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米国ショッピングモール、滅びゆくか活性化を謀るか。

昨今の報道の通り、米国市場には巨大店舗閉鎖の波が押し寄せており、メイシーズは68店舗、シアーズは昨年の80店舗に続き12月に84店舗の閉鎖、JCペニーは今後2年で全店舗数の30%に当たる300店舗を閉鎖。婦人服アパレルチェーンの「ザ・リミテッド」も全250店舗を閉鎖し連邦破産法を申請して破綻。その他、BCBGに先週はウエットシールの全店舗閉鎖。今後もまだまだありそうで、収益の悪い店舗は縮小し、スピード感と利便性を重視したデジタル関連への投資をしてサバイバルというのが現状だ。

メイシーズやシアーズ等の大規模な店舗縮小は、米国のショッピングモール200店舗のアンカースペースに影響するそうで、田舎のモールは更に売り上げの低下を導き、最悪の場合、閉鎖を強いられるか・・ベストシナリオとしては、高額な家賃を支払えるレストランやジム、はたまた、歯医者やヘルスセンターを設けてモールに足を運ぶ新しいスポットを誘致して活性化を謀るというところでしょうか。

若年層がモールに行かなくなったと言われますが、最新のIBMとNRFの調査によると、13−21歳の消費者1万5,000人中、67%が店頭で買い物をする、37%が時々店頭で買うという回答をしています。余暇は74%がスマホでテキストやネットフリックスの動画、ゲーム等をして過ごすデジタル世代でありながら、店頭でのショッピングを好んでいるのに、なぜ、デパートやショッピングモールは滅びゆくんでしょうか。  

昨年末のニュースで興味深かったのは、米国セレブ、カイリー・ジェンナのコスメラインが非常に人気なのですが、ロス郊外にある、ウエストフィールド・トパンガモールで、カイリーコスメテイックのポップアップショップ(上の写真)をオープンした所、数千人の消費者が押し寄せ、入店に5−6時間待ちの事態となったそうです。セレブ絡みで、コスメブランドという事がありますが、ウエブでも買える商品であっても、興味の対象となれば、店舗へ足を運ぶのです。

若年層の多くが、店頭での買い物を好んでいるのに、興味のあるものが無い。昨年のホリデイ商戦も、新鮮さに欠け、どこも、ただただ、デイスカウント合戦になっていた事を考えると、値段だけなら、ネットで一番安く気に入ったものを買う。わざわざ店頭に足を運ぶ意味などないと思えてしまいます。

閉鎖や撤退が続くなか、ビッグスペースが空いた店舗は活性化を謀るチャンスとも言えます。こういう時だからこそ、新しいビジネスも生まれるのではないかと思います。





 2017/01/30 13:21  この記事のURL  / 

アマゾン・メイシーズのアスレチックウエアPB開発

昨年、スーツ、ワンピース、シューズ、キッズ服などに加え、プライム会員限定で、72サイズを取り揃ええたメンズシャツ「Buttoned Down」のPB商品をスタートしたアマゾンが、今度は、ヨガウエアやランニング等のワークアウトアイテムを開発中だとの事。

専門的な知識や技術を必要とするので、一般のアパレルの様にはいかないと思いますが、現在、アデイダスやナイキ等のスポーツメーカーや、ヴィクトリアズシークレット等のアスレジャー商品と競合できる商品を開発すべく、アクテイブウエアのライフスタイルに精通し、顧客の趣味やショッピング傾向を熟知したブランドマネージャーを募集している様です。

「Cowen&Co」のレポートによると、アマゾンで販売されている衣料品とファッション雑貨は来年、30%(280億ドル)の成長が見込まれているのに対し、メイシーズは4%減の220億ドルと予想されており、アクテイブウエアへの参入でさらにシェアが奪われそうだ。


そのメイシーズはというと、アスレチックウエアのPBコレクション、Ideology(イデオロギー)を、レデイース、レデイースのビッグサイズ、ガールズですでに展開しており好調だそうで、先日、メンズ版のID Ideology(アイデイ・イデオロギー)へと拡大したばかり。(上の写真参照)平均小売価格25-75ドルと値ごろ感がありながら、4ウエイストレッチ、撥水、リフレクター、速乾、通気性、耐久性を備えた機能素材を使用した製品を展開しており250店舗のメイシーズとオンラインで販売されている。

先日もお伝えした通り、米国のアスレジャーブランドは既に飽和状態、ピークは過ぎたので時遅しと考える専門家もいるようですが、アマゾンの参入は業界にとってはその他のPB同様、衝撃的と言える。メイシーズでは、運動目的以外にも、カフェや病院、学校などで働く人々をターゲットにも展開しているといいます。

アスレジャー対応というと、ジムついでにカフェやショピングにといったイメージが先行しますが、職業的に機能素材を備えたスポーツウエアを必要としている人々もかなり存在する。ユニフォームを自前で準備しなければならないケースも多く、毎日使用する為、消耗が激しい。こういった職業に就く若年層や特に女性の間では、ファッション性を求める傾向もある。ワークウエアの業界は男性が多い為、女性に適したデザインが少ないのが現状。デイッキーズ等、そういった需要に応え、女性向けのワークウエアを拡大しているようですが、アスレジャーとして展開されているスポーツウエアもその代用とされているようです。

オンライン販売、配達面での利便性に有利なアマゾンや、縮小しつつも実店舗を持ち利幅の広いPBで差別化をはかりたいメイシーズの今後の展開と反応、非常に興味深いです。




 2017/01/27 09:07  この記事のURL  / 

返品商品の行方

予想に反して好調と伝えられたホリデイ商戦を終え、米国では2,600億ドルの返品が予測されている。UPSによると、1月の最初の週だけで580万点ものパッケージが小売店に返品されるようです。大手企業では、返品にかかる費用も当然、経費として組み込まれていますが、返品された商品は、一体どこに行くのか? 

Buzz Newsのインタービュー記事によると、こういった返品商品を専門に購入し、セカンドマーケットとして販売している業者があり、例えばペンシルバニア州の「Kingdam Supply」という業者の場合、ウオルマート、サムズクラブ、ターゲット等から、電化製品に特化した返品商品を中間業者を通して20トラック分を購入。 携帯ケース、ヘッドフォン、スピーカー、DVDプレヤーなどを微調整し、米国をはじめ、インドやアフリカ、オーストラリアに販売しているそうです。この業者の売り上げはこの3ヶ月だけで75万ドルだったそう。

また別の業者でテネシー州の「Real Deal Warehouse」の場合、おもちゃや、道具、家具等の返品商品、1トラックに対し、3−5千ドルで購入している。ハロウインからホリデイ時期(10月−1月)の返品に集中して仕入れし、翌年のハロウインに販売するといったサイクル。一月平均で3−4万ドルの仕入れ、小売価格にして15万−20万ドル、年間では5,000万ドルの商品在庫を購入しているそうです。こういった清算業者は無条件で購入する為、30%は使い物にならないものも含まれているようです。

電化製品やおもちゃは、この手の清算業者による転売が予測されますが、衣料品はどうなるのか? 小規模な小売店であれば、一つ一つチェックして、棚に戻されるケースが考えられますが、大手企業では、最悪の場合、廃棄処分という事にもなるようです。

大勢の人の手を通して商品化された製品がこういう事態を迎えるのは悲しいものがありますね。ネット販売が増加に伴い、必ず増加していく中、今後の大きな課題となりそうです
 2017/01/19 09:49  この記事のURL  / 

ケートハドソンのフィットネスライン「ファブレテイックス」が急成長

先日のコラムでもお伝えした様に、米国のアスレジャーは$97B(970億ドル)の市場に膨れ上がり、2,000社以上のブランドが存在する過剰供給状態。昨年12月には、ニューヨークベースのフィットネス・アパレルブランド「ヨガスモガ」が連邦破産法第11条を申請するも、2週間で倒産という事態。

そんな状況下、ケートハドソンにより、2013年にスタートしたFabletics(ファブレテイックス)が急成長している。ファブレテイックスは、フィットネス・ヨガウエア等のスポーツウエアのオンラインサイトで、好みに関するクイズに答えると、購入者にあった商品を提案してくれる定期購入サイト。ゲストとして購入する事も可能ですが、VIP 会員になると、割引額での購入や、リワードプログラム等の特典がつくというもの。例えば49.95ドルのスポーツブラが、VIP会員は$29.95で購入が可能だ。

2016年は、そのVIP会員の増加もあり46%の成長。現在の会員数は100万人を超え、年商の75%がリピート購入によるものだそう。 フォーブスによると、2015年の年商は1億5,000万ドル,2016年は2億5,000万ドルに達する様です。

昨年は店舗の拡大を続けた事が、成長のポイントとなり、第4四半期のみで、既存店の売り上げは21%増。 現在の18店舗に加え、2017年は更に12店舗を拡大予定だとか。

店舗縮小の波が押し寄せる中、100万人以上のVIP会員を抱え、成長下というのは非常に興味深い。セレブ関連企業と言うだけでなく、フィッテイングの改善やスタイリッシュなデザイン性、タイムレスなシグネチャーラインが受けていると伝えられおり、確かにルルレモンに比べるとかなり割安・・

もちろんデザイン性や品質がそぐなわなければリピーターは生まれない。しかし、それに加え、サイト上でレギュラー価格とVIP会員向けの価格を2重表記しているのは、オフプライス店の手法と同様の効果で、スタイリッシュでハイクオリテイの商品をVIP会員向けのデイスカウント価格で買っているというお得感を創出し、実店舗を運営することで、更にブランドロイヤリテイも生まれているのではないでしょうか。

飽和状態にあるアスレジャーブランドの中で、セレブブランドのスタイリッシュ感とお得感をミックスさせたブランドポジショニングとなっている様です。


 2017/01/18 11:05  この記事のURL  / 



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