支え合う社会
澤選手、佐々木監督が、FIFAの年間最優秀賞を受賞し本当によかったと思う。スポーツを筆頭に国民レベルでは震災後も「絆」や「つながり」をキーワードに人々が支え合って生きて行こうという機運が高まっているように思える。その代表的なものの一つに「測ってガイガー」がある。これは、ガイガーカウンターを持っていない人が、持っている人に測定を頼んで結果をインターネットで表示することで多くの人が同じ情報を共有できるサイトである。hakatte.jp/map/

今後ますます増加する高齢者人口を考えると、今までの個人主義的な価値観ではなく、共同体的な社会を作る事の重要性を感じる。
 2012/01/30 10:36  この記事のURL  / 


ハイリスクハイリターンの終焉
我が国は人口減少状況にあるが、今後特に問題になりそうなのが、生産年齢人口と呼ばれる15歳から64歳の人口の減少である。人口が減少すればマーケットは縮小してしまうので、自ずと、大手企業などは事業ポートフォリオを国内から海外、特に東アジアに移そうとしている。また、対ドル、対ユーロに対する円高が続けばなおさら海外生産を加速させる事になるだろう。その結果、リスクも海外に向くものが多くなり、国内では所得の低下やデフレの継続懸念が続いて行く可能性がある。

このようになると、過去のように大きなリスクをおかしても得られるリターンは限られたものとなってしまうので、企業も堅実思考が求められる事になり、ほどほどのリスクで、それなりのリターンが求められる事になるだろう。これはファッションビジネスにおいても同様で、よっぽどの一人勝ちでもしない限り得られる利益も限られたものとなるので、その中でどの様にやりくりをするのかを考えなければならなくなるのではないだろうか。
 2012/01/23 14:13  この記事のURL  / 


若手作家による伝統芸術の表現
原点回帰はここしばらくのメイントレンドという事になると思うが、それをファッショントレンドとして消化しようとすれば、トラッドやプレッピーなどを鮮度高く表現するという事になるだろう。ファッションの場合、どうしてもヨーロッパから情報発信されるために、日本人や日本人の価値観との間にギャップが生じる事もすくなくない。むしろ、ストレートに感じる事ができるものとなると欧米的なものではなく、より日本的なものという事になると思うし、その点で最近注目されている、書家の紫舟氏や陶芸家の青木良太氏はすごいなと思う。彼らは伝統を受け継ぐべき伝統と言った概念ではなく進化させるべき伝統と言った概念で作品作りに取り組んでいるように見える。
若手陶芸家集団IKEYANのリーダーとしても活躍する青木氏、www.ryotaaoki.com/ そして、1月4日の東京株式市場、大発会で「日本力」というメッセージを発信した紫舟氏、www.e-sisyu.com/ に今後も注目したい。今年は彼らから発信されるメッセージをどのようにファッションとして表現するのを考えるクリエーターや企業が現れると良いと思うのだが。
 2012/01/17 19:40  この記事のURL  / 


これからのファッションビジネス
終戦後の1950年、日本人一人当たりのGDPは、アメリカのわずか20パーセントにすぎなかった。しかし、我が国は70年代、80年代に急速な経済成長を成し遂げ、1991年のピーク時には、85パーセントまでの成長を達成した。しかし、バブル崩壊以降、不況や人口減少などの構造的な問題もあり2006年には、米国の72パーセントにまで低下してしまった。このアメリカでさえ、ゴールドマンサックスのレポートによれば2040年までに、GDP世界一の座を中国に明け渡すと予測している。専門家によっては2025年とか2030年という前倒しの予測をする人も少なくない。

このような国力の変化が予想される将来に向けて私たちはどのような対策、アクションを起こすべきなのか。難しい選択にはなるが、やはり、大国である中国との関係を今から少しずつ構築して行く事が重要になると思う。
 2012/01/10 13:40  この記事のURL  / 


今年の総括
毎年この時期になると 同じセリフを言っているような気がするが、「早いもので、もう、1年が終わろうとしている。」確かに、あっという間の1年だったが、いろいろなことがあった1年でもあった。リーマンショックから今年の震災、そして原発問題、さらにギリシャに始まったユーロ危機などによって世界経済は全く先が見えなくなってしまった。震災、相次ぐ首相交代、膨らむ国の借金、衰退に向かう国力、人口減少など、我が国の未来が描きにくくなっているにもかかわらず、これだけの円高になるということは、世界はそれ以上に深刻だと言えるのだろう。なぜ、円高になるのかを考えてみると、皮肉な話だが、勤勉な国民性が円高を招いていると言えるのではないか?国の借金と言っても、国債の多くを保有しているは日本人だし、震災や原発によって、国内は大変なことになっているにもかかわらず、その年の漢字に「絆」を選ぶ国民性。世界から見れば、円を買う背景には「それでも信用できる日本」と言う事なのだろう。

しかし、本当に来年以降も信頼され続ける日本でいられるかは分からない。これだけ国民生活が厳しくなれば今まで購入できた国債の購入も減少するのではないのだろうか。戦後の高度経済成長期のモノ不足の時代から今日のモノ余りの時代への変化、確実な成長から衰退への変化。それは、国だけでなく確実に私たち一人一人の生活に密接に結びつくものとなる。グローバル化は、ますます進み、その流れに乗る者と乗らない者の差が明確化するだろう。そのような状況に中で、今こそ、価値観と生活の仕組みそのものを見直すべき時ではないかと思う。所得は増えないという事を前提とした楽しい生活や自分らしい生活を定義してみる。お金を使わないのではなく、納得できるモノだけを消費する。流行に惑わされるのではなく長く使える良品を選択する。そしてそのような価値観にあった商品を開発、供給する企業が成長を続ける事になるのではないだろうか。ヨーロッパから配信されるトレンド情報によって、商品を開発する事はファッションビジネスを行う時には、当たり前の事となって来たが、その事さえも見直されて良いのではないだろうか?日本という国とそこで暮らす人たちの価値観から考えられる独自のトレンドを作る必要があるのではないだろうか。今こそ、メガトレンドとファッショントレンドの我が国独自の新しい関係が築かれるべきだと思う。欧米型ではなく日本型トレンドが必要であると痛感する。
 2011/12/27 16:04  この記事のURL  / 

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プロフィール
栗山 志明 (くりやま しあき)
1977年に(株)キングに入社。
基幹ブランド「ピノーレ」のデザイナー・チーフデザイナー・コーディネーターを経て1987年に独立。1988年に(株)プレールを設立して代表取締役に就任、現在に至る。
ファッション業界の様々な業態のクライアントに、質の高い情報と独自のマーケティング手法に基づくブランド開発、ディレクション、商品企画などの提案を行う。
1988年〜1994年までバンタンデザイン研究所・商品企画講師、1999年〜現在までIFIビジネススクール・マスターコース講座主任を担当。

株式会社プレールのホームページ

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