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2011年米国デニムジーンズ売り上げ

5-6年前のプレミアムデニムブーム時は、ヨーロッパ各地からも米国に進出するブランドも多く、ピーク時は、300近いブランドが登場したでしょうか。2006年に最もグーグルされたRock & Republicは、2011年にVF CORPに買収され、今年から、KORLS(コールズ)社との長期ライセンス契約により低価格帯に落とし込んで、販売しています。キャーンペーンビデオを見ると、特徴的だった装飾ロゴもなくシンプル化し、同じブランドには思えませんが、ジュニア向けのマス市場には、ちょうどよいのかもしれません。 

デニムの売り上げが気になる所ですが、米国の調査会社、NPDグループの2011年度分の発表がありましたので、数字を抜粋致しています。 上の表は、2011年米国のデニムジーンズの売り上げと本数、平均の小売価格のまとめ。本数は、ダース単位。

昨年は、カラーデニムやトラウザー、ブリーチデニム等が登場しましたが、今ひとつ、ふるわず。総売り上げは、2.1%減の、135億630万ドル。全体的に落ち込んでいますが、特にレデイースの下げ幅が大きく3.3%減の、77億9300万ドル。  

売り上げ本数は、6.7%減の3億1100万(ダース)。 消費者の収入や、好みの違いにもよりますが、$75以上の婦人デニムは、25.5%増で8億300万ドルの売り上げに対し、メンズ市場では、21.5%減の3億4500万ドルという結果。

ストアタイプ別のシェアと売り上げ:
レデイースでは50%近くが専門店での購入、売り上げ減が目立つ中、唯一の売り上げ増となっているのがマスマーケット。メンズでも専門店のシェアが一番多く27.9%ですが婦人に比べると、全体にばらつきがあるようです。



 2012/04/19 10:27  この記事のURL  / 

ユニクロ米国出店を加速

今日(4月10日)付けのWSJに、ユニクロアメリカ社CEO,COOによる、今後のアメリカ市場での
店舗展開のコメントが掲載されていました。WSJ電子日本語版にも既に掲載されていますが、有料会員向けなので、以下、参考までに抜粋。

現在、マンハッタンには、3店舗 (ソーホー、5番街、34丁目店)。
秋に、サンフランシスコ中心地、ユニオンスクエアの傍らに約800坪の西海岸第一号店開設。
他に、ロサンジェルス、他でも物件調査中。

更に、年末までに、フィラデルフィア、ボストン、シカゴ、ワシントンDC他、主要都市を含め、10-20店舗候補物件を探す予定 これら主要店舗の広さは800坪から1900坪。2013年末には 全部で20-40店舗に増やしたい。 2006年に知名度不足で撤退したモールへの出店も再度トライ。 前回大衆モール出店で失敗したが、次回は高級モールに出店。

アメリカ市場では消費者の買い控えでアパレル市場が低迷している中、ギャップ、アバクロ、タルボット、シアーズ等が 不採算店舗の閉鎖を実施し海外に活路を見出そうとしているが、ZARA、H&M, JOE FRESH等海外のファストファッション勢が元気な中、ユニクロは他社の売上げを脅かす存在となるか。


アンデイ・小林
 2012/04/11 01:13  この記事のURL  / 

増収増益『LuLuLemon』の成長が止まらない秘密



デフジャムのラッセル・シモンズが、ヨガブランド『TANTRIS』を始めるそうですが、この分野で、群を抜いて快進撃を続けている、LULULEMONの影響が大きいのではないでしょうか。

1998年創業、カナダベースの、LULULEMON ATHLETICA(以下“ルルレモン)店舗数は、2011年5月時点で、わずか142店舗ですが、12四半期(3年間)連続の増収増益で、2011年売り上げは、前年比30%増の$712M(7億1200万ドル)、今年は$1B(10億ドル)を超す勢い。

株価も、9四半期連続続伸中で、市場価値が$10.4B(104億ドル)というから驚きです。ホリデイシーズンにあたる、第四四半期では、ニーマンマーカスの3倍を超す、1 SQFT当たり1800ドル/年間の、売り上げを記録!

2500万人と言われるヨガ人口が、25%増しで需要が高まっている事、専門店が少ないという事もありますが、 低価格帯のアスレチックウエア専門店、VF CORPの『LUCY』や、GAPの『ATHLETA』では、ヨガパンツの平均小売価格が$25-50のところ、ルルレモンでは、$78-128とかなりお高め 。

何故、低価格設定でも無い、ルルレモンの売り上げが急伸しているのか、WSJが独自にインタビューを重ねており、その中で、顧客を魅了する、独自のテクニックが明かされていました。

デイスカウントセールはしない:
定番商品は一切、セールせず、全体の 95%は正規価格で販売。プロパーで商品を売る事は同社の目的の一つ
 
在庫は積まない:
各品番毎の在庫数は少なく、3週間、若しくは6-12週サイクルで、新色や、シーズンアイテムが入荷。これは顧客も、入荷した商品が次に来た時には無いかもしれないという事を熟知しており、熱狂的なファンを創出している。昨年12月に入荷した、新色のパリスピンク(ホットピンク)は、2ヶ月分の在庫を常備していたが、飛ぶ様に売れ、1週間でソールドアウト。

聞き耳を立てる:
他店が、ソフトウエアによる顧客管理を行っているのに対し、毎週、数時間、店頭でお客さんが買い物をしているのを観察し、商品についての感想や苦情等を聞く。 ショップ店員には、試着室のそばで商品の整頓をしながら、聞き耳を立て、お客さんのクレームを聞く様にトレーニング。
 
顧客からの意見を得る:
試着室のそばには、黒板が設置され、お客さん自身が商品に対する希望や苦情を書き込める様にしている。内容は、本社へと送られ、これらのデータをベースに、徹底した商品の向上と顧客への満足度へと繋げている。

これだけで、プロパーで売れるのかと思いますが、一番のキーポイントは顧客との徹底したコミュニケーション。ホームページを見てみると、ブログでは、商品の宣伝に使っている訳では無く、様々な情報が提供され、ツイッターでは、ほぼ100%、フォロワーへの返信をし会話をしています。。 また、上の動画は、ユーチューブの正式アカウントのものですが、何種類もある、ヨガパンツの素材、機能の違い、丈の長さによるメリットの違い等が説明されています。

商品教育以外にも、ヨガ中の注意事項、多様化するヨガ情報、実技のテクニック、ランニングで持参するべき10個のアイテム、スタッフのヨガバッグの中身紹介、グリーンスムージーの効用と作り方、イベント紹介、コミュニテイーに関する事などなど、健康志向のYOGI達には、役に立つ情報が盛りだくさん。

ルルレモンではツイッターフェースブックの他、タンブラーユーチューブフリッカーと、様々なソーシャルメデイアを利用していますが、その目的は、商品の宣伝というよりは、顧客との密接な繋がり。顧客に取って必要な情報を提供し、どの様に向き合っているか、それぞれのSNSを見ると、伝わってくる物があります。

急激な出店をせず、希少価値とカスタマーリレーションを高めながら正規価格で販売、利益を向上させていく、理想的なビジネスモデルと言えます。

2009年には、TWEENS(6-12歳女子)をターゲットに、ヨガやピラテイスの他、ジム、ダンス、スケート、ホッケー等、幅広いスポーツウエアに対応したブランド『IVIVVA ATHLETICA』をスタート。今年の2月には、デイズニーチャンネルの人気番組『Shake It Up!』とのタイアップコレクションがスタートしています。新しい客層の獲得、ビジネスの拡大と共に、いずれは、ルルレモンの顧客層へと導くのでしょうね。

日本では、デサントとのパートナーシップで3店舗ほど展開をしましたが、残念ながら、2008年に撤退。


http://shop.lululemon.com
 2012/04/10 05:40  この記事のURL  / 

&Other Stories : H&M進化するストアへの投資

(& Other Stories のフォント、ロゴは未発表ですので正式の物ではありません)


アパレル業界での気になる話題を一つ。先日、H&Mがアナウンスしたばかりの、来年スタートするという新フォーマットのチェーンストア『& Other Stories』 ストア名とロゴは既に商標登録を申請しているそうですが、いきなり『&』から始まるのは不思議な感覚です。シークレットの意図があるのかもしれませんが、センテンスが完結していない所が、ミステリー。既存の姉妹店の、2ストアとは異なったアプローチが必要、3つを組み合わせると、H&M,COS & Other Storiesで、センテンスは一応、完結し、企業ストーリーが出来ますが、単純すぎますか、、

来年からスタートするという新チェーン店、具体的なスタイルや、オープンするロケーションについては明かされていませんが、H&M社が2007年にスタートした、H&Mよりも、ハイエンドな姉妹チェーン『COS』 をラグジュアリーにした様なストアだそう。 ヘアスタイリング商品、ベッドリネン、スポーツアイテム等が加わりとの事、ライフタイルブランドよりになるのではないでしょうか。

ちなみに『COS』は、 COLLECTION OF STYLE の省略形で、メンズ、レデイース、キッズの、スタイリッシュでモダン、そしてH&Mよりもクオリテイの高い商品を、ベスト価格で提供するというコンセプトでスタート。現在、ヨーロッパで40店舗展開しており、同社の中でも最も利益率の高いチェーン店として注目されています。

『COS』の成功例が、次なる進化の道へと導いているのでしょうね。早い!安い!新鮮!だけでは物足りない時代が忍び寄っているのかもしれません。ファストファッション企業が、どうすれば、利益率をあげた商売に導く事が出来るか、大きな課題です。 

& Other Stories』は『COS』よりも、グレードをあげながらも、トレンデイな商品を短サイクルで提供、消費者が納得のいく、AFFORDABLEな価格設定という、基本のコンセプトは維持、価格帯はH&Mよりも少し高めに押さえる様です。

値ごろ感があると言っても、価格はアップするのでしょうから、ZARAあたりの路線を狙っているのかもしれません。 ファストファッションのさきがけとして知られるZARAは、短サイクルでトレンデイな商品ですが、オープン当初に比べると価格帯があがり、現在は、SPA企業に属すると思いますので少し違うのかもしれませんが。。 生活雑貨を含む、ライフスタイルをカバーし、一歩進んだ、ファスト&シックファッションストアといったところでしょうか。

H&M社では、これ以外にも進めている、プランが複数あるという事ですが、2012年、長期的ビジネスプランへの投資金額として、8億3000万ドル〜9億1000万ドルを予定しているそうです。 仕入れコストの高騰もあり、短期的にはマージン率の低下が予想されますが、将来的に企業として成長する為の必要投資。

国内の商売が停滞し海外進出が目下の、スタンスという状況が多い中、積極的に攻めの成長を企てている企業と思えます。 米国企業も、かつては新しい構想で新ストアやビジネスが盛んに登場していましたが、ここの所、停滞気味、、、

3月の米国の小売り店の売り上げは、イースターが去年より早まった事と、異例の暖かさで春物が動き、全体的に売り上げが良かったことが速報として伝えられています。少しづつ景気も回復している様ですので、本来の発想の豊かさと、バイタリテイをベースに、米国企業の攻撃は、これからが本番ですね。


 2012/04/06 07:44  この記事のURL  / 

JCペニーの売り場改革

Image: Via WWD

以前のブログ『アメリカのアパレル小売業』の中で、大衆百貨グループの、シアーズ、JC ペニー、K-マートは、滅び行く、旧態以前の小売店とご説明しました。 シアーズ は看板のランズ・エンド の売却を考えている様です。JC ペニーは、アップル社から、ロン・ジョンソン氏をCEOに迎えての大改革に取り掛かっており、値引きでの販売方針から大改革中。

知人のアパレル会社では、JCペニー向けに年間100億円以上を販売していましたが、標準小売価格(Suggested Retail Price)が30ドルとすると、卸値はその1/3の、10ドルが目安。いきなり30%オフから商品の販売を開始し、50%オフでセール販売しても十分利益がでる値付けをするのです。 当然消費者は定価というものを全く信用しなくなり、お店への信頼、評判も落ちていくことになった次第。 現社長はこれを、アップルの販売手法をもとに、定価販売、Everyday Low Price 作戦に変更しようとしています。(当分は消費者がとまどって売上げ不振に落ち込むだろうとの予想が大勢です)

4月4日付けのWWDに、JC ペニーの新売り場作りについて、社長との独占インタビュー記事が出ていました。 日本のGMS でも将来のお店作りに参考になるのではと思います。 

従来複数の納入業者から仕入れして、紳士服、婦人服、子供服としてカテゴリー別にまとめて、大枠で分けていた売り場を、個別に提供してそのブランド、カテゴリー毎に販売してみようという試みです。 納入業者からの商品、売り場の提案を5月1日まで公募を受け付けており、6月1日までにどの納入業者の案を採用するか決定し、来年春から新しい売り場で販売していくというもの。 

現在約1100店舗あり、大型店の広さは約5000坪から6200坪、その中に、『Stores in Store』『Shops』『Boutiques』の3種類のストア形態で、100ブランド展開する事を予定している。

STORES IN STORE:  セフォラや、マーサスチュアート等、インショップストア(約55坪づつ)
SHOPS:    『MNG by Mango』や、PBの『アリゾナ』等のブランドストア(約14坪づつ)
BOUTIQUES:  デニムや水着等の、複数のカタゴリーのブテイック(約8坪づつ)

4年の期間をめどに、逐次、新ブランドを投入し消費者に、ショッピングの楽しみを味わって貰う。既存の化粧品売り場、セフォラや、マーサスチュアート商品の売り場も、その中のひとつに位置付け。 決まりきったブランドの商品を並べるのではなく、様々なコンセプトの商品をブランド別に、おいていこうという発想です。従来、ただの通路だったものを、”ストリート”と称し、ショッピングモールの様に広場や、通りを形成して小さな商店街をイメージしようとしたものでしょうか?

背景には有名ナショナルブランドが、最大手百貨店グループのメイシーズ に押さえられたり、Arizona(アリゾナ) 等のPB戦略に走りすぎた反省がある様です。日本の百貨店の様に場所だけ貸すというのではなく、お店と納入業者がパートナーとなり、お互いがリスクをとって 改革していこうという試み、EVERYDAY LOW PRICE 戦略と合わせ、どう変っていくのでしょうか。

納入業者の審査は来年以降も継続募集するそうなので、日本のアパレルメーカーさんも、トライしてみると良いかもしれません。

アンデイ小林
 2012/04/05 05:28  この記事のURL  / 



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