アウトレットの売り場価値
私たちが服を買う時、何を基準に服を買うのだろうか。

当然一つの基準ではなく色々な要素を組み合わせて購入を決めている。そこでその代表的な要素を分類して見たい。まず第一に思い付くのは、売り場の価値である。どんな売り場でも価値は同じという事はない。売り場の価値を売り場業態の価値と考えてもいいだろう。

先日、千葉県木更津 に、新しいアウレットモール、三井アウトレットパーク木更津が、オープンした。アウトレットは、大量に発生したメーカーの不良在庫などを低価格で販売するための売り場業態、言い換えれば不良在庫の処理売り場と考えれば、いくら安いと言ってもそこに多くの人が訪れる事は考えにくい。

しかし、現実はどうだろう。駐車場に車を入れるだけでも大変時間がかかるほどの盛況ぶりである。最近のアウトレットは大型化し清潔で、明るく、売り場の店舗も十分に洗練されており、ブランドとしての価値の高いブランドが数多く展開されている。商品も不良在庫と言った印象はない。VMDもしっかりとしている。ドライブを兼ねて休日を過ごすにはもってこいの業態になっている。アウトレットという売り場業態の価値は決して高くないが、売り場の環境や価格、展開されているブランドの価値が、その業態としてのバリューの低さを補って十分な魅力を持っている。
 2012/05/15 18:34  この記事のURL  / 


百貨店の売り場価値
百貨店は、自らの売り場の価値に加え、導入するブランドの価値、バイヤーが選ぶそれぞれの商品の価値、他の業態にはないトレンド性やライフスタイルの提案、独自の視点で編集された売り場の価値など、様々な価値が備わり、発生する世代交代にも臨機応変できるフロアー構成を行っている極めて優れた業態である。それにもかかわらず、今日、百貨店離れ、ブランド離れなどと言われて売り上げが低迷している理由はなんなのか。ファッションビルや駅ビルの台頭というような言葉でかたずけてしまうわけにはいかない。

なぜなら、ファッションビルや駅ビルのような利便性を軸に特化されたターゲットへのアプローチを行っているわけではないので、基本的にはファッションビルや駅ビルはコンペチターにはならないはずである。そうなると、全てとは言わないが、問題の多くは外部要因ではなく内部要因、すなわち、百貨店が本来の百貨店としての価値を活かしたビジネスから逸脱してしまっている為と考えるべきだろう。

それは、進化しない売り場作り、進化しないサービス、百貨店としての価値の低下、ブランド価値の演出の低下、世代交代への対応の遅れなど、本来最も大切な顧客ニーズさえも汲み取れていないように見える。トレンドでは盛んに原点回帰が叫ばれているが百貨店こそ、今まさに、原点回帰すべき業態であると思う。
 2012/05/09 10:31  この記事のURL  / 


セレクトショップとSPA、業態の際崩し
セレクトショップの業態特性は、ショップのバイヤーが、様々なブランドや個人から商品を仕入れ、独自の売り場編集でその商品を販売するという事だろう。日本では展開を行っていない海外ブランドの商品など、特定の消費者のニーズを満たしているケースもあるが、今日の大型セレクトショップの多くは、ショップオリジナルの商品構成比率が50%以上で、重要な収益源となっている。

このようにショップオリジナルの商品(プライベートブランド商品)を高い比率で開発しているのであるから、これを小売業というのはおかしいかもしれない。むしろ、リテールから始まったSPA(Speciality Store retailer of Private label Apparel)(製造から小売までの垂直型統合業態)と呼ぶにふさわしいと思う。一方、アパレルメーカーにおいても、昔のように、百貨店アパレルとか専門店アパレル、量販店アパレルなどと区分することができにくくなっている。それだけ流通業態が多様化しているのだが、それに加えて、アパレルメーカーでもバイヤーが買い付けた商品と自社ブランド商品を組み合わせたセレクト型ショップ、すなわち、アパレル型SPA&セレクトを展開するケースも増加している。

このように、今や、リテーラーであるとか、アパレルであるというこさえも分類することが難しい業態が増え、また、そのような業態が市場をリードするようになった。
 2012/04/23 10:10  この記事のURL  / 


新個性化時代
1980年代、それまでの戦後復興、大量生産、大量消費に陰りが見え始めた頃、市場では、大衆化から小衆化、個性化の時代と言われ、それまでのナショナルブランドに変わって、いわゆるDCブランドが大きく成長していった時代であった。

そして今、私たちは1000年に一度と言われる震災を経験し、同時に少子化問題や高齢化社会の到来、世界に目を向ければ、こちらでも多くの自然災害が発生し、加えて、ヨーロッパの経済危機など、今までとは違う大きな転機を迎えていると言わざるを得ない。

80年代の変化は、大衆化から個性化であり、ある意味では個人主義的な価値観の発見と言った側面を持っていたように思う。しかし、今の変化はむしろ逆で、経済成長の予測の下で成立した個人主義が行き詰まってしまい、非個人主義と言うか、共同主義的な価値観を見直そうという気運が高まっているとおもう。だからこそ、絆だとか結びつきと言った言葉に多くの人が共感を覚えるのであろう。

その一方で、本当に全てが同じ方向に進んで行くのかといえば、決してそうでもないように思える。協調性を重視する人、個人の価値観で行動する人、お金を使う人、お金を使わない人、お金を使えない人、結婚したいと思う人、そうでは無い人、海外に出て行く人、国内にとどまる人、とにかく単なる価値観の違いではなくライフタイルと言うか、自分の人生そのものに対する価値観の違いが、行動となって現れる時代、新たな個性化の時代に入ったのではないかと思う。
 2012/03/26 12:02  この記事のURL  / 


ゴルフ市場動向
スポーツ関連商品の出荷市場規模の推移を見ながら、その傾向を分析してみるといくつかの興味深い点が見つかる。

数年前に女性の参加者が増加して注目されたゴルフについて。ゴルフウエアの推移は、2008年を境に、2009年以降11年まで3年連続で前年比95から98%と減少してしまっている。また、女性向けのゴルフ用品も同様で2009年以降は90%台前半と大きく市場規模が縮小してしまっている。次にゴルフの競技人口を年代別に見ると30代、40代男性の参加者の減少が目立つ。

全体に低調なゴルフ市場ではあるが、景気の回復やプロゴルファーの活躍などで再び、増加に転じる可能性も少なくない。特に注目したい点は、戦後生まれの団塊の世代がいよいよ本格的な年金受給者になり生活が安定することで、参加者の増加が見込めると思われる。
 2012/03/19 13:01  この記事のURL  / 

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プロフィール
栗山 志明 (くりやま しあき)
1977年に(株)キングに入社。
基幹ブランド「ピノーレ」のデザイナー・チーフデザイナー・コーディネーターを経て1987年に独立。1988年に(株)プレールを設立して代表取締役に就任、現在に至る。
ファッション業界の様々な業態のクライアントに、質の高い情報と独自のマーケティング手法に基づくブランド開発、ディレクション、商品企画などの提案を行う。
1988年〜1994年までバンタンデザイン研究所・商品企画講師、1999年〜現在までIFIビジネススクール・マスターコース講座主任を担当。

株式会社プレールのホームページ

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