀一郎さんが日本のジーンズマーケットについて論じておられるのでご紹介したい。

甲賀一郎さんによると、2009年のジーンズ全体の生産統計は約9000万本である。そのうち、日本ジーンズ協議会の加盟各社の生産統計は約5000万本である。4000万本は協議会加盟企業以外の企業が生産しており、それはユニクロ、しまむら、ポイント、コイズミクロージング、カイタックインターナショナルなどの大手である。

2006年から2009年までの数量を書き出してみる。

2006年・・・協議会加盟企業の生産数量6756万本
        非加盟企業の生産数量2300万本
        合計9000万本

2007年・・・協議会企業6280万本
        非加盟企業3200万本
        合計9500万本

2008年・・・協議会企業5521万本
        非加盟企業3800万本
        合計9300万本

2009年・・・協議会企業5063万本
        非加盟企業4000万本
        合計9000万本



となっている。
加盟企業の生産数量が著しく減り、非加盟企業の生産数量が増えていることと、
もうひとつ、ジーンズの生産数量全体はあまり変化していないという2つの点に気づかされる。
ジーンズの生産数量全体ではこの4年間でほとんど変わっておらず、ジーンズが売れないと言われるが一定数量は確実に売れている。
しかし、売上単価はおそらく減っている。
一つには2万円、3万円の高額プレミアムジーンズが廃れてしてまったことと、もう一つは1000円以下の激安ジーンズの影響は非常に限定的だったが、他の値段帯でも1000円くらいは値下がりしているためである。


さて、2010年、2011年の生産統計では、非加盟企業の生産数量が、加盟企業の生産数量を上回るのではないだろうか?5年前は3倍の差があったが現在の差はわずか1000万本である。
この事実だけを見てもジーンズ専業メーカーの特殊性というものは、なくなっているということがわかる。
 2011/06/28 09:36  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

前年実績主義で固定化する早期セール
 6月24日、25日から本格的にセールが始まった。
大阪で言うならHOOPやあべのアンド、キューズモール、OPAなどなどである。

6月16日からルミネが業界に先駆けてセールを始めてくれたおかげで、6月24日開始がそれほど「早すぎる」とは感じられなくなった。これもルミネ効果だろう。
昨年までは6月24日開始が最速で「早すぎる」と業界から非難を浴びていたものだった。

今回は震災という特殊要因があったとはいえ、
セールの超前倒しは、やはり自分の首を締めた要因もあったのではないかと、いまだに思う。「今年は異例措置」というコメントが発表されているが、来年からは確実に6月25日周辺での夏セールスタートが主流になると予測している。

しかし、セールというのは、一種のドーピング剤のような物だと思う。
常用していけば中毒になる。
来年は、今年6月の売上高が実績化するため、それをクリアしようとすれば、必然的に同時期からのセール開始が不可欠となろう。そこを我慢して7月までセール時期を戻す気構えのあるディベロッパー、ブランドが一体いくつあるだろうか?ほとんど存在しないだろう。

一度早めたセールは、企業に「前年実績主義」が残っている限り、そう簡単に遅らせることはできない。

 2011/06/27 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

今秋冬季末の投げ売り「+J」は狙い目
 ユニクロが「+J」終了を発表してから「+J」祭りがすごい。

大阪だと、グローバル旗艦店の心斎橋店と、ヨドバシカメラ梅田店で「+J」は販売されてきた。商品量は心斎橋店がかなり多く、ヨドバシカメラ店は少な目である。
面白い物で、同じ「+J」だが心斎橋店とヨドバシカメラ店では、売れ残っている商品が異なっていた。
だから梅田と心斎橋と両方に立ち寄る日は、両店を見比べて欲しい商品を吟味してきた。

さて、シンプルなデザインを得意とするジル・サンダー氏と、ベーシックアイテムのユニクロは相性が良かったと思う。色彩感覚については、カラーバリエーションを広げたがるユニクロと、ダークカラーの4色展開に絞るジル・サンダー氏とでは、まったく正反対であった。

「+J」開始当初から気になっていたのが、
業界やマスコミの注目度の高さに反して、常に季末まで大量に店頭在庫が残っているところであった。あのシンプルなテイストを好む層がユニクロ顧客にはすくなかったということだろうか?それとも消費者全体から支持されていなかったということだろうか?


今春夏の「+J」はあまり好みの商品がない。
秋冬まで販売が続くようだから、秋冬の季末投げ売りセールで
格安購入を狙いたい。
 2011/06/24 09:55  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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