JILL by JILL STUART
当社では注目ブランドレポートなるものを作成しているが、今回登場したブランドの1つがこのJILL by JILLSTUART である。このブランドへの注目度としては、心斎橋の大丸北館で売り上げが良いことなどだが、昨年9月で7店舗、売り上げも13億を越え、今年は8月までにさらに5店舗程度の出店予定だとか。まさに成長期ブランドといえるだろう。

人気の理由は、ジルスチュアートがプロデュースする新しいスタイルのセレクトショップであるということ、アイテムにもよるがジルと比べてオリジナルでも価格は比較的に安いということなどが挙げられる。心斎橋大丸に限らず、これからは百貨店、駅ビル、ファッションビルなどの境界はどんどんと崩れ、中庸であるところに集客が高まるとすれば、必然的にブランディングそのものも、その中庸なポジションを狙う必要性が高まるだろう。もっとも、そうなればプライスMDそのものの見直しが必要となり、次には企画、生産のシステムをどのようにするのか、OEMを含めSPA型の対応が出来る会社と出来にくい会社の違いが鮮明になってくるかもしれない。
 2010/03/10 20:00  この記事のURL  / 


春のキャリアマーケットリサーチレポートより
キャリアマーケットも春物の展開が始まりました。気になっていたアイテムの動向としては、早くもマキシ丈のドレスが売り場で展開されたことです。昨年は夏物での注目アイテムだったので今年はもう終わってしまうのか、それとも夏になるとたくさん登場してくるのか、春先から今年は登場してくるのか。どうなるだろうと思っていたら、春先からの登場です。まあ、この時期だからテストの要素もあるでしょうが、テストだとするとテスト結果は思ったよりいいようです。ということは、この後の3月商戦以降、キャリアマーケットでも今年は重要なアイテムとなるのではないでしょうか。

また、昨年の春はノーカラーのUネックジャケットやニットのカーディガンが羽織アイテムとして注目されました。その結果、秋物でも継続して登場してきました。そして、今年の春物はどうだろうと思っていたら、やっぱり継続しています。もっとも、今年は春レザーも多いのでさらに進化しているともいえるのでしょうか。なぜ、このアイテムが売れるのか考えてみると、エレガンス系、フェミニン系のスカートとの愛称がいいですし、ボーイフレンドジーンズなどとのコーディネートも問題ないので、いわばオールマイティーな羽織アイテムとして重宝がられていると思われます。とはいえ、これで3シーズン目に入ったので、そろそろ新しい変化がほしいところでもあります。そこで、ちょっと注目してもいいかもしれないのがノーカラーのVネックものです。SSコレクションでも増加傾向だったですし、今年の秋はニューアイテムとして仕掛けてみても面白いかもしれないのです。
 2010/03/07 19:25  この記事のURL  / 


春のヤングマーケットリサーチレポートより
いよいよ春物が動き始めたようである。当社で作成しているレポートによれば、やっぱり来たな!という感じであるが、SSコレクションで話題となったD&Gやラルフローレン風、ウエスタンシャツやガーリーな花柄プリントシャツブラウスなど、この春の本命と思っていたアイテムが早速1月に店頭から登場してきた。10月中旬以降にこのあたりのアイテムが注目と言われ始めたことを考えれば、相変わらず早い対応で商品化が行われているようである。

また、昨年はケアベアなどが話題となったが、今春のヤングマーケットではすでにミッキーやスヌーピーのプリント物が登場して来た。そういえば、D&Gもコレクションでミッキーを使っていたので、このキャラクター活用も今年のデザインポイントとして注目しておく必要があるだろう。

ボトムで気になるのはチュールレースなどを使ったロマンティックテイストのミニスカート。ロマンティックではあるが、レギンスとの相性もよさそうなので、ゆるかわいいファッションのマストアイテムになるのではないだろうか。いよいよAWコレクションもスタートしロマンティックテイストの行方が注目されることになると思う。
 2010/02/28 22:44  この記事のURL  / 


2つの時間軸
最近、時間の概念をちょっと変えてみました。それは時間の概念を2つに分けて考えるといったイメージなのです。

1つは普通の時間です。毎日毎日、1秒ずつ、時計の秒針とともに過ぎていく時間です。今日のスケジュール、どこへ行くのか、何をするのか、誰と会うのかなどで、この時間は確実に過ぎていきます。

もう1つの時間は、現実の時間ではあるのですが、少しはなれたところというか、ちょっと長い単位で感じる時間です。今自分はこんな仕事をしているが、その前後にあるだろう時間の中だと、たぶんこの辺に来ているなとか、1年とか2年とかの時間の単位で考えると今の時間はこんな感じだろうとかです。

自分の行動を見るようにすると、今までだったらあわててやっていたようなことが、「ちょっと待てよ。あまりあわててやらないほうがいいかもしれないぞ」とか、逆に今までだったら後回しにしていたようなことが「この仕事はなるべく早く取り掛かったほうがいいんじゃないか」といったように考えが変わったりします。

春物が立ち上がり、10年AWのコレクションシーズンに入りました。ジェネラルトレンドでは11年SSの傾向分析の真っ最中です。大切なことはここでも、それぞれの情報をどう分析するかですが、その際に2012年とか13年とかをどのようにイメージした上で、作業を行うかが大切だと思います。あまりうまく表現できませんが、ちょっとはなれたところから、少し長い目で、客観的に眺める時計みたいなものが大切に思えます。
 2010/02/22 11:08  この記事のURL  / 


MDとデザイナー
以前、ある会社のMDと話しをしていたとき、彼はデザイナー不要論を唱えていました。彼いわく、売れる商品といえばあまりデザイン性のあるものよりむしろシンプルなもので、最も重要なのは価格であるということなのでした。そうなると、いくらの原料を使ってどの生産ルートで収益性の高い商品を企画・開発できるかが問われることになります。これはデザイナーの仕事ではなくMDの仕事なので、必要なのはデザイナーよりむしろ優秀なMDであるとのことなのです。

「なるほど」と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、おおむね業界全体にそんな価値観があったことは否定できません。今や専門学校を卒業してデザイナー職を希望しても、新卒でデザイナー採用している企業はごくわずかになってしまいました。これはここ1・2年の話しではなく、極端なことを言えば10年以上前からこのような傾向があったのではないかと思えます。新卒のデザイナーを採用して育てるのは大変で、育った頃にはよその会社に行ってしまいます。それなら、デザイナーは中途採用をした方が良いと考えてしまうので、大手アパレルでもあまり新卒採用をしなくなってしまったのです。多くの会社で同じことをするため、業界に若手デザイナーが少なくなってしまいました。これはまずいと思っていた頃に、「ファストファッションブーム」「リーマンショック」「顧客の買い控え」「SPA化&OEM(ODM)化」がどっと押し寄せてきました。ですから、アパレルメーカーは「それならいっそのこと、全部商社に頼んでしまえばいいか。」みたいな発想になってしまっています。

しかし、それでブランドアイデンティティは構築できるのか、ブランドバリューは発揮できるのか。いや、それは不可能なのです。しばらくして生活者の価値基準が変わり、ブランドの独自性やデザイン性・オリジナリティが求められる時代が来たら、大手アパレルはどうするのでしょうか。現状にシステマティックに対応するのも良いのですが、デザイナーやクリエイターをもう少し大事にしないと、いずれ大きなしっぺ返しを食らうことになると思うのです。
 2010/02/15 10:53  この記事のURL  / 

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プロフィール
栗山 志明 (くりやま しあき)
1977年に(株)キングに入社。
基幹ブランド「ピノーレ」のデザイナー・チーフデザイナー・コーディネーターを経て1987年に独立。1988年に(株)プレールを設立して代表取締役に就任、現在に至る。
ファッション業界の様々な業態のクライアントに、質の高い情報と独自のマーケティング手法に基づくブランド開発、ディレクション、商品企画などの提案を行う。
1988年〜1994年までバンタンデザイン研究所・商品企画講師、1999年〜現在までIFIビジネススクール・マスターコース講座主任を担当。

株式会社プレールのホームページ

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