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一極集中する日本人の性質?
 中国による強引な尖閣諸島問題が起きた。それによって、中国からの荷物が届かないという事態が起こっている。主に上海以南の港に多いようで、知り合いのOEM業者は山東省の港からの出荷になるため、こちらは今のところまったく影響がないという。

先日、「SOZ」の富永社長と久しぶりにお話をした。
当方が空き時間を利用して、映画「ガンダムダブルオー」を見た後だったというのは内緒だ。

ブロック玩具という範疇に収まる「SOZ」だが、テーブルや椅子、舞台背景などにも組み立てることができ、フランス、イギリスなどのヨーロッパと大阪からのブランド発信に情熱を燃やされている。
その富永社長が昨年、大手商社のセミナーに参加されたときに、えらーいコンサルの先生が数名講義をなさった。その講師全員が口をそろえて「売るのも作るのも中国しかない」とおっしゃられていたことに強い違和感を覚えられたそうである。
「そこまで日本全体が売るのも作るのも中国に一極集中するのは危険ではないか。中国は他国であり、その国が常に日本と同じ考えで行動するとは限らない。もし両国の国益が相反することがあれば、その集中ぶりはかえってアダになる」と自身も発言されたという。

図らずもその発言が早くも現実となりつつある。

富永社長は「日本人の性格でしょうか。中国が良いとなるとみんなが中国を目指す。今回、チャイナリスクが顕在化したことで、今度はみんなが脱中国を目指すかもしれない」と苦笑しておられた。次はみんながベトナムかバングラディシュでも目指すのであろうか。笑
以前から中国には警戒感を持っておられ、製造は日本、しかも大阪。発信はヨーロッパというスタイルを貫いておられるから余計に説得力がある。

取材する立場から言えば、ここ数年の中国過熱ぶりは異常だったのではないだろうか。
「興隆する中国に行かずしてなんとする。日本はもう駄目だ」という自虐的な論調の多さにも辟易していた。今回の尖閣問題は日本全体が頭を冷やす良いきっかけになったのではないだろうか。
いくらお隣さんでも中国は他人であり、日本の身内ではない。
 2010/09/30 08:44  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

ライトオンがNB再再再強化?
 ライトオンの2010年8月期決算は大幅減収減益に終わった。
売上高は869億7500万円(前期比13・5%減)
営業利益は13億2900万円(同52・1%減)
経常利益は12億1300万円(同55・8%減)
当期損失は4億7200万円

となる。
当期損失の計上は店舗リニューアルに伴う固定資産税除去損や、
店舗閉鎖に伴う損失などによる特別損失によるものという。

2011年8月期は今期をさらに下回る
売上高830億円
営業利益13億3000万円
経常利益13億円
当期損失21億2000万円
を見込む。

そんな中、気になるのは来8月期の販売計画である。以下に抜粋する。
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=830055

1、ジーンズショップへの回帰
ジーンズショップならではのボトム品ぞろえの強化

2、ナショナルブランドの強化
顧客の要望に応えられるブランドの品ぞろえ

3、大人の服の店へ
若年層に振れていた品ぞろえから幅広い年齢層に向けた品ぞろえの構築

4、サイズ展開の見直し
サイズ展開の範囲を広げ、カバー率を高める

という4項目を掲げている。

ここにきて、またぞろナショナルブランド強化を打ち出しているがこれは何度目だろう?
3度目?4度目?ここ10年、利益率に惹かれてSPA化を打ち出しては不振に終わり、結局NBへ回帰するという繰り返しである。
以前にも私見を述べさせていただいたが、SPA化するのであれば3〜5年は優にかかる。そこを耐え抜けるかどうかなのだが、今回も無理だったようだ。

ライトオンの今回の決算を見て、
あるOEM業者は「また掛け率の切り下げや大量の在庫返品があるのではないか」と眉を曇らせる。この業者によると、大阪の中堅Tシャツメーカー、エニーが2008年末に倒産したのは、ライトオンの大量返品が直接の原因だという。
今回の厳しい決算、来期の厳しい見通しでは「第二、第三のエニーが生まれるのではないか」と懸念しているわけだ。

さて、今回表明したNB再再再強化だが、数年後には、のど元過ぎれば熱さ忘れることになるだろう。
 2010/09/29 08:04  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

「若者の○○離れ」は年配者の傲慢
 以前から「若者の○○離れ」という紋切り型の報道、分析について違和感を覚えている。若者の消費が特定の○○から離れることについて、現在の社会の指導者層に位置する60歳前後の年代層からは「感性の退化」だとか「若者がダメだ」という意見が見られる。しかし、若者からすれば「消費したくても収入がないからできない」「そもそもなぜ旧世代と同じ消費ベクトルを維持しないといけないのか」というのが本音であり、この「若者の○○離れ」は世代間対立と言えるように思う。

先日の日経ビジネスオンラインに掲載された小田嶋隆さんのコラムがその辺りを上手く説明しておられるのではないか。個人的に非常に納得できるので、以下に引用させていただく。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100922/216342/

「○○離れ」と言われているものの正体は、要するに相対的な貧窮化のことで、煎じ詰めれば可処分所得を多く持たない若者が増えているということ以上でも以下でもないのだ。とすれば、新しいマーケットなんて生まれるはずもないではないか。債務整理みたいな葬儀需要は別にして。

私が若い者だった時代も、貧乏は若い人間にとっての既定値だった。この点は、現在と変わらない。
でも、われわれは未来を信じていた。だから、現状の貧困は問題にならなかった。
初期設定がゼロで貧乏が出発点だということは、未来が豊かであることの裏返しで、つまり、心配はご無用の前途は洋々なのだと、そういう筋道でわれわれはものごとを考えていた。

であるから、われらバブルの申し子たちは、より豊かな明日の到来をテンから確信し、それゆえ、貯金が無いことを気に病むこともせず、今月の収入のすべてをきれいに使い切って、あまつさえ図々しくローンまで組むことができた。錯覚であれ脳天気の結果であれ、とにかく20世紀の若者は、未来を信頼し、クルマを買い、海外旅行に出かけ、全集を予約し、借金の担保のために借金の証文を作っていた。で、その若いオレらの無思慮な消費行動が経済をドライブし、市場を回転させ、企業を潤わせていた。奇跡だ。社会の全員で回す壮大なねずみ車。

今の若い人たちに同じことをやれと言っても無理だ。
時代が違う。
彼らが暮らしているのは、借金がインフレで棒引きになる時代ではない。収入が右肩上がりで伸びていくことが前提になっている社会でもない。正社員がクビにならない保障もないし、それ以前に、上場企業は若い人々を正社員として雇用したがらなくなっている。とすれば、誰が未来を信頼できる?

まさにその通りだと思う。

続けて

若い連中は、チマチマさせられ、脱構築し、草食化し、サラダ化させられ、萎び菜っ葉化し、その実、とても苛立っている。当然だ。だって、彼らは前の世代の身勝手な若者たちに、よってたかってコケにされているわけだから。

とある。
自分は指導者層ほど年は取っていないが、もはや若者ではない。
しかし、心情的には若者世代に共感を覚える。

そういえば先日、「オレンジ通信」というエロ本を発行していた出版社が倒産した。この「オレンジ通信」、自分が中高生のころにはそこそこの人気があった。25〜30年ほど前の話である。件の分析に沿えば「若者のエロ本離れ」とでも言えるのだろうが、こちらはあまり大々的な報道がない。業種が業種なので自主規制だろうか?
しかし、若者が草食化したからエロ本出版社が倒産したのではなく、電子書籍や動画配信に負けたのだと思う。

需要は時代とともに移り変わる。ビールも高級車も過剰なブランド品もいつか需要はなくなる。需要が移り変わらなかったらいまだにフラフープは大人気だし、みんながルービックキューブをガチャガチャやっていることになる。
「○○離れ」で若者に責任を押し付けるのではなく、新しい需要を喚起できる商品・店舗開発が必要なのである。そのアイデアやシステムが思いつかなくなっているのであれば、指導者層はそろそろ世代交代すべきだと感じる。
 2010/09/28 09:10  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ガンプラの打ち出しもメイドインジャパンへ
 先日、ヨドバシカメラ梅田店5階に立ち寄った。ライトオン、レイジブルーなどの店頭を見て回ったのだが、レイジブルーはデニムのボトムスがほとんどなく、チノパンやカーゴパンツ、一部スラックス系という品ぞろえ、かたやライトオンは自社PB「バックナンバー」の「メイドインジャパンジーンズ」を中心に「エドウイン」「リーバイス」のジーンズが主体だった。

現状、ジーンズにはあまり分が良くないようなので、ライトオンのこの品ぞろえは厳しいのではないかという印象を持った。

そのまま、同じ階には玩具売り場があり、ガンダムのプラモデル売り場に行った。
大阪市内にもビックカメラ、ヤマダ電機などの競合店があるのだが、ガンダムのプラモデルの品ぞろえはこのヨドバシカメラ梅田店が抜きんでていると思う。
それはさておき。

ガンダムのプラモデル売り場では小型テレビでプロモーションビデオを流している。放映内容は定期的に変わっているようで、あまり同じ画像を見たことがない。(どんだけ立ち寄ってんねん)
今回、また新バージョンが流れていたのだが、それがなんとバンダイ(ガンダムのプラモデルはバンダイの商品)の工場内設備を映しながら「バンダイのプラモデルはすべてメイドインジャパン」というナレーションが付いていた。これには驚いた。
先に挙げたライトオン、そのほかユニクロでは「メイドインジャパンジーンズ」を大々的に打ち出している。(ジーンズの打ち出しが今のトレンドに沿っているかどうかは置いておく)
ついにバンダイのプラモデルも「メイドインジャパン」を打ち出し始めたようだ。

実際にプラモデルが「メイドインジャパン」であることにどれほどの効力があるのかは分からないが、日本製であるということが何かしらのキーワードになりつつあるようだ。さらに言えば、この潮流に乗らないと、日本製工業製品は衣類はもとよりプラモデル含むその他ジャンルも滅びるのではないかと思う。この潮流が最後のチャンスであるような気がするのである。

で、話を戻すと、国内繊維産地企業は、今回のわずかなムーブメントになんとか参加して自らを売り出してほしい。そうするためには意識もやり方も変える部分が増え、非常な負担になることは分かっているのだけれど、あえて無理を言わせていただきたい。
 2010/09/27 08:57  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

ライトオンとジーンズメイトの9月売上速報
 ライトオンとジーンズメイトの9月売上速報が発表された。
ライトオンの既存店売上高は前年比24・1%減、
既存店客数は同16・8%減
既存店客単価は同8・8%減

に終わった。

ジーンズメイトの既存店売上高は前年比19・6%減
既存店客数は同1・2%減
既存店客単価は同18・6%減

だった。

両社の要因分析によると、9月20日まで続いた猛暑により、秋物が動かず夏物セール品が動いたことが客単価の下落を招いたという。
個人的に見ると、ジーンズメイトは客数があまり減っていないが、客単価が低下しているので、夏物セール品が動いたのではないか。

一方、ライトオンは客単価がそれほど低下していない割に客数が大幅に減少している。
これは同社の販促になにか問題があったのではないだろうか。
メンズの店頭は今、チノパン一色だが、同社とユニクロはあえて「メイドインジャパンジーンズ」を打ち出している。中長期間による消費者への啓蒙ということになると思うのだが、即効性はなさそうだ。

かと言ってライトオンの店頭がチノパン一色になれば、他社のSPAカジュアルブランド間に埋没してしまう。
ジーンズ専門店はまだまだ苦悩が続きそうだ。
 2010/09/24 08:39  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
南 充浩(みなみ みつひろ)
ファッションメディアプランナー。
「繊維ニュース」記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。
同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。
現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

掲載実績
繊維流通研究会ウエブ記事、WWD

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