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アメ村・堀江・南船場はさらに地盤沈下する
 もうすぐ梅田にJR大阪三越伊勢丹とファッションビル「LUCUA」がオープンし、大丸梅田店も増床オープンする。また天王寺にもイトーヨーカドーと109がオープンする。難波では高島屋が今週に増床オープンする。

天王寺、難波、梅田に商業施設がこれまで以上に集積される。

さて、こうなると同じ大阪でどこかの地域のお客が奪われるわけだが、個人的には南船場、堀江、アメ村がさらに衰退するのではないかと考えている。一方、近年、ある程度の復活を遂げた心斎橋筋商店街はそれなりに維持できるのではないかと思う。

ファストファッションブームは終わりつつあるとはいえ、心斎橋筋には戎橋のH&Mから始まり、ZARA、コレクトポイント、タマヤ、ジーユー、ユニクロ、長堀通のGAPが集まっている。セレクト系ではアーバンリサーチやローズバッド、ビームス、ユナイテッドアローズ(大丸北館内)があるため、一定数量の顧客は維持できそうだ。
近年、アメ村、堀江、南船場の落ち込みはひどく、堀江も南船場も閉店しているお店が数多くある。アメ村はビッグステップに有名ブランドが入店しているほかは、小規模な古着屋やバッタ屋が軒を連ねている印象がある。

天王寺、難波、梅田に商業施設がこれまで以上に集積すれば、このアメ村、堀江、南船場はさらに閉店するお店が増えるのではないだろうか。
アメ村・堀江・南船場は、小規模な路面店が多く、商業施設とは異なり、なじみの消費者以外はどこに何の店があるのかわかりにくい。「それが良い」という方もいらっしゃるのだが、どちらかというと少数派ではないだろうか。
それだけ「効率的に」店を廻りたいお客が増えたということだろう。

堀江・南船場界隈を管理している不動産屋は「ここらあたりは、東京で言えば代官山みたいな位置付けです」と説明するらしいが、代官山エリアも一時期の勢いがなくなっていると聞く。東京でも小規模路面店の集合する地域は敬遠され、都心の商業施設の集まる地域が盛り上がっているようだ。


アメ村・堀江・南船場は今後さらに地盤沈下しそうだ。

 2011/02/28 09:37  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

狙いは同じ。大丸梅田と大阪伊勢丹
 梅田地区の大丸と伊勢丹について引き続き。
両方とも会見を聴いた限りの印象ということでお許しを。

JR大阪三越伊勢丹のブランドラインナップは採りたてて見るべきものはあまりない。
地下1階に、新宿伊勢丹に続いて2つ目となるヤングレディース向け売り場「イセタンガール」が開設されるが、ウェアは「バーバリー ブルーレーベル」「トゥビー バイ アニエスベー」「リッチミーニューヨーク」「ペイトンプレイス」「ディアプリンセス」の5ブランドであり、新鮮味がまったくない。
とくに「ペイトンプレイス」と「ディアプリンセス」という遥か昔にピークアウトした2つのブランドのセレクトには疑問点しか残らない。

百貨店事情に詳しくない自分としては、大丸や阪急との兼ね合いからブランド誘致が難しかったのだろうか?という感想しかない。

しかし、伊勢丹には隣接直結するファッションビル「LUCUA」がある。
LUCUAにはざっと主だったところでもビームス、ジャーナルスタンダード、トゥモローランド、ディーゼル、トップショップ、アーバンリサーチストアなどの人気ブランドが入店している。また「無印良品」もここに入るため、リーズナブルゾーンもしっかりと押さえられている。


一方、大丸は「ユニクロ」の入店がとかく話題となりがちだが、「東急ハンズ」もあるし、ヤングレディース向け売り場「うふふガールズ」は45ブランドも集積する。婦人肌着の最大規模の売り場「オーランジェリーゼ」もある。意外なことに特選ブランドも強化しており、新たに「グッチ」「プラダ」「ボッテガ・ヴェネタ」「ロエベ」「ジミーチュウ」など11ブランドをそろえている。

こうして見ると、大丸梅田店は自店のみで、特選からリーズナブルゾーンまで幅広く品ぞろえをしているが、伊勢丹は単体では高額ゾーンに偏ったつまらない品ぞろえだが、隣のLUCUAと合わせて幅広い集客を狙う構えだと言える。
はからずも大丸は単体で客層の幅広さを、伊勢丹はLUCUAとの補完で客層の幅広さを模索しており、両社の狙いはある程度同じだったと推測できる。

大丸でユニクロを見たあと、LUCUAで無印良品とトップショップを見る。少し足を伸ばせばHEPFIVEにGAPがある。これで徒歩30分圏内の梅田リーズナブルツアーが完成する。


さて、梅田は来年さらに北ヤードに新商業施設が誕生し、阪急百貨店の「第2期棟」が開業する。あまり話題に上らない阪神であるが、こちらはトレンドファッションは諦めて、ナチュラル・リラクゼーションに特化した売り場づくりを進めると聞いている。

さらにオーバーストア状態となる梅田はどのような状況になるのだろうか。.
 2011/02/25 08:04  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

大丸梅田店の英断
 先週、今週と大阪で立て続けに百貨店の会見があった。大丸梅田店の増床オープンと、JR大阪三越伊勢丹である。
久しぶりに百貨店の会見に出させていただいた。

会見を聴いた限りにおいて、大丸と伊勢丹のどちらが自分の好みかといえば大丸である。
会見の席上で、大丸松坂屋の山本良一社長が「これまで百貨店は高額品・エレガンス志向の婦人ファッションに特化しすぎてきました。そのため、顧客層が狭くなっていました。しかし、以前の百貨店は顧客層が広く、お年寄りから子供にまで支持されていました。従来の高額層・婦人ファッションを確保しつつ、カジュアル志向・リーズナブル志向の顧客にも対応して幅広い消費者層を獲得します」とおっしゃったところに共感を覚える。

大丸梅田店の報道を見ると「ユニクロ導入」の部分が過剰にクローズアップされているように思うが、東急ハンズの導入、ヤングレディースのうふふガールズの開設もかなり重要なファクターといえる。さらには昨年11月にオープンしたポケモンセンターやトミカショップも、山本良一社長の思想に基づいたものである。


自分は常々、百貨店不振の原因は「レディースファッション、高級エレガンスラインに特化しすぎたことにある」と考えていた。以前のブログにも書いた通りである。いつの間にか百貨店には家電売り場もなくなり、雑貨売り場もなくなり、おもちゃ売り場もなくなっていた。あるのは化粧品と婦人服ばかり。申し訳程度に紳士服と子供服の売り場がある程度。あとは地下の食品売り場くらいだろうか。これでは、そこそこの高額ファッション品に興味のある女性しか来店しなくて当然である。
しかもその女性が子育て世代だともういけない。なぜなら、小さいお子さんが百貨店に行くのを嫌がるからだ。百貨店に行っても子供が楽しめる場所がないからである。おもちゃ売り場もないしゲームセンターもない。まことに退屈な空間である。

しかし、郊外型のショッピングセンターなら、トイざらすがあり、ゲームセンターもあるし、広い書店もある。子供が見て楽しめる場所がそこそこある。


百貨店は「ファッションに興味のある人はそんなに多くない」ということをもっと真摯に受け止めるべきだろう。いつの間に「百貨店」は「高額エレガンスレディースファッション専門店」になってしまったのだろう?


 2011/02/24 09:17  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

グルーポンは特売のチラシと変わらない
 以前にグルーポンが景品表示法違反ではないかとアパログで指摘したことがあったのだが、まさにその通りになってしまった。

グルーポンおせち、外食文化研究所に行政処分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110222-00000867-yom-soci

処分の理由は景品表示法(景表法)違反である。

21000円での販売実績がないのに、残飯おせちを「21000円の半額、10500円」で販売したためである。一定期間21000円の販売実績がないのに「元値21000円」と表示することは、法律上禁止されているのである。
アパレル業界でもこれを理解していない小売業者も多数いるので困ったものである。


で、今回改めてグルーポンのHPを見たのだが、
すべてのクーポンが「安さ」を全面にアピールしている。はたしてこの売り方はどうなのだろうか?と疑問を覚える。おそらく、クーポンを提供する多くの業者は「半額で来てもらって、味やサービス内容を気に入ってくれたお客さんがリピーターになってくれる」と考えているのではないだろうか。それは非常に甘い考えで、考え違いも甚だしい。

http://www.groupon.jp/

例えば、2月23日のトップページに「伊豆湯ヶ島温泉郷・高級リゾートホテルが75%オフの19700円」と書かれている。これは完売した案件で、元値は82000円である。
さて、今回19700円で宿泊したお客のうち何人が、次回82000円の定価で宿泊してくれるだろう?個人的には限りなくゼロに近いと考えている。
なぜなら、今回19700円で宿泊したお客は、19700円しか出せないお客だからである。この人たちに82000円出す経済的ゆとりはない。宿泊には19700円しか出す気がない人たちである。


また、先日もグルーポンで、150円のたい焼きを半額にするという業者が、対応不可能ということで契約を解除したという記事が掲載されたが、これも無茶な案件である。
リピーターを狙ったというたい焼き業者も浅はかだったと思うが、これを持ちかけたグルーポン側も考えがおかしい。150円のたい焼きを75円で販売してどれだけの利益がこの業者に残るのだろうか。また、150円の物を75円でしか買わないお客が、このたい焼きのリピーターになるはずがない。彼らは75円のたい焼きのリピーターになるだけである。


破格値の値引きを提示して、リピーターを増やそうとする小売業者が多いが、実際にバーゲンでモノを買う人は、バーゲンでしかモノは買わない。それよりも定価で買ってくれるお客さんに、何かプラスアルファの品物やサービスを提供するほうが、リピーターが増える。
グルーポンを新しいビジネススタイルだという人がいるが、値引き率ばかりをアピールする手法はスーパーの特売の折り込みチラシとなんら変わらない。早晩廃れることになるだろう。
 2011/02/23 08:51  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

東京コレクションの存在意義って?
 「ヴァンキッシュ」の石川涼社長が、ツイッター上で東京コレクションとJFWについて批評されていたことが話題となったが、実際、石川社長の言う通りではないだろうか。

東京コレクションに登場するブランドは有名な物もあるが、全然誰も知らないようなブランドもある。しかも、その誰も知らないようなブランドが常連となっている。誰も知らないというと語弊があるので、もう少し丁寧に言えば「どこで売っているのかわからない」または「実際、販売されていない」ブランドということになる。


自身のブランドを展開する某ベテランデザイナーによると「自分の先輩が何人も東京コレクションの常連になっているが、彼らは年間1億円も売っていない。卸している先もない。これではショーを見せても消費者はどこで買って良いのかわからない」という。
今の時代、大資本がバックに付かなければ、デザイナーズブランドが年間10億円以上売ることは難しいだろう。しかし、年間2億〜5億くらいなら売っているデザイナーズブランドはそこそこある。
たしかに創業間もないころは、年間1億円以上売ることは非常に難しいだろう。しかしデビューしてから10年も経過しているのに売上高1億円にも到達しないブランドを東京コレクションに出す必要があるのだろうか?しかも常連として。
だから海外からのバイヤーやプレスは東京コレクションに来ない。


ブランドは売れれば良いというものではないが、まったく売れないのも困る。それでは趣味の世界であり、洋裁やってるオバチャンと変わらない。


東京コレクションには出展基準が必要ではないか。「デビュー10年経過しているのに年間売上高1億円に到達していないものは出展不可」とか「デビュー15年以上のブランドは、3年連続で売上高3億円以上をクリアすべき」とか。

何にしろ、デビュー年数だけ長くて売上高がゼロに近いようなデザイナーを出展させるなら、洋裁が趣味のオバチャンや、専門学校生を呼んできても同じことだろう。
 2011/02/22 09:49  この記事のURL  /  コメント(4)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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