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紙に固執する新聞業界
 先日、久しぶりに繊維業界紙の大先輩とお話する機会があったのだが、やはりというか、予想通りというか「web軽視・紙への愛着」を見せつけられた。
先輩の名誉のために言えば、彼は悪人ではないし、悪意を持って人を陥れるタイプの方ではない。非常にリベラルに接していただける方である。

今年、日経新聞電子版が発行された。月額は4000円。この値段設定は「高い」と思わせるもので、いかにも「紙媒体の部数を守るためだけ」に設定されたと言わざるを得ない。つい最近、電子版の発行部数を聞くと「8万部にとどまっている」とのことである。

一方、某繊維業界紙も今年から電子版を開始した。月額は3000円。日経よりは安いが、業界紙ということを考えるとこれも「高すぎる」値段設定である。
案の定、部数はここには書けないほど少部数にとどまっている。小学校内部で配られる広報誌の方が多いくらいだと言われている。(真偽のほどはわからないが)

で、業界紙の先輩なのだが「そこまで某業界紙がwebをやる必要があったのかな?紙で十分だったのではないか」と感想を述べられた。やはり年配の方は紙への愛着が一方ではないようだ。

しかし、速報性ということを考えればwebの方が良い。しかも印刷コストはゼロ、配送料もゼロ。しかし、パソコンが壊れてようが停電してようが読めるという点では紙媒体の方が優れている。移動先で不必要になれば捨てることもできる。
と考えてみれば、日々の報道は電子版で行い、次の週の月曜日にでも紙で「週刊ダイジェスト」を発行するスタイルが良いのではないかと考える。
価格設定を考慮しなくてはならないにせよだ。

業界紙というメディア自体が不必要とは思わないが、存続が難しくなっている。このあたりで大きく形態を変えないと、事業の存続が危うい。
 2010/10/29 08:17  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(1)

綿花相場の史上最高値更新
 先日、紡績部長から綿花の高騰ぶりを聞いたばかりだが、綿花の高値があっさりと更新された。繊維ニュースより引用させていただく。

 25日のニューヨーク(NY)綿花定期相場は、期近(12月)物が前日比で5セント高い124.71セント(1ポンド)をつけ、史上最高値を更新した。

とのことである。

紡績部長にお聞きした時点での価格が119セントであり、これが150年ぶりの高値だった。
部長によるとアメリカ南北戦争当時の相場価格が170セントを越えていたというから、追いつくにはまだまだ余裕がある。
しかし、150年前と現在では物価も貨幣価値も違っているので、単純比較はできないだろう。


残念ながらそのあたりの知識が欠けているために、ここで比較を提示できない。
ああ、無力感。

衣料品の製造コストは原料高も含めて上昇する一方である。
しかし、衣料品の店頭価格は下がるばかり。

縫製の現場では、現在、中国の縫製スペースが満杯である。
多くの中国工場が、10月現在に発注すると、納期が3月末〜4月10日ごろになるという。
どうしても早く欲しい場合は、工賃を上乗せするとそのオーダーを優先してくれるそうだ。うわさが本当なら、縫製工賃の上昇は避けられないだろう。
かといって、単純にベトナムやカンボジア、バングラディシュあたりの工場に振り替えられるかというと、そうでもなく「現地調達の副資材(ボタン、ファスナー、リベットなど)の品質が中国製品よりも悪い」という。ちなみに中国製副資材も国内製副資材よりも品質が劣る。


製品の価格下落も、中国の縫製スペースも繊維・アパレル業界の安易な物作りの姿勢のツケである。
ある業界の大先輩は「クラッシュは終わった。これからは再生に向かおう」というが、まだまだクラッシュし足りないのではないだろうか。再生に向かうのは数年以上先になると感じている。
 2010/10/28 08:55  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ユニクロ心斎橋店のお買い得ダウン
 昨日から全国的にグッと気温が下がった。
10月に入ってから東京は涼しいと聞いていたが、関西は朝晩こそ涼しかったものの、昼間は25度近くの日が続いており、秋冬物を着ようという気にはならなかった。
今回の急激な気温の低下で、秋物は残念ながら在庫になりそうだが、冬物・防寒物の動きは活発化するのではないだろうか。

昨日、予定がキャンセルになったので、
ふらりとユニクロ心斎橋店を覗いてみると、昨年のプレミアムダウンジャケットが3990円、4990円、5990円に値下がりして並んでいた。
3990円は肩に2本ラインが入ったもの、4990円はダイヤ型のキルティングダウン、5990円はネオレザーダウン。
いずれも昨年、色や素材感が「あれ」だと感じたものだった。

肩に2本ラインは、やけに本体とラインの色のコントラストがはっきりしすぎている。
ダイヤキルティングのは、ナイロンに光沢がありすぎるのでちょっとなあと感じる。
ネオレザーダウンは、ネオレザーの割には表面に光沢がありすぎで、コーティングを施したみたいに仕上がっている。

珍しく3品番ともサイズがそろっている。XSやXLサイズばかりではない。

しかし、値段的には非常にお買い得であり、ライトダウンではないので羽毛の量も多い。
今年のウルトラライトダウンが5990円なので、両方が並ぶと昨年物の方が値打ちがあるように思う。あまり色や素材感を気にしない方であれば昨年物の方がお買い得だと思う。

ダウンジャケットの製造にかかわっている方から伺ったのだが、
ユニクロのウルトラライトダウンは、ダウンパックを省いた構造になっており、日常生活での着用は問題ないのだが、経年変化には弱い。
モンベルのインナーダウンはダウンパック構造になっており、それなりにコストパフォーマンスもある。
しかし、パタゴニアは値段も高いがモンベルよりもさらに性能が良いとのこと。

品質から言えば

ユニクロ<モンベル<パタゴニア

だという。
値段通りに品質も差があるということになる。

機能性商品は価格の差が品質の差につながることが多いので非常にわかりやすい。
その点、カジュアルを含めたファッション用品は価格の差と品質の差が連動していない場合も多いのでわかりにくい。
デフレに陥った原因の一つに、そのわかりにくさもあると思う。
 2010/10/27 08:48  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

綿が150年ぶりの高騰
 先日、ある紡績の部長さんと同席した。
部長さんによると「綿の相場が高騰している。アメリカ南北戦争以来の高値」だという。
アメリカ南北戦争は1861年〜1865年なので、およそ150年ぶりの高値ということになる。

10月26日付の「繊維ニュース」によると、世界的な綿花高騰を受けてパキスタン国内の綿花も高騰しているという。以下に引用させていただく。

パキスタンで綿花が一段と高騰している。洪水被害で今季の綿花収穫量が予想を下回ることが確実なことに加え、世界的な綿花高騰を受けてパキスタン国内でも綿花価格が上昇。先高感と需給タイト感から23日には紡績や綿花商が大量の買いに動き、一時は1マウント(37.32キロ)7800ルピーをつけるなどパニック相場の様相を呈してきた。

とのことである。

世界的な綿花高騰と洪水被害での収穫量低下のダブルパンチでパキスタンの綿花が値上がりしている。

冒頭の紡績部長さんによると、つい最近まで、綿が足りない分はポリエステルを混ぜることで乗り切っていたが、ポリエステルも若干値上がりし始めたという。これはポリエステルの需要増によるところが大きいようだ。

特殊な素材を除いては基本的なポリエステルは綿よりも安く、価格が上昇しにくい。
綿が足りない場合はポリエステルを混ぜることで値段を抑えられる。


原料は不足し、高騰しているが、製品の値段は上がらない。前年据え置きか、下手をするとさらに下がる傾向にある。製品代には、縫製・加工工賃ほどの上乗せはないとはいうものの、生産業者はますます苦しくなる。
また、アパレルのバーゲンセールもこれまで以上に利益を削ることになる。

もっともその部長さんによると「来年の綿の値段は落ち着くかもしれない。なぜなら、綿の高騰を見て、中国が綿の栽培量を増やす可能性が高い。そうすれば、再び綿の値段は落ち着く」という。さてどうなることやら。
 2010/10/26 08:59  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

ライトオンとジーンズメイトは10月度も大苦戦
 ライトオンとジーンズメイトの10月度売り上げ速報が発表された。
ライトオンの既存店売上高は前年比14・1%減
既存店客数は同13・5%減
既存店客単価は同0・7%減

ジーンズメイトの既存店売上高は前年比22・8%減
既存店客数は同17・7%減
既存店客単価は同6・2%減

に終わった。
ライトオンは客単価はほぼ前年並み、ジーンズメイトも6%減にまで
下げ幅が小さくなっていることから、単価下落もそろそろ底打ちになりつつある。
一方、両社とも客数の低下が止まっていない。

客数の低下が止まらないということは、消費者が離れている証拠であり、
マックハウスも含めて大手ジーンズチェーン店は、規模を縮小して事業の再構築に取りくむ必要がある。
ジーンズメイトは10月から新業態「ワケあり本舗」を
mina町田とPAT稲毛に出店した。
ありていに言えば、アウトレットの低価格店であるのだが、
FRグループの商業施設で、ライトオンも入店しているmina町田にアウトレットを出店するという取り組みには疑問を感じる。
さらに言えば、いくらアウトレットとはいえ、もう少しマシなネーミングはなかったのだろうかとも思う。

10月19日付けの繊研新聞一面には、7〜9月のファッション消費が悪化したとのアンケート報告記事が掲載されており、10月以降の見通しも「現状変わらず」が7割を占めている。
9月末からの気温の低下で、ようやく秋物が動き出し、一部店舗では好調になりつつあると聞くが、大部分の店舗ではまだまだ売り上げが厳しい。
 2010/10/25 09:25  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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